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無能と呼ばれた少女は最狂の堕天使を召喚しました。  作者: アズライト
第1章 全ての始まり
13/43

適正

「べリアル遅いなぁ・・・」


べリアルがセルジア学園長に用事があるから先に戻って欲しいと言われて、一時間以上経過していた。


「一体何を話してるんだろう。」


リーシェは学園長室ある黒革のソファーにゴロンと寝転んで時間を潰していた。


「私に聞かれちゃ困ることでも話してるのかな・・・」


リーシェにはなんだか自分抜きで話をしていることに若干、疎外感を感じていた。


「べリアルは私の一応召喚獣なのに、何か私に隠してるっぽいし・・・いまいちなにを考えてるか分からないんだよなぁ・・・よし、戻ってきたら色々問い詰めよう。」


とりあえず戻って来たら洗いざらい話て貰おうと息巻くリーシェであった。


「・・・どうしよう暇だなぁ。」


いつ帰ってくるか分からない上に、ソファーにでも腰掛けて休んでおいてと言われた以上長いからと言って教室に戻る訳にもいかないし、戻って確認する訳にもいかない。


「何かないかな・・・」


体を起こして、学園長室をもう再度見渡した。

対面の黒革ソファー、ガラス天板のローテーブル、鍵付きのガラス戸の本棚、執務用デスク―――


「ん?」


最後に見た執務用デスクの上に何かの紙切れが一枚あるのを発見した。


「あんな紙さっきまで置いてあったっけ?」


リーシェの記憶ではこの部屋に入ってきた時にも戻ってきたときにも少なくともなかったはずだ。


「なんだろう・・・」


ソファーから立ち上がって、執務用デスクに恐る恐る近寄る。


「でも、機密ぽい書類だったら見たらまずいかも・・・」


生徒が見てはいけないような重要な書類である可能性を考えて、伸ばそうとしてい手を止める。


「で、でも。ほんの一瞬・・・一瞬だけなら・・・ちらっとなら、大丈夫かな。うん。」


いけないとは思ったものの、誰も見ていないし、ちらっとだけ見てこれはダメだと思ったら見るのを辞めればいいと思い紙を覗きこんだ。


「ん?なにこれ・・・魔方陣?」


それは日に焼けて所々茶色なった古びた羊皮紙で、中央に紅色の魔方陣があり、その中に大小様々な魔方陣が7つ描かれていた。


「どうしてこんな所に、こんな紙が・・・」


羊皮紙を手に取り、魔方陣を眺めて後裏面も確認した。


「裏はなし・・・ますます何か分からないなぁ。まぁ、でもいいか戻し―――」


右手に持っていた羊皮紙をデスクの上に戻そうとした瞬間、羊皮紙が青い炎を上げて燃え始めた。


「うわッ―――!?」


驚いて、突然燃え出した羊皮紙を手放してしまった。

しかし、羊皮紙は床に落ちることなくそのまま空中で燃え尽きてしまった。

突然の出来事に暫し何が起こったが理解できず、固まってしまった。


「・・・・・じゃなくて、どうしよう!?」


我に返ったリーシェは目の前で起こったことに顔が真っ青になるのを感じた。

学園長室の執務用のデスクにあった書類?を勝手に覗いただけでなく、原理は分からないが、それを燃やしてして駄目にしてしまったことに、酷く焦った。


「あぁ。どうしよう、どうしよう。こんなのなんて言い訳すれば・・・」


リーシェの頭の中を色々な可能性が駆け巡った。


(これはもしかして、停学、弁償、折檻、それとも生徒用独房行き、いや最悪退学の可能性も―――)


考えれば考えるほど、最悪な結末しか頭に浮かばなくなる。

リーシェは頭を抱えた。


「あぁ。どうすれば―――」


「何をどうするのかね?」


「うひゃぁぁぁ!!」


突然の後ろから話しかけられ変な声が出して、飛び上がって驚いた。


「べ、べべ、べリアル?!い、いつからそこにいたの?」


振り返えるとそこにはべリアルが立っていた。


「今さっきだよ。あぁ。どうすればの辺りからだよ。何かあったのかね?」


「えっ、いや、別にぜんぜん、だ、大丈夫だよ、ははは―――」


明らかに何かを隠すように動揺しまくりな返答をしてしまった。


「本当に大丈夫かね?」


リーシェの顔を覗き込みながら、僅かに疑うような声色で確認される。


「う、うん・・・本当に大丈夫だから。」


「・・・なら、いいが。」


リーシェが肯定すると、それ以上は聞いてくることはなかったので、リーシェは話題を変えることにした。


「あ、ああ。そう言えば次の授業があるから、早く教室に戻ろうかな。昨日今日と授業サボっちゃってるから、流石に参加しないとまずいですし。」


そう言いながら、いそいそと学園長室の扉へ向かって歩き始めた。


*******************************


「ねぇ。今って何処に向かってるの?」


この日の授業を終えたリーシェはアルティもつれ、べリアルが来てほしい所があると言うことだったので、今は様々な店と人で メインストリートを三人で歩いていた。


「リーシェ。君は、魔力があるのに魔術が一切使えないだろう?」


「ちょっと、いきなり何よ・・・人がコンプレックスを持ってることなのに!!」


突然のべリアルからの発言に頬膨らまして少し怒る。


「それで考えたのだよ。リーシェが何故魔術が使えないかをね。」


「もしかして、心当たりがあるの?」


「あぁ。それを確認するためにここへ来たのだよ。」


べリアルが立ち止まり、アルティとリーシェに振り返った。


「神殿にね―――」


そこには、石膏で造られた入り口に柱が立ち並ぶ神殿であった。


「神殿?なんで?」


「なぜ。神殿に来たのでしょう?」


二人ともどうして神殿に来たのか分からず頭に?マークを浮かんでいた。


「簡単だよ。神殿でリーシェの適正を見てもらいに来たのだよ。」


「適正と言いますが、ここで分かる適正は職業適正しか―――あッ。」


アルティはべリアルの意図を察して気づいたようだ。


「そうか。もしかして魔術士でない可能性があるから・・・」


「そう言うことだよ。君は理解がはやいねぇ。」


「え、え。なに。どゆこと?」


さっきから話を全く理解出来ていないリーシェは納得したような表情はを浮かべるアルティとべリアルの会話について行けずポカンとした表情を浮かべていた。


「ええとね。リーシェ、つまりね。神殿は職業の適正を決める場所って言うのは知ってるよね?」


「そりぁまあ、一応はね。」


神殿とは一般に自分の職業を決めるために全ての人間が一生に一度は訪れる場所で、神殿で決まった職業適正はほぼ外れることはなく、神殿で決まった職業が自分の一生の職になることなんてざらにある。


「それを踏まえて言うとね。リーシェが魔術士以外に適正がある可能性があるからなんだよ。」


「ん?それは普通じゃない。だって、魔術が使えるからって、みんな魔術士にはならないでしょう?」


「うん。普通ならそうなんだけど、この学園島の・・・ううん、魔戦学園の生徒は()()()()()()()()()()()()()()()()が世界中からが集まってるの。」


「あぁ。そっか・・・」


そこまで言われてようやく理解できた。

魔戦学園の生徒はそもそも魔術士としての適正がある天才児が集まる場所だ。

ならば、入学した生徒は全員が魔術士の適正を持っているはずなのだ。

しかし、特待生として魔戦学園に入学したリーシェは魔術が一切使えなかった。

ならば考えられるのは1つ、リーシェに魔術士の適正がないから魔術が使えない可能性があるからである。


「そっか・・・私、別に魔術にこだわる必要ないんだ・・・」


「そう。魔術が使えなくても良いのなら、リーシェにだって才能がある可能性があるもんね。」


「まぁ。そういう訳だから、サクッと適正を確認してまおうかね。」


三人揃って神殿の中に入った。

中は広く、吹き抜けのエントランスには受付が台がびっしりと並んでいた。


「わぉ。ここ広いねぇ。」


「神殿としては普通サイズだけどリーシェは初めて入るんだね。」


初めて入る神殿の内部をリーシェは辺りを見渡して少し興奮したような声を出した。


「適正診断はあの窓口のようだね。」


べリアルが壁際から5番目の受付を指指した。


「分かった。行ってくるよ。」


「ああ。私たちはここに座って待っているよ。」


「いってらっしゃい。リーシェ。」


軽く手を振るアルティに軽く手を振り返すと、受付に向かう。


「あの、すみません。適正診断をお願いします。」


「はい。適正診断ですね。魔戦学園の生徒さんですので、学生証の提示をを願いします。」


制服を着た受付のお姉さんが笑顔で応対した。

リーシェは制服の内ポケットから学生証を取り出して渡した。


「・・・はい、確認しました。料金は銅貨1枚になります。」


「学生証で落としといて貰えますか。」


学園島の学生に与えられる学生証には、キャッシュ機能とクレジット機能が付いていて、財布と同じ役割を果すのである。

学園島全生徒には毎月銀貨20枚(日本円で20万円相当)が支給されている。ここ神殿で現金として下ろすことも可能である。

ちなみに銅貨1枚は日本円で1000円ほどである。


「分かりました。引き落としですね。」


受付のお姉さんが台に置かれたある拳大の水晶に学生証を当てると赤く光る。


「学生証をお返ししますね。準備をしますのでほんの少しお待ち下さい。」


差し出された学生証を受取り、内ポケットに仕舞った。

すると1分もしない内に戻ってきて、スイカほどのある水晶を置いた。


「手を置いて下さい。」


促され、右手を水晶に置いた。


「では、始めますね。」


「はい。」


リーシェが返事をすると、水晶が七色に光り、それが交互についたり消えたりを3分ほど繰り返すと光が収まり、ボッ―――という音がして、青い炎をと共に一枚の羊皮紙が現れる。

受付のお姉さんが羊皮紙を手に取り、読み上げる。


「はい。リーシェ様の適正診断結果ですが―――」


「はい。」


何故だかとても緊張して、心臓がバクバク鳴っていた。


「武道家とでました。」


「へ?」


全く予想していなかった適正結果にリーシェは空いた口がふさがらなかった。


作品の感想・意見などあれば気軽にコメントしてくださるとありがたいです。

可能な限り返そうと思います。


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