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無能と呼ばれた少女は最狂の堕天使を召喚しました。  作者: アズライト
第2章 島内誘拐事件
28/43

潜入と陽動

連続投稿なので、次の投稿日は、11日になるよていです。



「わぁ―――」


翼を展開したべリアルにお姫さま抱っこされた状態のリーシェは上空数百メートルから眺める景色に圧倒されていた。


「空から眺める景色は綺麗だね。」


視界が一杯に広がる町の夜景を首をしきりに動かし、目を輝かせていた。


「まるで、光の海みたい・・・」


「そうかね。私にとってはありきたりな光景で物珍しさは皆無だがね。それに、この光景は、ただ単に町の街灯が至るところに密集し、光源用の魔石が光っているだけのものだよ。」


「も~、そう言う夢のないことを言わないでよ。こういう時に空気を読んで欲しいんだけど。」


リーシェはべリアルにジト目を向ける。


「さてね、私に人間的な情緒を期待しているのなら、諦めたまえ。私にはそういう感情は与えられていないからね。」


「え~。ときどき凄く感情的な気がするんだけど。」


「気のせいだよ。」


「そうかなぁ・・・」


そんな他愛もない話をべリアルとしながら、空を飛ぶこと15分が過ぎた頃、べリアルが速度を落とし、その場で静止した。


「見えたよ。あれが目標の屋敷だ。」


べリアルの視線が向かう先にある屋敷を指差す。


「もしかして、あれ?」


リーシェが指差したのは、東区の住宅街のから少し離れた所にひっそりとたつ、煉瓦造りの古めかしい洋館のような屋敷であった。


「あぁ。あれだよ。」


「あそこに、リアスさんがいるんだね。」


リーシェは200mほど先に見える煉瓦の屋敷を見下ろしながら、真剣な表情で見つめる。


「これから君を降ろして、透明化の魔術を掛ける。」


ゆっくりと降下し、煉瓦の屋敷から100mの所にある建物の間にある通路に静かに着地し、リーシェを降ろすとお互いに対面に立つ。


「じゃあ、始めるよ。」


「うん。」


べリアルはリーシェの額に左の人差し指を当て、そのまま何かを描き始めた。


「ん・・・ふっ・・・くすぐったい・・・」


妙にこそばゆくて、変な声が出てしまう。


「心配ない、もう終わりだよ。」


最後に円を書いて、指を離し、なにやら聞いたことのない言葉で呪文のようなものを唱えるとリーシェの体がみるみる透明化し始めた。


「うわッ、なにこれ、凄い!?」


手や体がどんどん透明になり見えなくなるのを目を見開き、凄く驚いた顔で見下ろした。


「いいかいリーシェ、この透明化術式の効果は、1時間だ。」


「まって、1時間しかないの?!」


「ああ。そうだ。1時間しかない。君はそれまでにリアスを見つけて、脱出する所までが君の仕事だ。」


「いや、さすがに1時間はキツいんだけど・・・」


「まぁ、実際建物の内部がどうなってるか分からないからね。最悪脱出できなくても、リアスだけは確保できれば、私が敵を殲滅した後に、君達を回収しに行く。それまで、バレずにいてくれ。」


「それなら、なんとかなるかな・・・」


リーシェは脱出までは1時間じゃどうしても無理そうだが、リアスを見つけてそこで待機しているだけであれば、透明化しているし、どうにかなるんじゃないかなと思った。


「よし。では始めよう。私が先に行って門を破壊し、敵を惹き付けるから、君はその間に急いで屋敷の中に入る。いいね。」


「うん。」


「では、作戦開始だ。」


べリアルが通路から出て、屋敷に向かって走り始めた。リーシェもその後に続く。


「おい!なんだお前ッッ」


「おい、止まれッッ」


入り口の横にいた黒いローブを着用した男二人が屋敷に向かって走ってくるべリアルに対して、杖を向けながら警告するも、べリアルは無視して、速度を落とさずに走りながら右の指を鳴らすと、杖を構えていた男二人の頭部と鉄の門が同時に吹き飛んだ。

男性二人の身体は糸の切れた操り人形のように地面に倒れ、首から血を吹き出しながら、痙攣していた。


「うぷッッ―――」


男性二人の首がない遺体を側を通りながら吐きそうになるのを必死で我慢し、べリアルを追いかけた。


「なにご―――」


「なんだてめ―――」


「くそが―――」


庭にいた6人の黒いローブの男達を見向きもせずに両指を鳴らし、頭部を吹き飛ばし、べリアルはそのまま、庭を走り抜け、入り口の扉を蹴り壊し内部に突入した。


「敵襲ッッ―――」


「何事だッッ!」


「くそ、なぜ、バレた。」


「なんだ、なんだ!!」


屋敷の各部屋から続々と黒いローブが10人に緑のローブを着用した男女が8人が玄関フロアに集まった。


「雑魚は要らないよ。」


べリアルが両手を叩くと黒いローブの10人の頭部が吹き飛んだ。


「なぁッ!!」


「くそ、何をした・・・」


「何も見えなかったよ・・・」


「術式、見えなかった。」


緑のローブの男女は皆目の前で起こったことが理解出来ず、レイピアや斧や長杖や籠手を構えながら、油断なく構えながら取り囲む。


「私は、君達を殲滅しにきたものだよ。さぁ。誰から逝きたいかい?」


べリアルは仰々しく両手を広げ、底冷えするような恐ろしい殺気の籠った声で呟いた。


「「「「ッ――!?」」」」


その心臓を掴まれていると錯覚しそうになるほどの殺気に緑のローブの男女は後退りをした。顔には汗が浮かんでいた。


「まぁ。どのみち、君たちでは少しばかり役不足なんだよ。居るんだろう?〝毒海〟のデルミア・リーラ・クラストリアスがね。」


「なッ!!なぜ・・・知っている。」


「デルミア様のことは我々しか知らないはず・・・」


「さぁ。どうした。デルミア・リーラ・クラストリアスよ。君は強いんだろう?それとも、十三使徒の第九使徒は部下に戦わせて、自分は高見の見物かい?」


緑のローブ達の質問を無視して、屋敷中に響き渡りそうな声で挑発する。


「私と戦う自信もないのかね。十三使徒が聞いてあきれるねぇ。」


「貴様ッッ―――」


「デルミア様になんという―――」


デルミアを挑発するべリアルに額に青筋を浮かべ激怒するも、飛び込めば殺られる為、迂闊に飛び込めずにいた。


「うるさいわね。そこまで言われなくても、お望みなら相手をしてあげるわよ。」


何処からともなく少女の声がすると、緑のローブ達とべリアルの間に紫色の毒が水溜まりのように広がり、その毒が人型に形成されるとダボダボの白い白衣を着用した黒髪のポニーテールの14、5歳の少女、デルミア・リーラ・クラストリアスが姿を現わした。


「ほう。()()しているのか、面白いな。」


「ふーん。それに一発で気づくとは、中々の実力者みたいだね。」


デルミアはべリアルを見上げながら薄く笑う。


「良い実験体になりそうだね。君。」


「それはどうも、まぁ、負けてあげるもりは微塵もないがね。」


「面白いねぇ。君」


デルミアが、白衣の袖からでない手をべリアルの方に向ける。


「残念だが、我々の戦い場はここではないよ。」


そう言うとべリアルは、両手を合わせた。


「〝転移〟」


そう短く唱えると、デルミアと緑のローブ達の足元に赤い巨大な魔方陣が展開された。


「なぁッッ!?」


「転移だとバカな!?」


「そんな魔術聞いたことない―――」


驚く緑ローブ達とは対極的に、デルミアは冷静だった。


「ほう。転移魔術・・・ますます、興味深い。」


「さぁ。十三使徒ご一行の皆さん、参りましょうかね。」


魔方陣が眩く光の輝くと、べリアル達は屋敷から姿を消した。


(べリアル、負けないでね・・・)


その様子をリアスのいる部屋を探しながら遠目で確認し、べリアルの勝利を祈った。


*******************************


べリアル達は、広い草原に立っていた。


「嘘だろ・・・本当に・・・」


「信じられない・・・」


「夢かな・・・」


緑のローブ達は辺りを見渡して本当に転移したことに、酷く驚いていた。


「ここは、カルディシナ帝国のクレシャ草原だよ。これだけ広ければ、申し分ないだろう?」


「ふむ。確かにね。」


「君達、巻き込まれたくなかったら、離れてなさい。具体的には10kmぐらいね。」


デルミアは、後ろを見ずに、緑ローブ達に指示を出した。


「「「「承知しました。」」」」


緑ローブ達は皆声を揃え、退避を始めた。


「さて、これで、私と君だけだよ~。」


「ああ。お互いに存分に戦えそうだねぇ。」


お互いに見つめ合う。


「それじゃ、はじめようか?」


「そうだねぇ。」


「「すべてを賭けた殺し合いを!!!」」


どちらともなく歓喜の笑みを浮かべた


作品の感想・意見などあれば気軽にコメントしてくださるとありがたいです。

可能な限り返したいと思います


次回は、べリアルVSデルミアの地形変形クラスの戦いです。

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