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無能と呼ばれた少女は最狂の堕天使を召喚しました。  作者: アズライト
第2章 島内誘拐事件
33/43

予定の変更

遅れました。1日置き更新で頑張ろうと思っていたのですが、これからは、投稿頻度が少し落ちると思います。楽しみにしている方には申し訳ありません。

「さてと、縄も解けたことだし、ここから―――」


「待って欲しいですわ。」


姿は見えないが声のする方に手を伸ばし、リーシェを呼び止める。


「た、助けて貰っておいて今更ですけど・・・なんで・・・私を助けに来たんですの?」


リアスは渋い顔で、見えないリーシェに理由を尋ねる。


「え、それは・・・」


「私は・・・貴方を散々貶しましたし、学園を辞めさせようともしました。なのに・・・どうして助けにきたんですの。貴方はすごく弱いじゃないですの。騎士団やら十二将に任せれば良かったでしょうに・・・」


「事実だけど、面と向かって言われると、ちょっと傷つくなぁ。」


「助けて貰った立場でってことはわかっていますわ。でも―――」


「まぁ、その・・・聞きたいことは色々あるかもだけど、私がリアスさんを助ける理由なんて、たいしたことじゃないよ。」


リーシェは、リアスの手を取ると、真っ直ぐ目を見つめ答える。


「私たち、クラスメイトじゃないですか。」


「え。」


リアスはリーシェの言葉に目を丸くした。


「なんですの・・・それ・・・それだけの理由で私を助けにきたんですの?」


「クラスメイトなんだから、困ったらお互い助け合わないとね。」


「でも、私は、貴方に―――」


「謝罪なら後でいくらでも聞くよ。でも今は、ここから出ることを優先したいの。今は、べリアルがここにいたAランク以上の強い人達と戦って、時間を稼いでいるから。この透明魔術効果は一時間しかないから、今のうちに―――」


「いえ、ダメですわ。私には隷属の首輪が着いていますわ。」


首輪を指差して、悲しげな首を横に振った。


「これがある限り、私は逃げることも、魔術を使うことも出来ないですわ。」


「そんな・・・それじゃあ、どうしたら・・・」


リーシェはスカート裾を握り締め、苦々しい顔をするしかなかった。


「でも、屋敷の中になら、恐らく移動しても大丈夫ですわ。」


「え、ほんとに?」


「ええ。この階を見張っていた二人の男が言うには、私たちは、明日の朝にはここから港に行くみたいですし、そう極端な誓約は掛けてないはずですわ。」


でないと、輸送の際に部屋から出るだけで、首輪が起爆してしまう。島外に連れ出さなきゃいけない人間を殺してしまっては、なんの意味もないだろう。


「分かったよ。べリアルも、もし無理ならその場で見つからないように待機していれば、敵を倒したら直ぐに戻ってくるって言ってたし、このままこの部屋で待機しておけば―――」


「それはダメですわ。私以外にも監禁されている人がいますの。その人達を差し置いて、私が最初に助かる訳にはいきませんわ。ですので、とりあえず、他の監禁されている人達で一ヶ所に集まった方が良いと思いますわ。」


「でも、今は、べリアルの襲撃があったばかりで警戒してると思うし一ヶ所に集まるのもそれはそれで危険だと思うんだけど。」


「それでもですわ。アスキード伯爵家の人間たるもの、国民を守る義務がありますわ。自分だけ助かろうなどともっての他ですわ。」


「その割りに私のことはいじめたよねぇ~?」


ちょっと意地悪な口調でリアスを見た。


「うっ、そ、それは・・・その・・・貴方のことを誤解していたと言いますか・・・理解をしようとしてなかったと言いますか・・・その、ごめんなさい・・・」


「いやいや、今のは冗談だって、もう怒ってないよ。それに、思い返してみると、私も努力不足だったし、みんな苦労して学園に入ったのに魔術こと何も知らない子がいきなり試験も受けずに入学してきたら、嫌な感じするよね・・・」


「リ、リーシェさん・・・」


「でも、他の人ならリアスさんの後でも、良いと思うけど。べリアルもそのうち来ると思うし、そしたら、きっとまとめて送ってくれるはずだよ。」


「我が儘を言っているのは分かっていますわ・・・ですが、それでも私は行きますわよ。私は今彼らがどうなっているかが心配なんですの。最悪死ぬことになったとしても。」


リアスは見えない筈なのに的確にリーシェの瞳を真っ直ぐ居抜く。


「リアスさん・・・」


その目は、リーシェが説得しようとしても揺るがないであろう信念のようなものを感じてしまった。

これは自分がいくらでも言ってもだめそうだ。


「はぁ・・・わかったよ。他の監禁されてる人達も集めて一緒に助けてようか。」


「ええ。我が儘を聞いてもらってすみません。」


「まったくだよ・・・リアスさんて、こういう変なところで頑固だね。何か意外だなぁ。知らなかった。」


「意外な一面を見たのはお互いさまですわよ。」


「そうかもね。」


リアスは少し悪戯っぽく笑った。それにつられてリーシェも思わず微笑んでしまった。


「それじゃあ、私は、2階にある他の4部屋を探して来るけど、リアスさんは見張りが廻ってくる可能性もあるから、うまく誤魔化して。」


「ええ。わかっているわ。リーシェさんも気を付けて。」


「うん。じゃあ、ちょっと行ってきます。」


扉に手を掛けて、ゆっくりと扉を開けて廊下に出ると、左右を確認して、とりあえず一番近い部屋に向かって音をさせないように静かに歩き始めた。


透明魔術の効果時間残り、40分―――















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