吸血鬼のヒモになりまして
光彦がオルフェウスのところに来て一ヶ月が経過した。
しかし、そろそろ働かないとと思った光彦がオルフェウスに言うと──?
オルフェウスさんのところで暮らして一ヶ月が経った。
その間理不尽なリストラということもあって失業給付金をもらえるようオルフェウスさんが手配してくれた。
どうやってやったのかは謎だ。
俺は毎日食事を一緒にして、性的な相手をすることになり、息子を使わない日はない。
たまに、オルフェウスさんが一人で外へ出ることもあるが、割とすぐ戻ってくる。
一ヶ月も休んでいるのだからそろそろ仕事がしたい。
というかあんまり休んでいると社会復帰ができなくなりそうで怖い。
ので、言ってみることに。
「あのぉ、このまま休んだままだと社会復帰できなくなりそうなんで……」
「どうしてだい?」
「だって、一ヶ月も働いてないんですよ? 俺」
「そうか、君には私の意思が伝わっていなかったか」
「はい?」
「抱いてもらおうか」
「へ」
そのまま、ベッドへ連行され襲われた。
なんか不機嫌そうだったけど、行為に入ると喘いでエロかった。
いや、俺は異性愛者のはずだ!
おかしいぞ!
「ここまでしてもまだ分からないとは君はずいぶんと鈍いようだね」
行為が終わった後、オルフェウスさんはそう言った。
「えっと、どういうことですか?」
「こういう行為、私は好きな相手とでなくてはしないよ」
「へ?」
「君を好いてる光彦」
……
…………
………………
……………………
はあああああああああ⁈
ちょっとマジかよ⁈
「だから君を手元に置いておきたい」
「しわくちゃの爺になってもですか?」
「当然」
クロスブラッドは年を取るし、死亡する。
俺も普通の人のように爺さんになる。
それでもいいのか?
本当に?
「疑っているね、仕方ない」
そう言ってオルフェウスさんは俺にキスしてきた。
キスされて俺は飛び上がる。
俺のファーストキスがー!
「君は私が嫌いかね?」
「う」
嫌いにはなれないが、好きかと聞かれたら分からない。
だって拉致同然に連れてこられて監禁生活してるんだから。
「……」
「君を外に出して、誰かが連れ去ったら怖くてこんな生活を送ってきた」
「じゃあ、一緒の時だけ出してくれたのは……」
「それなら私は君を守れるからだ」
「……」
「それで、今後も私の元で生活してくれるかね?」
「もう少し……」
「もう少し?」
「俺の事考えて性行為してほしいのと、外出を増やしてくれるなら考えます」
「‼ 勿論だとも‼」
オルフェウスさんは嬉しそうに笑った。
結婚というのはできないが、俺はオルフェウスさんに養われながら過ごしている。
一回親御さんが来てオルフェウスさんとバトルしたが、オルフェウスさんの堅い意思により、向こうが根負けした。
俺はオルフェウスさんと暮らしている。
年々オルフェウスさんの溺愛が増してるのは気のせいだと思いたい。
オルフェウスさんは言った通り俺がしわくちゃ爺になっても愛してくれるんだろうな。
そんな気がした──
オルフェウスと光彦は今の関係のまま、光彦が生涯を終えるまで過ごすでしょう。
光彦がしわくちゃに年老いてもオルフェウスの愛は変わらないでしょう、それほど、彼は光彦を愛していますから。
まぁ、最初のやり方は不味かったですがね。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回作でもお付き合いいただけると嬉しいです。