固有魔術の覚醒
遅くなりました。
後二話で2章は終了です
階段から最上段から飛び降りたリーシェの身体は、浮遊感に包まれた。
しかし、勢いで階段から飛び降りたのはいいが、着地の方法を考えていなかった。
二階最上段から一階の3~4mぐらいだろうか?
このまま着地すると何かしらの怪我をしそうだ。
(どうしよう―――)
スローモーションのような世界でリーシェは思考する。
(どうすればうまく着地できるだろう―――)
瞳を閉じ意識を内側に向けると色々な記憶が網膜に映し出される。
『固有魔術は、人によって違うからどう使えるようになるかわからない。』
ふと、アールの言葉がフラッシュバックのように頭を過った。
(そうだ。固有魔術・・・それを使えれば、着地だけじゃなく敵も倒せるのかな・・・)
『どういう能力でどのタイミングで自分がそれに気づくかは。わからない。』
(じゃあ・・・どうすればいい?)
『その力を求める時が来たら、それをきっかけに覚醒する可能性はある。』
(今が・・・その時なんだ・・・私しか戦えるの人が居ないの。だから、私がやらなきゃいけないの・・・でないと・・・)
きっと、リアス達を救出することは困難になるだろう。
そして、今のままでは、彼らを倒すのはほぼ100%不可能だ。
その力を求める時が来たら―――と言われてもどうすればいいのだろうか?
自分自身どういう魔術が使えるのか全く分からないのに何をどうすれば?
(願うだけでいい・・・なんて、そんな都合のいいものじゃないよね・・・)
ならばと、以前に黒色のローブを着た男性との戦闘を思い出す。
(頭と体が全く付いていかなかったな・・・)
相手の姿は見えていた。しかし、単調な攻撃しかしてこないゴブリンとの戦闘とは違い、対人戦は相手の動きを読み、なおかつ相手よりいかに上手く立ち回るかが重要なのだ。
だが、対人経験が乏しすぎるリーシェにそんな戦闘能力があるはずもなく、一方的に殴り倒されてしまった。
(頭では防がなきゃ、当てなきゃ、と思っても体が鉛みたいに重かった。)
『そんなに、重かったの?』
自分にそっくりで、それでいて、異様に幼い誰かの声が頭の中に響く。
何処の誰なのかなんて全く疑問にも思わず、幼い声に答える。
(うん・・・まるで、頭と体が別々のものみたいに感じたよ。)
答えると同時に記憶の映像が砂嵐のようにぶれ始め、何かが頭の中に流れ込んでくる。
『別々のモノみたいに重かったんだね。』
「うん。そうだよ・・・」
『そっか。なら、どうする?』
(どうしよっか?)
『その答えは、もうわかっている筈だよ。』
(うん・・・そうだね。)
『今の君になら使いこなせるよ。だから、見せて―――』
(うん―――)
『貴方の固有魔術―――』
リーシェは目を見開く。それと同時に、身体の中の膨大な魔力を奔流は全身が燃えるように熱くなった。洪水のように溢れ出た魔力は、10m程はあろうかという巨大な白い光を放つ魔方陣が現れた。
「っあ―――なんだ!!」
「ばかな、魔方陣だとッ。いつのまに!!」
「何なんだ・・・この異様な魔力量は・・・」
階段から落とされた真なる神の構成員達と、膨大な魔力を感じ一階の部屋からも数人出てきて、皆一様に魔方陣の方を見上げる。
「そう、簡単な事だったんだよ―――」
重力従いリーシェの身体が白い魔方陣潜ると落ちるような浮遊感はなくなり身体が羽根のように軽くなった。
「重いなら、軽くすればいいだけ。」
そう、それは、比喩ではない。
今この瞬間リーシェの重さは0になったのだ。
「重ければ軽く、軽ければ重く―――」
完全に重力を無視してまるで神が降臨したかのようにゆっくりと一階のフロアの床に降り立った。
いつまにか透明化魔術が解けていた。
「これが私の魔術―――」
虚空から突如現れ、ゆっくりとフロアに降り立ったリーシェの姿に真なる神の構成員達は、呆気に取られいた。
「重軽操魔術―――」
リーシェは真なる神の構成員達を見渡しながら、拳を握り締めファイティングポーズを構えた。
「さぁ。行くよ!!」
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