vsファタン2
「すいません。平均速度のこと言ってなくて」
「俺の力不足の結果です」
打たれたものはしょうがないどうにかして抑えないと。
「次は変化球主体でいきます」
「はいわかりました」
ファタンはホームラン数も去ることながら三振の数も多い、それも空振りが多い。
多分ファタンは決め打ちをしている。その証拠に初対戦の相手の球は見てる多分どのような軌道かを見ている。つまり変化球を投げまくって三振を取るしかない
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夜屋がいうから来たがただのヘボピッチャーやないかい。
これで何が掴めると思ったが、買い被りすぎたか。
「おいファタン3打席目だ」
「ホイホイ」
ほなここで決めてこの茶番を終わらせるか。
ほな最初は見るか。
シュ
バッシ
変化球かストレートは遅かったが変化球はやっていけるな。
シュ
バッシ
次も変化球か。ちゃう変化球や、シュートか?色んな技使ってワイを惑わせる作戦か。
ワイの能力が分かったか?
ワイの能力はバットを振るまでにボールがくるゾーンを予想してそれがドンピシャにあたればフェンスオーバーするっていう力や。確かにこの能力の対策方法はワイが知らん球を投げつけるということや、果たしてそこまで球が続くかいない。
そんなこと考えてるうちに3−2かワイはずっと見てるだ気でこれや。もう球はないはずや。
「おい夜屋四球はどうなんや」
「もちろんファタン君の勝ちだ。そんなつまらないことはしないよね永谷君」
「もちろんですよ」
次は何が来ても打つ。
今まで投げた球はストレート、フォーク、スライダー、シュート、チェンジアップ、シンカー
こいつは最初シュートを投げたそれはワイが最初は見ると考えてたのもあるがそれが一番自信のある見せてない球やったからだ。つまりシュート.....いやちゃうこういうう時投手という生き物はストレートを投げる。
インハイ...いや待て
やばいモーション初めた、シュートや真ん中下にシュートが来る
コツン
やっば打ち上げてもうた、キャッチャーフライや。
「アウト」
くっそ思ったより変化しなかった。
いや疲れてただけか。
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よかったキャッチャーフライだ。
でもなんであんな投げミスした球を。
もしかしてあいつは決め打ちしてる?予想したところに球が来たらホームランになるそんな能力だとしたら...いや有り得る最初は球を見るのもその変化を見たいからだ、だとしたら厳しくないか?どうしよう
いやあれがある、いやあれはリスクが.......リスクがなんでやるんだ
「熊野さんちょっと来てもらっても」
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どーしたんや?バッテリー集まって作戦会議か?
「おい作戦会議してもワイは抑えられないで」
......無視かよ、傷つくわー
なんやキャッチャーのおっさん驚いた顔してそんな奇策試すんか?
この勝負の奇策いうたらなんやろう?ワイに死球とかか?いやそれやとワイが出塁するからちゃうか。なんや?
「プレイボール」
しょーもないこと考えてるうちに初めてもうた。
シュ
バッシ
なんや今の変化球キャッチャーすら取れてないやん。ぎょうさんへかしたで。
でも覚えたで。
シュ
ボールはここを通るこれでもろたで。
ボールないやんけ場外かあっけなかったな
「ストライク」
そうしてみたらボールはキャッチャーの前にあった。
なんや全然さっきのと変化がちゃうやんけどういうことや。
「どうしたんだ外野の方見て?もしかして場外とか思ったんか?そうだったとしたボール打つ感覚あるだろ」
「ちゃうわ、どこに打てばええか考えてただけや」
なんなんや今の変化球わけわからない1球目、2球目でちゃう。ちゃう変化球なんや?いや同じはずやボールが同じくフワフワと変化した。
同じ変化球なんや。
振りかぶった
シュ
ボールを見るんや。分かるぞ真ん中に来ることが。ココや!
カキン
やばいかすった。ボールは一二塁間抜け.....いやピッチャーが取れずにミットを掠ってライト前ヒットとなった。
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打たれた。クッソ。
「今の変化球ナックルか?」
「はいそうです」
夜屋さんが質問してきたので俺はそう答えた。
「なんやその球聞いた事ないぞ」
「回転数が少ない球だ。空気抵抗の影響で不規則の動きがする変化球だ、まー最近投げる人がいなかったたしファタン君が知らなくても恥ずかしがらずいいぞ」
「余計なお世話やい」
「ナックルをまさか投げられたとはな」
「いや遊びで投げただけですとても実戦では投げれるとは思いませんよ」
「おいワイには投げてええんか?舐められてるんか?」
「そんなことはないですよ。ファタンはヤマを張って打ってた、だからナックルというヤマを張りづらい変化球を投げるしか無かった」
そういうとヤマを張って打つのが図星だったのか。そうかとだけ言って黙った。
「なるほどね。でもナックルとは少しでも投げミスすると棒球になるぞ、最後の球のようにな」
「それぐらいのリスクは取らないと」
「合格だ」
合格?マジで1勝2敗俺の負けだ
「なんで?」
「別に俺は勝ち越したら合格なんて言ってないぞ」
え?
「俺が見たかったのは今の野球に適用できるかだ。君はファタンの能力を分析しナックルボールという不規則の変化する変化球でファタンを攻略しようとした。結果は失敗だったが合格基準に適している」
「お前?なんであの球を追いかけた?」
え?そんな当たり前のこと聞いてるのか?
「たとえ取れないとわかってても行くものじゃないんですか?」
「そうやな.....れからは仲間いうことかよろしゅーで永谷」
「あ...よろしく」
切り替え早いなこいつ
こうして俺はプロ野球選手になった。
「そういえば俺をどうやって獲得するんですか?」
「あードラフト外としてだ。書類上は君はドラフトで獲得した後すぐに戦力外になり日香理ホスピタビーズという社会人野球に所属してることになってる。つまりなんも問題のないことだ気にすることではない」
それって空白の1日とか....いや考えるのはやめとこう。
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「夜屋さん。この映像はなんですか?」
「これは60年前のナンバーワン高卒永谷透君のテストの映像です」
俺は東京独読ラビットズ布田川上監督に言った。
「こんな隠し玉があったんですね。選手20年コーチ4年監督2年目ですがこんな秘密があったなんて初めて知りました」
「球団でもごく一部の人間しか知りませんから布田川監督知らなくても恥得ることはありませんよ」
「永谷透、消えた天才と記憶しています。それを我がチームに加えるんですが、今の時代通用するんですが?」
「投手、野手としてもまだまだです天才言っても高校生ですからね。でも」
「でも」
俺が次に言うことを食い入るように待っている。
「この異能力全盛期時代においてはある程度の活躍をする。そう確信します」
「それは楽しみですね」




