元カノギャルの気持ち
「ただいま」
「お帰り陽子、夕飯できてるわよ」
「あとで食べるー」
階段を上って二階の自分の部屋に向かう、部屋に入ってベッドに鞄を投げ捨て、そのまま仰向けでベッドに倒れる。
「なんで私優人君と別れたんだろ……」
雑誌に載っていた言葉に、押して無理なら引いてみろってのがあり。信じてこちらから別れを切り出したが優人君からなにもアプローチすらない。
「勇気だして、バイト先にも行ってみたけど。変な中学生女子が優人君と話してたし」
一人ではあれなので友人達と優人君がバイトを始めたファミレスにも行ってみたが、何も反応してもらえなかった。
「また明日学校で会えるけど、もう会話する事もできないのかな。折角優人君と付き合えたのに本当私ってバカ」
よーこよかったじゃん、あんな奴と別れて正解だよ
そうそう、よーこの見た目ならもっと他にいい男捕まえられるって
友人達とのチャットグループをスクロールして優人君と別れた次の日のチャットを見返す、私が優人君の事が大好きって事を友人達は気付いてないらしい。
よーこよーこ
いきなりチャットで、友人の一人がメッセージを送ってきた。
どうしたの?
よーこさ今度の週末暇?
暇だけど
もし良かったら、お姉ちゃんが勤めてる所の先輩がねレジャープールのペアチケットくれたんだよね。有効期限が今週末までなんだけど、私も他の子も予定あってさよーこがよければ誰かと行ってくれば
(レジャープール)
もしも、もしもまだ優人君と会話できるならこれは一番いい方法かもしれない。
レジャープールのペアチケット貰ってもいいかな?
それじゃあ明日学校で渡すね、てかよーこ、もしかしてもう新しい彼氏でも作ったの?
そんなんじゃないよ、姉と一緒に行こかなって思って
ああネイリストのお姉さんの、よーこが羨ましいよネイリストの姉を持ってて、私のお姉ちゃんと取り替えてもらいたい程だよ
だーめ、それじゃあまた明日学校で
うんそれじゃあねー
「明日頑張って、優人君をレジャープールに誘おう。そしてもし一緒に行ってくれるなら、帰り際に私から」
人生で二度同じ人に告白する事なんて考えた事なかったが、これは自業自得もいいところだ。自分から別れを切り出したのに迷惑な女だって事も自覚している。けれど……優人君を好きな気持ちを抑える事は不可能だった。
(そういえば…今日のファミレスにいた優人君と話していた中学生の女子。あの制服って、確か優人君が卒業した中学と同じ制服だったよね。もしかしたら、優人君の後輩だったのかな……? でも優人君大体学校でも明智君としか話さないのに。あんな可愛い女子とどうやって知り合ったんだろう? まあこんな事考えなくていいか。優人君を好きになる女子なんて私以外いないだろうし)
「陽子ーそろそろお風呂入って、夕飯食べなさい。明日も学校でしょ」
「はーい」
二階の自分の部屋からお母さんに返事をして、そのまま一階へと降りる前に首にかけていたペンダントを外してから一階へと降りる。