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4日目

 

今日は思っていたより早く仕事を切り上げることができたので

同じ部署の後輩と一緒に駅前で飲んでいた。


最近はどうなのだという話になった。


仕事の話だ。


業務内容を一生懸命語っている後輩に

生意気さと頼もしさを感じた。



家について着替えてベットに入ると、

4日目の晩の夢を見るかもしれない、と思った。



----------------------------




僕は青い子供と一緒に

石畳の道を歩いていた。


月明りの綺麗な晩で、

薄暗い林を抜けたら


洋館が建っていた。



鉄格子の門扉をくぐって屋敷の中に入っていく。



僕は何度かここに来たことがあるようだよ。

というと



忘れてしまったの?

何度も来てるじゃない。


と青い子供に言われた。



奥の部屋に通されて回廊の突き当りまでくると

一番背の高い扉が開いたままになっていた。


中に入るとそこそこの広さで

円形の形をした部屋だった。


天井は数メートルの高さに吹き抜けていて

格子のかかった天窓から月明りが入ってくる。


円形の部屋の壁はすべて本だった。




「久しぶりだね。」


初老の男が立っていて僕に近づいて挨拶をくれた。


こんにちは、僕はあなたを知っています。




青い子供はいつの間にかいなくなってしまった。




僕は何度かここにきていますか?


「来ているよ、わすれてしまったの?」


なぜあなたはここにいますか?


「知識が必要だからだよ。」


ずっとここにいて、循環の輪になど

入りたくないんだ。


ここに隠れてこの世界で

知識だけを取り込んでいたいからだよ。




ほら見て、


天窓からいくつか星粒が入ってきたと思ったら

本の形になって壁の本棚に収まっていった。


誰かの思考が本になっていくよ。



だから私はここを離れてはいけないんだ。



またおいでよ。きっと。



----------------------------



目が覚めたら

洋館のことはすっかり忘れてしまった。














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