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オーバーヒューリングショク

「ただの筋肉痛だったからよかったですが、もう無理しないでください」

グランデさんに俺は怒られていた。

「いやーすいません」

「思ってませんよね?」

ちゃんと思っているちょっとだけだけど。

グランデさんの手の周りが緑に光っている。

魔法をかけてくれてるらしい。気持ちちょっと痛みが引いてる気がする。

トントン

そうドアの音が聞こえた。

「調子はどうだ?」

夜屋さんがそこにいた。

「最高ですよ」

「アイシングに回復魔法をかけてるやつが最高か。自己評価がおかしいじゃないのか?」

やっぱりこの人一言多い。

「夜屋さん、永谷さんは筋肉痛なのでテストには影響はありませんよ」

「ご丁寧にありがとうございます」

頭を下げながらそう言った。

「本題を忘れるところだった」

本題?この人俺を煽りに来たんじゃないんだ。

「入団テストの内容が決まった」

入団テストそう聞いて俺は気が引き締めて聞いた。

「テストだがこいつと3打席対決してもらう」

そういい渡されたのはある新聞記事だった。

『ラビットズ来シーズンもファタンと契約』

そう書かれていた。10月に契約が決定してるって十分期待されてるんだな。うん?もしかして俺の入団テストの対戦相手って。

「ファタンと対戦してもらう」

まじですか。まぁでもプロになったらこのファタンと同等もしくはそれ以上の相手と対戦することになるんだよな。

「ちょとまってくださいこれだけじゃ俺の投手としての面しか判断できませんよね。打者としては俺評価されてないんですか?」

「確かにそうだな。それはそのうちするとして」

えぇ……

「どちらにしてもファタンに勝たなければトッププレイヤーにはなれないぞ」

そういい夜屋さんは病室を出ていった。

_______________

__________

______

 ガタリー・ファタン、頭から生えてる耳がトレードマークのラビットズの助っ人異世界人。助っ人異世界人というのは、1人一軍登録できる選手だ。異世界人を登録すると外国人助っ人は2人しか登録できなくなるらしい。ファタンは今シーズン .198 75本 105打点という正直言って気持ち悪い成績を残している。二塁打の数が4というのがさらに拍車をかけている。足が遅くて2塁まで行けないのか、二塁打の当たりが伸びてホームランになるのかまたはその両方かどちらにしても簡単に抑えられる選手じゃないな。

「永谷さん肩大丈夫なんですか?」

ボールを投げなら熊野さんがそう言った。

「もう大丈夫ですよ。熊野さん」

「そうですか。ならいいんですが」

「グランデさんはまだ絶対安静にって言われましが」

投球練習をして今日で3日が経った。

「永谷さんボール走ってますね」

確かに肩が軽い。

「どうですか?一球投げてみますか?」

そういい熊野さんは座った。

「そうですね。ストレート行きます」

シュッ

バシーン

そうとても大きな音が響いた。

「永谷さんそんなに力入れなくて大丈夫なんですよ?」

え?軽く投げたつもりなんだけど。

そう思いながらスピードメーターを見た。

そこには173km/hと表示されていた。

「え?これ何かの間違いですよね?」

「……オーバーヒューリングショック」

そう熊野さんが呟いた。

おーばーひゅーりんぐしょっく?

「なんですかそれ?」

「少し前に発見された症候群です」

「なるほど..?」

「永谷さん筋肉痛の治療で【ヒューリング】使いましたよね?それの過剰接収によって現れる現象です」

「それってなんかまずいんですか?」

「1、2回であればそれと言って悪影響はありません」

「ならよかったです」

「ただ3回4回と繰り返していくと、最悪の場合腕が使えなくなります」

何それ怖い。

「ただの超回復なんで気にしないで大丈夫ですよ」

ならよかった。

「それとここまで球速が伸びてるのは永谷さんの努力の結果ですよ」

「本当ですか?俺最速160とか言われてましたけど本当は156とかそんなもんなで」

「永谷さんここ四ヶ月頑張ってたのでその結果が見えただけですよ」

急に自信が湧いてきた。ここからはキレにコントロールを中心に頑張るか。

_____________

________

_____

___

球団事務所そこには2つの人影があった。

一つは室内なのに帽子を被り、オペラグラスを首かけている。どこか胡散臭い男

もう一つは頭から動物の耳のようなものが生えている。勝ち気を感じる男

「なんや夜屋」

「ファタン君、君には敬意と言うのはないのか。だからチームで孤立してるだよ」

「そんな嫌味を言いにきたとちゃうやろ」

「1月君はある投手と対戦してほしい」

「あ?誰とや?」

「60年前の高校選手だ」

「おっさんやないかい。そいつと対戦してワイになんの得があるんや」

「さぁな」

「さぁなってなんや自分」

「君の求めてる答えが見つかるかもしれないと私は考えてる」

「そんなおっさんと対戦してわかるもんなんかな」

頭を掻きながらファタンは言った。

「それで答えは?」

笑ってそう答えた。

「もちろんOKや」



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