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魔女の意志を継ぐ者:異世界冒険譚  作者: 三つ目小僧
~第1章~
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継承の決意

皆さんお盆休みはいかがお過ごしですか?

楽しい休みが過ごせますように!

エレナがカルヴァンに魔女の力を継承する時が来た。エレナは寿命が近づいてることを感じ取り、カルヴァンにすべての力を託す決意を固めていた。


「カルヴァン、この日が来るとは思わなかったわ。私はもう長くない。でも、あなたにはこの世界を守る力がある。」


エレナの言葉に、カルヴァンの胸に重く圧し掛かる感情が湧き上がった。彼の目に涙が滲み、心臓が激しく鼓動を打つ。


彼は目の前の母親が自分の命の終わりを悟っていることを理解し、その思いにどう答えればいいのか分からなかった。


「お母さん…僕に何ができるんだろう?」


エレナは優しく微笑み、カルヴァンの手を取った。


「あなたには私の魔女の力を継承してもらうわ。それが私の願い。人々が魔女や魔術に対しての恐怖心をなくして、平和に過ごせる世界にしてほしいの。」


「恐怖心をなくすって…どういうこと?」


「私たち魔女は長い間が誤解され、恐れられてきたわ。だけど、本当は人々を守るために生きているの。魔術も、その力を正しく使えば人々を助けることができる。私の願いは、人々が魔術を正しく理解し、その力を恐れずに共に歩む世界を作ることなの。」


カルヴァンはエレナの言葉に心を揺さぶられ、新たな決意が芽生えた。


「わかった。僕がその願いをかなえるよ。」


エレナはカルヴァンを深淵の森のとある場所にある、聖なる泉へと連れて行く、そこは古の魔法が息づく神聖な場所だった。


リリスも興味深そうにその様子を見守っていた。


エレナは手をかざして古代の呪文を唱え始めた。カルヴァンはエレナの指示に従い儀式に参加した。


強烈な光が彼らを包み込み、その瞬間カルヴァンの全身を強烈な痛みが襲った。


思わず叫び声を上げるカルヴァンに、エレナは励ますように声をかける。


「カルヴァン頑張って!これは試練だけど、あなたなら乗り越えられる。」


カルヴァンは痛みに耐えながら、エレナの言葉を心に刻んだ。痛みが頂点に達した時、エレナの力がカルヴァンに完全に移った。


エレナの力が完全にカルヴァンに継承されると、エレナの身体は徐々に透明になっていった。


「カルヴァン、これであなたは私の魔女としての力を受け継いだわ。リリス、カルヴァンを守ってあげてね。」


カルヴァンは涙を流しながら、エレナに誓った。


「母さん、ありがとう。僕はお母さんの意志を継いでこの世界を変えて見せる。」


それを聞いたエレナは満足そうに微笑み、消えていった。


エレナが消え去った後、カルヴァンはしばらくその場に立ち尽くしていた。彼の心にはエレナとの思い出が次々と浮かび上がり、涙が止まらなかった。


リリスはそんなカルヴァンの横にそっと座り、彼を見守っていた。


「泣いてばかりじゃ、エレナも安心して休めないわ。」


カルヴァンは涙を拭いながらリリスに視線を向けた。


「わかってる。でも、エレナがいなくなったのが辛くて…」


リリスはカルヴァンの肩に手を置き、真剣な表情で彼を見つめた。


「カルヴァン、エレナはあんたに未来を託したのよ。辛いのはわかる。でも今はあんたがエレナの意志を継がなきゃ。それがエレナへの弔いなんじゃないかしら?」


カルヴァンはリリスの言葉に励まされ、少しずつ心の痛みが和らいでいくのを感じた。


「ありがとう、リリス。君がいてくれて本当によかったよ。」


リリスは少し照れくさそうに微笑んだ。


「べ、別にあんたのためじゃないし…。まあでも、あたしもエレナには感謝してるし、あんたのこと見守ってあげるわ。」


カルヴァンはリリスの言葉に少し笑みを浮かべた。


「君がいてくれるなら、きっとエレナの願い叶えられる。そんな気がする。」


「ま、まあ、一緒にやるのも悪くないかもね。」


エレナが消えた後、カルヴァンはリリスと共に深淵の森を出て、アルバンシア王国へと向かう決意をした。エレナの意志を継ぐため、そして自分自身の成長のために、アルバンシア王国にある王立魔法学校に入学を目指す。


「リリス、お母さんの願いを叶えるために、まずはアルバンシア王立魔法学校で学んで知識や力をつけよう。そしてこの世界をもっと良くしていくんだ。」 


リリスは微笑み、カルヴァンの手を取りながら答えた。


「し、仕方ないから、あんたを手伝ってあげるだけだからね!」


カルヴァンはリリスの言葉に励まされた。


「ありがとう、リリス。これからも一緒に頑張ろう。」


2人は手を取り合い深淵の森を後にした。





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