事後報告
3日と言っておいて1日遅れてしまった申し訳ないです。
島内誘拐事件から一夜明け、奴隷商会壊滅と学園関係者の救出の任務を完了した十二将の島外組は無事学園島に帰投し、報告の為に学園長室の会議室にて両学園の十二将が島内外のそれぞれのグループから印刷された報告書を参考に報告を行われいた。
「―――と、以上が我々の島外組の報告になります。何か質問等はありますか?」
ニーベルは右手持つ報告書から、顔を上げ会議室を見渡すとルースがおもむろに口を開いた。
「なぁ、この報告書の最後にある、色欲とか名乗った女についてのもうちっと詳細な情報ねぇーのか?」
「報告書の通りだ。ルース。色欲と名乗る少女はなんの気配もなく窓際に現れ、指を振るだけでアストロを殺して見せ、更には私の反転魔術を無効にし、カエデの抜刀術で首を落とされたがまるで時間を戻したように再生し、そのまま魔法陣の中に消えた。色欲本人の事はそれ以上の事は現時点では何もわからん。ただ、一つ言えることは―――」
ニーベルは一度言葉を切って、眉を顰め、重々しく呟く。
「アレは・・・化け物だ。対峙して分かったが全く底が見えない・・・ 恐らくだが、両学園の十二将が束になっても勝てる様な存在じゃない。ハッキリ言って次元が違う。」
「おいおい・・・流石に冗談だろう。そんなの最早、原初の魔王レベルだぞ。そんな奴がたかだか奴隷商のリーダー殺す為だけに来るとおもうか?普通に考えておかしいだろ。なぁ?」
そんな事無いだろ?とニーベル以外に対峙した、カエデとサルヴァ、そしてリュウガに話を振る。
「否定は・・・出来ませんね。」
「うん、あれは無理だよ。1秒足止め出来るか出来ないかだね。」
「俺も同意見じゃな。」
全員渋い顔で重々しく答えた。
「マジかよ・・・」
それを聞いたルースは流石に顔を顰めた。他の十二将達にも嫌な緊張が伝わる。
「しかも、あの少女の目的は、邪神ヴェルディマーナの復活と七大魔王及び―――」
「リーシェ・アストルの殺害・・・本当にそう言ったの?」
「あぁ。残念ながらな。」
カエデの言葉を遮りミナトは報告書がしわくちゃになるほど強く握しめた。
「ミナト・・・」
ルクシリアは何か声を掛けたかったがうまい言葉が見つからからずに黙ってしまい、アールは何とも言えない表情をしていた。
「どうして・・・リーシェちゃんが狙われるんだよ・・・」
「それだけじゃない。邪神ヴェルディマーナの復活させるとか、魔王を全員殺すとか、私達はこの世界の存亡に関わる何か大きな問題に関わてしまったようだな・・・」
ミーナは報告書を読み返しながら、溜息をつく。
「邪神復活を目論んでいると言う事は、真なる神が十中八九関わっていそうであるな。」
「そうなると、必然的にいずれはこの学園島にも攻めて来る言う事になりそうやなぁ。そうなったら、真なる神との全面戦争やねぇ。」
「勘弁して欲しいな・・・ただでさえ、十三使徒一人一人が強いのに、色欲とか言う原初の魔王クラスの実力者までいるとか絶望的だな・・・」
淡々と有りそうなことを話す、グライとイリスとは対称的にトウマは絶望的な顔をしていた。
「それには同感。私も、第二使徒とは正直。二度と会いたくない・・・」
普段はあまり表情に出ないアールが恐ろしく嫌そうな顔をしていた。
「そう言えば、アールって十三使徒と戦った事あったんだっけ?」
「うん。3年前の帝国と戦争時代にね。1度だけ戦った。神罰執行部隊の三番隊隊長エルミール・クァザンデとしてね。」
「あぁ、そっか。あの時はまだ真なる神に寝返ってなかったしね。」
エルミール・クァザンデ、僅か10歳にして強力な神の加護を授かり、13歳で聖教軍にスカウトされ、その三ヶ月後には単身で10万の兵を相手取り無傷で生還し、15歳で大隊の隊長を任され、8回の戦争に参加し、そのいずれも部隊を無傷で勝利させ、17歳で聖教国の最高戦力、神罰執行部隊の三番隊隊長に抜擢され、南大陸攻略に参加し、帝国軍撤退の際に殿を務め、帝国軍に追い討ちをかけるべく現れたアールが所属していた獣人部隊と交戦状態になったが、エルミールの凄まじい強さに獣人部隊はあっという間に追い詰められ、アールがエルミールとの一騎打ちで、撤退するまで時間を稼いだことで獣人部隊は撤退に成功するも、アールはエルミールとの一騎打ちに手も足も出ずに敗れ、一時は拘束にされるも、同乗していた帝国軍の軍艦が攻撃を受け沈没を免れなくなった為にアールを放棄し、撤退したことでアールは事なきを得た。
しかし、南大陸戦争の帝国軍撤退作戦の半年後、突如神罰執行第三部隊が突如消失し、その三ヶ月後には真なる神、第二使徒〝神の尖兵 〟エルミール・クァザンデとして、聖教国を裏切り邪神の使徒となっていた。その理由はまったくの不明らしいく、当時はかなりニュースになっていた。
「あいつは、攻撃が当たらない。だから。嫌い。相性最悪。」
「しかし、アール先輩を一方的にボコボコにするとか、もうそれ、推定魔王クラスじゃないっすかね?」
「最低でも十二将3人ぐらいで当たらないと厳しいですな。」
リオとグランに苦笑いを浮かべていた。
「ふむ。では、それも踏まえて、今後の方針を伝えようと思うが、問題ないか?」
それまで、黙って十二将の話を聞いていたセルビアが口を開き、十二将メンバーは沈黙で同意を示した。
「よし、では、今日この時より、無期限で学園島の警戒レベルを二段階あげる。兵士や教員の見回りを強化し、20時以降の生徒の外出を制限、監視網の強化、 入出国の厳重な手本人確認と荷物検査、それから、戸籍調査なども行ない不信人物徹底的に炙り出す。些細な事でも報告して欲しい。暫くは皆忙しい時期になるかも知れないがよろしく頼む。」
「「「「はい!」」」」
こうして、事後報告はひとまず終了した。
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