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第06話 お泊まりは幼なじみと


 風呂場で倒れてから、どうやら俺はなつめによって服を着させられ、自室で寝かされていたようだ。

 目を開けると、目の前にはなつめの顔が……。

「うおっ! なにやってんだ」

「あっ…いや、熱でも出たのかと思って……おでこで熱を計ろうと……たっ、体温計がなかったからっ!」

「そうか……。 熱はないと思うけど、少しダルい」

「そう……」

なつめは、自分が悪いわけでもないのに、相当落ち込んでいるようだ。

「俺なら大丈夫だ。 なつめが心配することはないよ。 それに……なつめこそ大丈夫か?」

「私は大丈夫。 裕太も大丈夫なの?」

「おう、少し寝ればなんとかなるだろ」

 俺は大丈夫だが、なつめの方こそ相当疲れているんじゃないか?

「少しだけ裕太の部屋にいてもいい?」

「いてもいいが、ちゃんとおばさんには連絡しとけよ」

「うん……」

なつめは安心したのか、おやすみモードに入りかけている。

うとうとしているその姿が、とても可愛らしく見える。

 あぁ、まるで天使の微笑みのようだ……。


 なつめは俺にとってどんな存在なのだろう。

 一言でいえば幼なじみだが、俺はなつめのことをどう思っているのだろうか。

「なぁ、なつめは俺の幼なじみだよな?」

 静寂が続き、そっと顔を覗くと、すーすーと寝息をたてていた。



「しょうがないヤツだなぁ」


 布団を敷いてなつめを寝かせてから、なつめの家に電話をかける。

 電話なんて久しぶりだから、番号があってるか不安だ……。


「はい、篠宮です」

「あ、お久しぶりです。 裕太です」

「あら、久しぶり裕太くん。 久しぶりね、元気にしてる?」

「はい、なつめのおかげで元気にやれてますよ」

「よかったわ。 でも、こんな時間にどうしたの?」

「なつめがうちで寝てしまって……、よければ家まで送りますが……」

「ふふっ、裕太くんのお家でお泊まりをするってメールが来てたわよ」

あのヤロウ……。

「ちゃんと連絡をしているなら、よかったです。 失礼します」

「裕太くん、なつめのことをよろしくね」

「はい……。 こちらこそ、よろしくお願いします」


ふぅ……、アイツは何を考えてるんだか………。

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