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11.全部、妹が悪いですの(イザベラ視点)

 ふふふふ、アルヴィン様がシルヴィアとフェルナンド様を説教しに向かわれたみたいですわね。

 後悔なさい、シルヴィア、そしてフェルナンド様。

 特にシルヴィア、あなたはわたくしのプライドを傷付けました。

 何がノーマン家始まって以来の天才よ。

 魔法がちょっとばかりわたくしよりも多くの種類が使えるくらいで調子に乗って。

 見せつけるように、私のものをわざわざ奪って再生魔法を使うなんて、嫌味もいいところですわ。


 フェルナンド様に無茶なことを頼んで、涙目になって帰ってくれば良かったのに、きっと醜く媚びへつらって、彼を奪ったのでしょうけど、あの卑しい子には遠慮という概念が欠けているということが理解できました。


 ですが、シルヴィアが調子に乗るのもここまでです。

 アルヴィン様はわたくしを本気で愛してくれていますから。

 

 あの日の情熱的なキスをわたくしは忘れられません。

 きっと彼はわたくしの無念を晴らし、最後にはプロポーズしてくれるやもしれませんね。


 まぁ、アルヴィン様はナルトリアのライラとかいう王女と婚約されていますが、真実の愛と天秤にかければ彼がどういった選択をするのかは明らかです。

 

 それに、ライラ王女なんてヒステリックなバカ女だと聞いておりますし、そんな女に負ける気がしませんわ。


 うふふ、それにしても楽しみですの。

 あの生意気なシルヴィアがどのように裁かれるのか――。


「イザベラ、ちょっとこっちに来なさい」


「……はい? お父様、どうしましたの? 急に……。顔色が悪いですわよ」


 わたくしが屈辱で打ち震えているシルヴィアの顔を想像していますと、お父様から書斎に呼び出されます。

 ご用件なら、ここで仰っていただければよろしいのに。

 それにしても、あの表情……。何かあったのでしょうか。




「イザベラ、お前はアルヴィン殿下と接吻したそうだな。公の場で……」


「――っ!? な、な、何を仰せになりますの? わ、わたくし、決してそのようなはしたない真似はしておりませんわ」


 えっ? えっ? えっ? えっ?

 意味が分かりませんわ。どうして、アルヴィン様とキスしたことがお父様の耳に入っていますの?

 と、とにかく、事実無根だと説明しませんと……。


「お父様らしくもありませんわ。そんな風聞を真に受けてわたくしを問い詰めるなんて。大体、何の証拠があって――」


「目撃情報があるのだ。見たという者がいるのだよ。お前たちが仲睦まじくしている場面を、な」


 いやいや、お父様。

 そんな訳のわからない目撃情報を信じないでくださいまし。

 可愛い娘と、誰かも知らぬ者の言葉、どちらを取るかなんて、考えるべくもないでしょう。


「その方は嘘を吐いていますわ。わたくし、正直がモットーですから。罪を犯せば、嘘偽りなく、本当のことをお話しますの」


「目撃者は20人ほどいるが、全員が嘘を吐いていると?」


「……ぴぇっ!?」


 に、に、20人ってどういうことですの……!?

 だって、パーティー会場のカーテンの裏でこっそりとキスしただけですわよ。

 誰にも見られるはずが、ありませんわ!


「カーテンの裏でお前たちがナニをしているのか、シルエットでバレバレだったらしい。あれで隠れているつもりなら、王国史上始まって以来のコメディだと言われとる」  


「……へ、へぇ~」


「で、正直がモットーの我が娘よ。この件について、ナルトニア王国のライラ殿下もご立腹でな。説明を求められとるらしいのだが……」


 な、なぜ、こんなことになっていますの?

 これも全て、わたくしの婚約者を奪った妹のせい……。


 で、でも、シルヴィアが悪くても、ライラはわたくしを目の敵にするでしょう。

 ああ、なんで……、わたくしがこんな目に遭わなくてはなりませんの~~~~!

イザベラも結構なポンコツです。


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