1-04-1 虫
第四話
カーテンが風で靡く。さっきまでの重い雲は嘘のように晴れ、日光が燦々と降り注ぐ。
……ボーっとしている暇は無いが、立とうにもレーザーライフルのリコイルで体をやったか、全身がピリピリと痛む。
必死に立とうとするわたしの足元に黒に近い茶色く丸っこい虫が一匹。虫にしてはかなり大きく、子供の顔ぐらいはある。なんだろう、こいつ。
虫は微動だにせず、こちらを向いている。
≪鑑定≫
種族名:インチコガネ
ランク:無し
概要:膨大な魔力と滋養強壮成分を含む龍族のフンにより大型化したフンコロガシ。その体全てが貴重な錬金材料の塊であると判明した後、人間により乱獲され絶滅。なぜこの場に居るのかは不明。
≪以上≫
ゴールドラッシュに巻き込まれて絶滅したインチコガネがこいつか。そういえば、相当前だけど冒険者に一攫千金を求めて遠征してた奴が居たなぁ。
大陸の北東の果ての龍の国の周辺まで行く必要があったので、数ヶ月に亘る遠征が必要で、そんなに長い期間孤児院から離れるなんて出来ないのでついに行かなかったな。チッ、無理してでも行ってれば、こんな目には……。
「この子はスカラベさまですね。うふふっ、”無い”からって、入ってきちゃダメですよ。」
左方からコハルさんの声がする。意思を持たないとされる虫は一瞬両手を上げて、そのままテコテコテコテコと隙間の開いた扉から外に出て行った。
「昨日はあまり出ませんでしたし、少ない時はこうして入って来るんですよ。」
出ませんでしたとは、どういう意味なのだろうか?
……聞かなかった事にしよう。昨日の感じではそういう話し大好きそうだし、離してくれなさそうだし。何より、真実を知る事で聖女様像が完全に崩壊してしまう。
「あの、どうか致しま…………。」
コハルさんの顔はゆっくりと赤面し、ウフフッとほほ笑む。
……それにしてもコハルさんの頭の上にまた違うインチコガネが載っている。幾らマイペースでもあれに気付かないということは無いのだろうし、わざとだろうか?
≪鑑定≫
種族名:ルナクローラー
ランク:
エラーコードE00-000000-000000
≪原因不明のエラー≫
≪強制終了≫
「痛っ!!」
「大丈夫ですかっ!?」
ケーブルを鷲掴みにされて引き千切られたみたいに、脳内で何かがブチブチッと途切れて激しい痛みが脳内を駆け巡り、視界に流星のような電撃が飛び交う。
鑑定失敗の所為か……?
もし、そうであれば迷惑極まりない。インチコガネにしても、このルナ何とかにしても、別にどうでもいいのに勝手に鑑定機能が作動したからだ。
あのバージョンアップ自体、全く身に覚えもないし今までに一度も無かったのに、出来の悪いシステムを組み込みやがって……。
このクソ野郎が。
「わたくしの声が聞こえますか!? 気を確かにもってくださいっ!」
「……だっ、大丈夫。心配かけてごめん。」
ブレる視線を上げ、ルナ何とかの方を見ると前脚で交差させてる。バツ印……鑑定するなということか?
……まさか、こいつの所為じゃないだろうな?
「あっ、昨晩の巨大サソリはどうなったの?」
「頭痛持ちなのですね。どうしましょう、わたくしのこの手で治りますかね……?」
あっ、いや、巨大サソリについて聞きたいんだけど。寧ろ頭痛よりも、その後遺症らしきこの全体的にピリピリ痛む体を直して欲しい。
……コハルさんに頼らず、この目で見るか。
わたしは冒険者なんだし、わたし単体でも魔物狩りだってするし、これぐらいは冒険者であるわたしが行わなければならない。
………………そういえば、何か忘れてる気がする。
あっ、あのレーザーライフルが無い。
「あっ、そういえば、あの大きな持ち物でしたら、そこに立てかけてありますよ。」
コハルさんと、帽子ですと言いたげに頭に載っているルナ何とかは手で同時に同じ場所を指さす。その方向、廊下への入り口の直ぐ横を見ると、あのレーザーライフルが立てかけられていた。反動は酷いけど威力は申し分ないし、時間と部品があれば修理しなきゃな。
「ですが、その…………。」
「どうしたの?」
「黒い棒のようなものが落ちているのをふと思い出して、先ほど外に見に行った時にはスカラベさまのおもちゃにされてまして……。」
嫌な予感が脳裏に過る。恐る恐る近づいて、犬や猫みたいに鼻を近づける。
「うっ……クッサっ!!!」
外に落としたままにしたおかげで、おそらくフンを転がしてる最中か喰った後であろうインチコガネの群れに集られて、糞まみれになったのだろう。それにしても臭すぎる。無数の人々を屠り貪った猛獣がひり出したような強烈な糞の臭いがオーラのように放たれている。これじゃ、洗っても臭いは取れないのだろう。
あいつ等、一体何の生物がひり出されたフンを転がしてるんだ??
「えーっと……どうしましょう。機械ですから洗う訳にはいかないんですよね……?」
「あの、魔力に余裕があればだけど、あと、無理にとは言わないけど洗浄魔法を使えるかな?」
コハルさんに何の非も無いし、昨日の雷で相当量の魔力を消費しているのだろうから心苦しいが、このライフルを悪臭だけの理由で捨てるわけにはいかない。
「あっ、そうですね。やってみますっ!」
「ちょっと待って、魔力の方は、体は大丈夫なの?」
≪鑑定≫
氏名:コハル・メランナ・プリマヴェーラ
不適格状態での治癒魔法行使による闇属性の蓄積量、現在88.69パーセント、使用を控えることをお勧めします。
≪以上≫
はっ、えっ? 今なんだって?
≪鑑定≫
氏名:コハル・メランナ・プリマヴェーラ
不適格状態での治癒魔法行使による闇属性の蓄積量、現在88.70パーセント、使用を控えることをお勧めします。
≪以上≫
……蓄積容量の最大は当然100パーセントなんだよな。これが100に達すると一体どうなるというのか?
不適格状態での使用、即ち、光属性と闇属性の両方が必要なのに対して光属性のみでの使用が原因で体内に闇属性が蓄積され続けているということだけど、蓄積された闇属性の魔力は違った形で排泄されないんだろうか。
≪情報≫
・治癒魔法について
治癒魔法は行使するにあたり、光属性と闇属性の両方が必要。人間や獣人、魔族などの体は、保有属性とは別にその体自体に光または闇属性のどちらかが存在している。
例えば、人間の体は光属性、魔族は闇属性、獣人や龍人は半々。
人間の体を例とする場合、怪我や病魔などは魔術では闇属性の蓄積と見做され、治癒魔法はその闇属性を使用者の体に吸収させ治療する。そして、程度が大きいほどにその量が増す。
その際、闇属性の有害な魔力は体の全ての箇所に蓄積され続け、自らの魔力として取り込むか、魔法として発散させなければならない。闇属性を保有していない場合、自らの魔力とはならず、闇属性の魔法を行使できないため発散は不可能。
蓄積量の最大値に近づくにつれ体調不良として表面化し、排泄物に闇属性の魔力が宿るに至ると既に体は限界に達している。
さらに蓄積が進行し、蓄積量の最大値を超過すると体表に結晶が露呈し、やがて死に至る。
しかし、中には結晶が露呈せず、死にも至らないが、性格や行動が豹変する、全くの別人と化した例もあるが極稀である。
≪以上≫
…………長いな。活字は得意ではないから全ては把握し切れていないが、とにかく、このまま行けば死に至るということ。絶対に使わせてはならない。
だが、なんでここまで蓄積しているのだろう。いや、この性格を考えれば集落の人々を治癒魔法で救ってきたのだろう。どの程度救えば、どの程度皿を洗えばこうなるのか分からないが、とにかく、使用させてはならない。
「どうしたのですか? ぼーっとして。疲れているのであれば、ゆっくり眠っていて下さいね。」
「……あの、コハルさん。治癒魔法、使わないようにして。」
「どうしてですか?」
「治癒魔法は光属性だけで使うと体に闇属性が蓄積するの。多分、それもう限界だよ。」
コハルさんは手で口を押え、目線を斜め上に向けて考える。
「あの、ケプリさま、あなたはどうお考えでしょうか?」
ケプリ……このルナ何とかの名前だろうか。だけど、ケプリは太陽神で有名だが、こいつの種族名に月が含まれている。ちょっと違う気もしなくもない。
「そうですか……ではお控え致します。」
「…………フンコロガシの声が分かるの?」
「はい。この子だけですが、不思議と声が伝わってくるのです。ちなみにこの子は女の子です。」
……まっ、まぁ、控えてくれるのならいいか。でも、どうやって発散させようか。こういう時のために何か魔法杖か発散用の指輪や腕輪があればいいんだけどな。
「あら、そうですか…………ケプリさまがあのお薬を飲んでみろとおっしゃるのでお台所に向かいます。」
「あの薬?」
「あの、う○ちのチカラというお薬でして…………」
う〇ちのチカラ?????
なにそのド直球な名前? ちょっともう一度……いや、彼女の口からは言ってはいけない。聖女様像が瓦礫の山になってしまう。
…………待てよ、もしや、名前からして夜中に熱弁してた排泄物と錬金術で生み出したあの薬のことだろうか?
いずれにしても、排泄物を用いて作った薬を台所なんかに置いてはいけない。
「えーっと、これです。」
台所の扉を開け、一本の瓶を取り出す。その透明な小瓶にたんまり注がれた液体は、金色に近い黄土色をしている。色からしてまさにそれだろう。瓶底の濃い黄土色堆積物からはプツプツと泡が立ってすらいるし、何から何まで嫌な予感しかしない。
「これは、珍しく大成功したう〇ちのチカラなのですが、勿体なくて奥にしまいこんでいました。」
めっ、珍しく……大成功した???
情報量がキャパ超過で、脳みそから色んなものが溢れて鼻から噴き出しそう。ちょっと待って、コハルさん、ちょっと、いや、追いつけない、頼むから待ってくれ!!
「珍しく……って、いっ、今までに何本か作ったの?」
「はい。香りは非常に濃ゆいのですが、これをグイッと一本飲むと、体力が泉のように湧き出てくるようで体が軽くなるのです。」
脳みそがパンクして鼻に加えて耳の穴から気化した情報が噴き出す。
「あっ、ルピナスさまっ!?」
「……いっ、いや、大丈夫だ。」
……要らぬ情報が全て流出し、すっかり軽くなってしまった脳みそをぶん回して整理する。
単なる滋養強壮剤ってことなんだろうが、う〇こが滋養強壮剤になるって、どういうことなの?
≪鑑定≫
・う〇ちのチカラ(正式名称:鑑定能力不足につき不明)
龍族(虹龍種以上)の排泄物を■■■■≪!データが破損しています!≫■■を行い生成したもの。効能はエリクサーを凌駕する。体力と魔力は完全回復し、全ての病魔も退散させる神の薬である。
≪以上≫
エリクサーとは体力も魔力も大きく回復し、大体の病魔を取り除く非常に高価な薬で有名だ。だが、それをも上回るなんて……売れば一体幾らになるんだ?
だけど、龍族でも虹龍種はほぼ最高ランクの希少なドラゴンであり、トイレとして利用している場所も僻地も僻地で、その辺の魔物ですら容易に近づけない所でやっているため、ほんの僅かな量ですら入手は困難。
それに、どのドラゴンの糞も膨大な量の滋養強壮成分や魔力が含まれているため、それを求める強大な魔物を寄せ付ける。だが、いずれの種の糞もそれ等と同時に猛毒を含んでおり、大抵の生物は摂取すれば即死、その上、多量の瘴気を発しており弱小な生物は近寄るだけで病魔に侵され死に至る。そうでなくとも、その悪臭で並みの生物も近寄れない。即ちそのままではとても臭い毒薬にしかならない。それをどうやって毒抜きをしたというのか?
「あの、開けてもいいでしょうか?」
「えっ? うっ、うん。構わないけど、何で訊くの?」
毒抜きされたというのなら、臭いも軽減されているはず……多少なり大便臭がするぐらいだろう。多分。
「分かりました。鼻を塞いでいてくださいね。」
瓶の栓を引っ張る。あの気泡の所為で内側から外側へ圧力が掛かってるのか、少し緩むと、小さな破裂音と共に黄緑色のガスが噴き出した。
「ゲホゴホ……クッサッ!!!!」
「うっ…………やっぱり駄目です。う〇ちの香りなら大歓迎なのですが……どうしてこう匂いが変わるのでしょうか……?」
卵を初め、肉や魚や玉ねぎやニンニクが腐ったような匂いを凝縮させたような臭気が少量漏れ、教会中に充満した。物凄く贅沢した後のそれの匂いと同然で、これもう〇この匂いのはずだが……。ってか、大歓迎って…………。
つーか、これって、あのプツプツで達する圧力か?
この瓶も栓もどんな耐圧設計なんだっ!?
「んんんん~…………」
「グハッ……こっ、こいついつまで出続けるんだっ!?」
「おっ、おそらくあと五秒ほどです。」
幸い、昨日のあの雷の威力でガラスが木っ端微塵に吹き飛んだようで、臭気は即時換気されて薄まった。とんだ大災害だ。
「ゲホゴホッ …………やっと収まりましたね。ではグイッと…………。」
「おいっ、ちょっと待てっ!! んぐっ……ゴホッ!!」
間違いなくあの匂いと同等の味であろう黄土色の液体が入ったビンを口に近づけ、顔を上げる。止めようとしたが遅かった。
「…………んぐっ!!」
半分ほど飲んだところで苦しそうな顔をする。そりゃそうだろう。錬金されようが、それはう〇こなんだから。
「んっ……んっ……んっ…………………あふぅ……」
あぁ、全部飲んでしまった。瓶を台の上に載せると、頭上に必死にしがみ付いていたルナ何とかは羽を広げ、シャラシャラと音を立てながら宙に浮き、台の上に着地して前脚で瓶に触れ、あろうことか瓶を倒してしまった。
“…………。”
「あらま。拭くものをお持ち致しますね。」
あれ、今一瞬、コハルさん以外の声がしたような。両耳に等しく聞こえたし、一体どこからだろう?
「はい、これで綺麗になりました。ついでに台も拭いておきましょう。」
…………。
しかし、頭から降りてきて初めて気付いたが、こいつは薄い青紫色の体にルナ何とかという名の通り、背のど真ん中に月のような大きな金色の丸い柄が入ってるんだな。よく見たら丸い柄の中に魔法陣のように小さな文字が無数に刻まれてるし、何より鑑定結果がバグってたし、こいつは一体何なんなんだろう。
いや、それよりも、コハルさんはこんな液体を飲んで体の方は大丈夫なのか?
「あの、あんな臭いもの飲んで本当に大丈夫なの?」
「はい。体が軽くなりました。風味や味は……邪道ですが、効果は抜群です。ルピナスさまもどうですか?」
「いっ、いや、いらない。」
あの鑑定結果を信用するのならエリクサーを凌駕し、ブツ的にはもはや神の領域なのだが、飲む気にはなれない。錬金されてるとはいえ、あんなものを口にすると色んなものを捨ててしまう気もする。ってか、風味や味が邪道ってどういうこと?
≪鑑定≫
氏名:コハル・メランナ・プリマヴェーラ
不適格状態での治癒魔法行使による闇属性の蓄積量、現在80.13パーセント、使用を控えることをお勧めします。
≪以上≫
…………若干だが減ってるし。あれだけ闇属性の魔力を発散させないと結晶が出るだの死ぬだの変質するだのう〇こに闇成分が出るだの書かれてて、なのにこのふざけた名前した謎の液体で蓄積量が減るってどういうことなの?
ねぇ、どういうことなの?
「では、お野菜さんの植え手直しをしましょう。あら、ケプリさまはお出かけなのですね?」
太陽神の名を与えられているルナ何とかは羽を開き、シャラシャラと音を立てつつ宙に浮き、何かを説明しているのか、前脚を色んな方向に動かし、そのまま講堂の方へ飛んでいった。
「ケプリさまはお外へ出ても必ずわたしの元に帰ってくるのですよ。いつも何処で何をしているのか分かりませんが、きっと何かお仕事があるのでしょう。」
コハルさまは微笑みながら布巾に鼻に近づけて少し嫌な顔をする。
「……やっぱり、邪道ですね。」
「何が邪道なの?」
「これは体内でじっくりと熟成されたう〇ちの香りではありません。う〇ちを正規の手法ではないやり方で作り出した偽物です。駄目です、う〇ちはお腹の中で熟成しなければなりません。邪道です。」
急に早口になる。その美しいの一言に尽きるスリム体に顔に大きすぎず決して小さくはない胸に白金色の長いサラサラヘアー、その全てが台無しになっていく……。
……ところで、さっきから結構気になっているのだが、その黄土色の何とかいう薬の元となったう〇こは本当に……。
もうここまで来たなら聞いてやる。脳内の聖女様像もうただの石膏の山だ。
「あのさ、聞いていい?」
「何でしょうか?」
「……これの材料に使ってるフンって、何処で仕入れてるの?」
コハルさんは一瞬固まった後、じわりと赤面し、俯いて両手でスリムなお腹を押さえる。
「…………ヒミツです♡」
◇
わたしは抜け殻のようになり、トイレの中で頭を壁に打ち付けている。
後悔の念は幾ら額を打ち付けても祓えやしない。このクソが、クソがッ、糞がっ!!
…………額からドス黒い液体が垂れる。チッ、やりすぎたか。これはコハルさんに心配されるだろうな。もうコハルさんだけしか知らない秘密の場所に虹龍種のトイレがあるのだということにしよう。そうしよう。
…………便器の中の虚空の先から鈍重な羽音が聞こえる。この下に滅茶苦茶大きい虫が湧いてやがるな。
そのデカい羽虫が臭いを掻き回しやがったか強烈な糞の臭いが昇ってくる。鼻を塞ぐも間に合わず、鼻の奥を撫でまわすような便臭に苛まれる。このクソムシが。
……用が無いなら早く出よう。左手で額を押さえつつ右手でドアノブを回す。
…………あれ、額からの油漏れが収まってる。何でだ?
「あっ、あの、おトイレから壁を叩く音がしていましたが、どうか致しましたか?」
ドアを開けると、心配そうな顔をしたコハルさんが廊下に立っていた。そりゃ、こんな狭い建物であんな大きな音立ててると嫌でも聞こえるし、心配するわな。
「あっ、いや、便器の奥から虫の羽音がするから、肥溜めに何処からか入ったのかなって。だから、壁を叩いて追い払おうとね……。」
やや苦しい言い訳のような気もするが、あの下に巨大な虫がいることは確かだ。
「あっ、はい。おトイレの裏に直通の井戸がございまして、そこからインチコガネさまがお入りになるのです。」
あぁ、また頭が爆発しそうな情報の塊で。あんな所入る虫が教会の中を這いまわってるのか……。
成程、道理でライフルがあんなに臭くなるわけだわなっ!
……つーか、頭に乗っていたルナクローラーは大丈夫なのか?
「今から畑に参りますので、そこでご説明しますね。」
……畑、あぁ、そう、そうだ、畑はどんな状態なんだろうか。巨大サソリに踏み荒らされ、それ以上にコハルさんの雷によって無事ではないだろう。
「あっ、あの、畑の様子はどうなってるの? 良かったら手伝うよ。説明はいいから。」
「そうなのですか? それならお言葉に甘えさせていただきますね。」




