0-01 始まりの兎
0章(序章):塔の国にて
第1話
3月の寒い日の朝、窓から見える空は灰色、どんよりとした雲が広がる。
ここは街はずれの孤児院、その建物は古く隙間だらけ。侵入した隙間風が部屋を、そして身を冷やす。
「……この雲行きだと、もうすぐ荒れそうよ。本当に行くの?」
「今月はもう残りも少ないからね。それにこの建物もいい加減限界だし、わたしが稼いで直さないと。」
天井は染みだらけでいつ落ちてくるかも分からない。子供たちの今日のご飯もだが、早くこれらを修理しないと危険だ。
わたしは自室に戻り、いつもの黒基調の服に着替える。いつものレーザー銃を腰のホルスターに、ナイフを太腿に装備したホルダーに挿し、顔が見えにくいように深く帽子を被る。
「15時ぐらいまでには戻ってくるよ。」
「気を付けてね。あと、絶対に時間までには戻ってきてよ。人手が足りないんだからね。」
わたしは軽く頷く。エイダは心配そうな顔で見つめる。仕方がないだろう、こういう事が出来るのはわたししか居ないのだから。
まだ子供たちが寝ている。物音を立てないようにそっと外に出る。
銃弾が目の前を飛び交うような現場を潜り抜けるわたしですら、不安をも感じさせるその空模様、本当に帰ってこれるのだろうか?
◇
ここはトゥリシア王国。塔の国という名前の通り、傘が複数あるキノコのような、一本の軸に複数の円盤が載った多層構造の街を保有する縦に長い国。
だが、わたしたちが住んでいるのは最下層の広大な貧民街、建物もインフラ設備も整備されず荒れ果てたものが多く、当然治安も悪い。キノコの傘の真下の中央区を始め、東西南北の区域に分かれているが、ここは南区で、どの区域よりも過疎化が進み、そして住人の代わりにならず者が多く住んでいる。
なお、北区よりも更に北に広大な砂漠があり、そこにゼッペルという栄えた街があるのと、空高くに京の都という伝統のある美しい浮島があるのだが、今は割愛する。
孤児院の門を出て、海沿いの林道を西へ進む。
空はどんよりとしているが、海は妙に静か。何か嫌なことが起こらなければいいのだが……。
ちなみに孤児院と街の間は雑木林で隔ててるので襲撃とか強盗とかはあまり無い。エイダさんが非常に強いのもあるが……。
これからわたしは冒険者ギルドへ依頼を受けに向かう。
冒険者ギルド、大体の人は聞いたことのある言葉であろうが、概ねその通り。住民からの依頼を受け、魔物の駆除や危険地帯へ赴き素材の採取を行う。他にもこういう地域なので治安維持活動も行う。清掃活動も行うし、インフラの修理も行う。何でも屋なのかもしれない。
…………雑木林の方角に魔物か何かが潜んでいるのか、カサカサと音がする。
レーザー銃のECセルが勿体ないのでナイフを構える。
「…………チッ、ただのウサギかよ……。」
角も無いし体も小さいただの野ウサギは道の真ん中に飛び出し、後ろ足で立って周囲を窺い、そして慌ただし気に再び雑木林に戻っていった。
ウサギ……か。寧ろ子供たちの昼ご飯として脳天をぶち抜いても良かったかもしれない。
海沿いの道を抜け、今にも倒壊しそうなコンクリート建築物が立ち並ぶ細い路地に差し掛かる。ここからは野盗も野犬も魔物も普通に出る。決して気を抜いてはならない。とは言え、もう慣れているが。
……ここにもウサギがいる。珍しいな。それも数匹たむろしている。残飯を漁るわけでもなく、何処かから逃げてきて怯えているわけでもなく。
銃を構えて、正面を向いているウサギの目と目の間を狙う。…………何だか可哀そうなので引っ込める。近づくと耳をピンッと立てて蜘蛛の子を散らすように走り去っていった。
◇
路地を抜け、大通りに出る。
……漁られたり腹いせに蹴られたりしてボロボロになったゴミ箱の横にポーションビンが何個か置いてある。冒険者はよくこういうのを拾って飲んだりするが、少なくともこの国ではやめておいた方がいい。まず捨ててあるのなら腐っている可能性がある。腐っていないにしても、野盗が態と置いている場合もある。そういうものに注意が逸れたり、拾おうとする行為は身を危険に晒す。
他、開封済みなら罠として毒が入っているかもしれない。毒を飲んでしまって倒れてしまっては野盗どもの餌食でしかない。結論からして、見るな拾うな飲むな、そんな物よりも周囲を警戒しろ、拾うのなら周りに潜む野盗を蜂の巣にしてから、飲むならまず匂いを嗅げ、もし可能なら手に取る前に鑑定すべきだ。
さて、大通りをそのまま北上すれば中央区、そして悪名高い商業ギルドがあるのだがそっちには用は無い。逆に南下すれば橋……の残骸に辿り着く。対岸も何も無いのに橋があり、それも折れたように途切れている。こんな所に観光にくる好事家か、南西の廃墟群に出る魔物を狩りに行かない限りは近づくことも無い謎の遺構。
今から向かうのは、大通りを横断した先の路地の奥。
……それにしても大通りにもチラホラと野ウサギが徘徊している。交通量は皆無なので轢かれる心配は無いが…………。
今日は何でこんなに野ウサギが多いのだろう?
野ウサギを無視して横断する。
…………四方八方から視線を感じる。これは野盗独特の邪な感情を含む視線ではない。ただこちらを見ているような……例えるなら、いや、例えるも何も、木の上のリスや対岸のアオサギのように、廃墟ビルの窓という窓からウサギがじっとこちらを伺っているような……。
…………視線には慣れている。だが……何だか気持ち悪くなってくる。
小走りで路地を抜ける。
◇
異臭漂う路地を抜けた先にあるのはボロボロの雑居ビル。ならず者とのトラブルが絶えないので窓ガラスも割れ、壁にヒビも入っている。その一階がこの冒険者ギルド南区支部だ。壁やガラス以外にも、目で見える建具全てにガタがきていて、扉も錆び切っている。それでも、キチンと手入れされ、わたしのような小柄な者でも開くように管理されている。
「なーんだ? ここはガキンチョが来る場所じゃねーんだよ。」
ドアノブに手を付けた途端、路地裏にたむろするガタイの良いチンピラと細身長身の詐欺師みたいなのに声を掛けられる。言うまでもなく、その辺の野盗だ。
いつもの事だ。子供みたいに身長がとても低いし、そして女である。舐められても仕方がない。こればかりはどうしようもない。
とは言え、彼らはわたしよりも弱い。気にせずドアノブに手を伸ばす。
「キャッハッハ、お嬢ちゃん、良い事しようぜぇ!」
二人組の内、縦に長い方が、わたしの長い髪を引っ張る。こいつは子供みたいな見た目であっても関係ないだろうか?
野盗とはいえ、駆除対象に指定されていない奴に手を出したくはないけど、ちょっと頭に血が上ったので、肘で相手の股間をぶん殴る。
「ぐふっ!」
「何しやがるっ!!」
横に長い方が顔を真っ赤にして眉間にシワを寄せ、そちらも頭に血が上り切ったか、ビキビキと血管が浮き出ている。
縦に長い方が悶えている内にわたしの火魔法でちょっと野盗の髪でも燃やすか。
この世界には魔法というものが存在する。日頃の生活で手一杯なので知らないで使っているから起源も何も分からないが、今やほとんどの者が行使できる。
ECセルだけでなく魔力も勿体ないのでどの程度まで絞ろうかな……。
「ガッハッハッハッ!! お嬢ちゃん、何だい、その火の玉は?」
指先に小さな火の玉を出す。嘗められるのは慣れているが、如何せん、ふざけたような見た目してるのでイラっとくる。でもこれ以上大きくすると焼き殺してしまう可能性がある。このままで行こう。
さて、これを使ってどう料理しようかな?
「グワッハッハッハッ…………ぬわっ!!!!」
天を仰ぎ大笑いする男に天高くから落ちてきた白い液体がベチャッ。
この広大な大地のど真ん中で横幅数ミリ程度のブツが顔に直撃だなんて、何という運の悪い男なんだろう。
横に長い方は更に顔を赤くし、血管がビキビキと浮き上がる。紅白顔の男はこっちを睨む。わたしの所為じゃないんだが。
怒りがコントロールできないのか、味方であろう大笑いする縦に長い方の腹をぶん殴ってダウンさせた。
「このクソアマがッッ!!!!」
「わたしの所為じゃねぇだろ……。」
横に長い方の血管ビキビキの拳で殴りかかってくる。
「オラッ!! クソッ!! こんのクソアマッ!! 避けるんじゃねぇっ!!」
遅い。駆け出しの冒険者ですら躱せそうなほど遅い。
ちょっとした横ステップで難なく回避する。
「ゴルァッ!!!」
手の先まですっかり真っ赤になってしまったその拳がビルの壁に直撃し、隕石でも衝突したかのような大穴が開く。その衝撃で割れた窓ガラスが雨のように降り注いだ。何て馬鹿力だこいつは。
バックステップ複数回でガラスの刃に触れることなく回避するも、同時に、痛そうに腹を抱えた縦に長い方は、そのふら付く指先から土属性の初級魔法を発射してくる。
あーもう面倒くさい。
運が無いのなら女神像の前で一生祈ってろ。このクソムシどもに構っていられるほどの時間が無いんだ、中に入らせてくれ。こうしている間にも隙間風で孤児院全体が冷え込む。
だが、こいつ等は立ちはだかる。雑魚の癖に立ちはだかる。クソムシのくせに立ちはだかる。
…………割れた窓からウサギがこっちを見ている。危ないから逃げろと念じたら奥へ消えていった。
「はぁ…………、消し炭になっていいんなら来いよ。」
わたしは火属性の魔法なら上級レベルも特級レベルも使える。見せとけばとっとと逃げるかもしれない、そう思い、右手を天に掲げ、大地を煌々と照らす太陽をイメージする。
上空5メートル、橙色の直径30センチメートルほどの小さな球体が浮かぶ。これが凡その魔道士が使える通常の火球。既にかなりの熱気を感じる。ここから更に成長させ――――
「はいはい、公共施設の前で暴れないの。」
ポンポンと手を叩く音と共に、火球が成長途中で急激に萎み、消え失せた。水属性の魔法によって打ち消されてしまった。
声のした方を向くと、ギルドの建物から受付兼ギルマスのヒバリさんが出てきた。
クソムシ2匹相手に熱くなり過ぎた。反省しなければならない。
「ルピナスちゃんじゃないの、どうしたの?」
……わたしの妙に可愛らしい名前が気に入らない。もう慣れたけど、呼ばれると少し頬が熱くなる。かと言って何て呼ばせていいか分からない。
「こいつ等が喧嘩売ってきたんだけど。」
「あら、この方たちは…………そうだわ、三日前に中央区の貴金属店に強盗を働いて手配されてた人に似てるわね。」
「そうなの? じゃあ炭にして良かったんだな。」
「冗談で言ってるのはわかるけど、絶対に殺しちゃだめよ。捕まえるにしても、ここから先はDランク以上の冒険者でないと駄目。」
このギルドはランク制だ。初期ランクはステータスによって決まって、わたしの体質か、能力を鑑定する水晶玉のような装置に弾かれ、誰も見る事が出来なかったがために最低のGランクからのスタートとなった。
そして今はまだEランク。ランクアップは北国にある冒険者ギルド本部に認められないと不可能だが、水晶玉に弾かれてしまった所為かどれだけ依頼を熟しても殆ど上がらない。わたしならBランクは確実なのに、何なんだこの冷遇は?
ふざけんな。
「このザコ相手は普通にEで上等じゃないの?」
「何度も言ったような気がするけど、見た目で判断しちゃダメ。この紅白筋肉質の人はEランクかもしれないけど、横の背の高い人はCランクよ。」
「はぁぁ? 何で?」
こいつ、土属性の初級魔法しか使ってないし……。
「んだゴルァッ!!!! 何が紅白じゃこのクソアマ……痛ぇっ!!!!」
ヒバリさんは微笑みを絶やさず、片側が尖ったハンマーのような杖で横に長い方で脳天をコツンと叩いた。
「本部から贈られたピッケルのような杖なのですが、物理攻撃もできていいですね。便利です。」
ヒバリさんこそ、その一撃で殺めてしまいかねないんだが。
「クッソ……ふざけんな…………。」
「あっ、ルピナスちゃん。相手をよく見て、油断しないで。魔法が飛んでくるわ。」
縦に長い方を見る。
男の両手親指同士、人差し指同士を引っ付け、三角のマークを作っている。三角の中心から見える風景……というより男の顎が歪んで見える。男の目を、じっと見つめる。
「……ゲッ…………ゲスイージ、やれっ!!」
「へいっ!!」
全身に押されるような圧を感じたその時、周囲のビルのガラス窓が一気に割れ、先ほどと同じように雨のように降り注ぐ。だが、範囲が段違いだ。庇も何も無いギルド出入口のドアを開けている内に被弾するし、路地の向こうに逃げようにもわたしの脚力では困難だ。
「派手にやってくれるわね。ふぅ、仕方無い……岩戸に眠る氷の精霊よ、わたしに力を。」
ガラスの雨に当たると思ったその瞬間、わたしの周囲は分厚い氷の壁に包まれた。
「ゲゲッ、何だあれはっ!?」
「ちょちょちょちょ、ちょっと待て、ガラスが俺に……てめぇ、何でお前だけ魔法で防ごうとして……ぐわぁっ!!!!」
その氷の壁が傘となり事なきを得た。ゲスイージという名前相応の野郎は自分だけさっきのよく分からない魔法を拡大して降り注ぐガラス片の軌道を逸らしている。名も無き横に長い方はすっかり血だらけになり、ふら付きながらビルの壁に背を付け座り込んだ。
「ふーん、成程ね。重力属性か……激レア属性持ってるのに勿体ないわね。それも宮廷魔道士クラス。へぇ、ウチに来て欲しいな。」
縦に長い方は怯むことなく、先ほどと同じポーズを取る。指の三角から見える男の長い顎と、その向こうのビルの窓からこっちを見ているウサギの姿は大きく捻じれる。今日はどんだけウサギがいるんだ? 西区の港に来た船から食肉用のウサギでも逃げたか?
「大きいのが来るわね。向いてる方向からして目当てはわたし。あなたは路地の向こうに走りなさい。」
その三角に魔力が集中し気泡を含まない透明な水のようなものが、残り少ない歯磨き粉を絞り出すようにニュッと飛び出す。
「……喰らえ、重力弾。」
「あっ、向きを変えた。早く走ってっ!!」
気泡一つ無い透明な球体のような歪みの塊が、逃げようとするわたしの頭の直ぐ横を弾丸のような速度で通り過ぎた、言葉で言い合わらせないような独特の轟音と共にビルの壁に大穴を開ける。
わたしの金色の髪が宙を舞う。急いで髪を触る。よかった、自慢のツインテールは無事だった。
「ふーん、Cでも希少属性の使い手じゃ厄介ね。詠唱、間に合うかな……?」
「重力弾、乱射。」
歪みの塊が手の三角から次々と発射される。当たったらただでは済まない。
わたしは持前の運動神経で、飛び跳ね回避する。そして鉄製の巨大なダストボックスの隅に身を潜める。わたしは魔道士でも何でもなく、ただのガンナー。火属性の魔法も感づかれるし、今ここでやれるのは奴の狙撃のみか。
ギャインッ!!
ダストボックスに重力弾が直撃し巨大な金属の箱同士を擦り付けるような音を放つ。同時にわたしはゴミや三匹のウサギと共に宙を舞った。
だが、この程度ではやられやしない。わたしは身を翻し、建物の壁を蹴って地面に着地する。
「ルピナスちゃん、束縛魔法陣の詠唱完了よ。離れて。」
「チッ、クソがっ!!」
縦に長い方は設置型の魔法が展開されたのに感づいて跳び上がるも、地面からは太い鎖が植物のように生え、男の体に巻き付いた。
「はい、逮捕。衛兵に来てもらうわね。」
「チッ……お前、氷だけでなく土も使えるのか?」
「火属性から雷属性まで全部よ。でも得意なのは水属性と氷属性の二つだけどね。修行、大変だったんだから。」
「そんな化け物……こっ、こいつ、あのS級冒険者の…………。」
一件落着か……いや、あの横に長い奴がいないっ!
血の跡が、ギルドの裏手の方に向かってるから、自力で逃げやがったか。でもその方向なら安心だ。
…………路地の向こうが騒がしい。騒ぎを聞きつけて衛兵がやってきたのか。
「衛兵だっ!! そこで何をしているっ!?」
「この前の強盗事件の片割れを捕まえたわ。」
「おい、待て。もう片方は血だらけのコイツか?」
このギルドの反対側の路地から身長はかなり低いけど非常にガタイの良い髭もじゃの男性が、すっかり伸びてしまった横に長い男を俵を持つように担いでやってきた。
この人はこのギルド裏の廃工場群にあるドワーフという種族が暮らす集落の人だ。
「あら、捕まったのね。」
「頼むから暴れるな。集落まで声が響く。衝撃でトタンのビスが飛ぶ。振動で鉄骨のボルトが緩む。屋根が落ちる。まともな補修の出来る手先の器用な奴は先の抗争で減っちまった。暴れたいのなら中央区で暴れろ。」
ドワーフの男性は名乗ることもなく、横に長い男をポイ捨てするように放置して立ち去った。
「というわけで、お願いね。」
縦に長い方の鎖はゆっくりと解かれ、膝を着いた。
「大丈夫、魔力は抜いたから何も出来ないわ。」
「ごっ、ご協力ありがとうございましたっ!! ほら、歩けっ!!」
男二人は衛兵に拘束され、連れていかれた。はぁ、クソムシの癖に無駄に時間を浪費させてくれる。カネにもならないことはしたくないのに……クソが。
「さぁ、どうしようかしらね、このガラスの破片。」
「さぁって……あれ、ヒバリさんって、ガラスの雨、防いだの?」
「ううん。ルピナスちゃんので手一杯だったし、ガラス片に重力属性が乗ってて威力は高かったけど、あんなの慣れてるから全部受け止めちゃった。」
うへぇ……元S級冒険者なのは知ってるけど、あんな刃物の雨に慣れてるなんてどういうことなの……。
しかし、火属性から雷属性って、つまりは火水氷土緑風、そして雷、全部使えるということなのか?
属性とは、その七つに加えて光属性と闇属性、重力属性に時空属性、そして無属性がある。一般的な属性はその火から土まで、使用者の少ないレア属性は雷属性と風属性、滅多にいない光属性と闇属性、重力属性と時空属性、そして半ば伝説と化している無属性。
「お掃除は後にしましょう。依頼受けにきたんでしょ?」
「あっ、うん……そうだけど。」
あれだけの攻撃を受けて涼しい顔で居られるのが恐ろしい。
気を取り直して、ギルドの錆びたドアノブを握った。




