オリジナルエピソード01
このエピソードは、コミティア121で特典用に用意をしていたものになります。
また、キャラクターとのやりとりの都合上、公開をしている21話よりも後の話になります。
東京ではたまに、個人でつくった作品売るイベントがあるらしい。
俺は興味がないが、他のヤツらは興味があるらしく、俺、なつめ、加奈、中嶋さん、和馬の5人で東京にあるビッグサイトという所に来た。
「まぁ、来たというよりは、強引に連れてこられたの方が、正しいんだけどな」
1週間前にも俺を除いて、コミックマーケットという似たようなイベントに来ていたようだ。
だが、疑問がある。
俺を強引に連れてくるような理由があるのか?
とりあえず、なつめに聞いてみるか。
「今回はなんで俺を呼んだんだ?」
「もちろん荷物係だよ」
即答! そして予想通りだな。
「ほしい同人誌がたくさんあるし、どうせ裕太は暇だったでしょ?」
「そんなことはない。 俺の日曜はな、1週間の疲れをとるためにあるんだ。 こんな疲れそうなイベントに来て、挙げ句の果てに、なつめの荷物持ちかよ」
「裕太はなつめちゃんと一緒に行動をするのか。 俺はいつも愛読してる漫画の作者の所に行くぜ」
「どうせエロマンガだろ?」
「正解だ」
「おにぃだって漫画とか読むんだし、読んでる漫画の作者の所に行けばいいのに」
「見つけたら考えるよ」
「私の荷物を持つことも忘れないようにっ」
「はいはい」
そういえば、愛読している漫画家が、SNSでコミティアに参加しますって告知してたな。
漫画は必ず買ってるし、見に行ってみようかな。
「松崎さんは、どんな漫画を読まれるんですか?」
「まぁ、ジャンルはと這わずに、絵柄だったりが好みだったら読んでみているよ」
「裕太よ、男なんだからエロ本だって読んでるだろ?」
「まぁ、多少はな」
「でも、私がベッドの下を漁った時は、そんなものは出てこなかったよ?」
「確かに、おにぃの部屋を漁った時に、そんな本は出てこなかった」
「俺の部屋に、何しに来てるんだ。 俺は、王道な所には隠してないからな」
「加奈ちゃん。 次にトレジャーする時は、必ず見つけようね」
「部屋に鍵をつけるのも検討しようか」
「窓から潜入だっ」
「窓にだって、鍵が付いてるからな」
どっちみち、エロ本なんてないんだけどな。
今は電子データの時代。 ネットで買って読んでるし、見つかることはないだろう。
「でも、松崎さんも健全な男性なわけですから、そのようなものも読まれるはずですよ」
「話の流れがおかしくなってるぞ。 な? この話は終わりにしよう」
コイツらの話に夢中になっていたせいか、人口密度が高くなっているのに気づかなかった。
「待機列はこちらになりまーす」
スタッフに誘導され、待機列に並ぶ。
「はーい、もっとつめてねー」
こんなに人と密着するのか。
炎天下の中、11時の会場まで待たされ、列が動き始めた。
最初は、落ち着いたペースで動いていたのだが、建物に近づくにつれ、ペースは速くなっていく。
「裕太っ!! 俺のことはいいから、お前はエロ本を…………」
和馬が人の波に飲み込まれていく。
「和馬さんっ!」
「諦めろ、加奈。 アイツもうダメだ」
てか、何なんだよこのノリ。
「まぁ、即売会じゃよくあることだし、和馬くんも何とかやってるはず」
なつめは、この戦場を生き抜いてきた戦士なんだな。
あ、和馬から遺言が届いてるじゃないか。
「和馬から、後で合流しようって連絡が来たよ。」
「裕太、危ないからスマホはしまって! 前を見ないと危ないから!」
なつめが戦場に現れた天使に見える……。
「あぁ、すまない。 気をつける」
にしても、この人といい、この殺気といい、すごいイベントなんだな。
続く




