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変わり者
今思えば、昔からルールの守れない子供だった。
小学校一年生の時は、片道15分を歩くのが億劫で黄色い帽子を被りながら自転車で登校し怒られ、
中学生二年生の時は部活が楽しくてたまらず、ありもしない朝練を勝手に1人で行い注意され、
更には勝手に夜練をする為、学校内に忍び込んでは警察沙汰もなった。
一番ひどいと自分でも思うのは高校生時代で、当時飼っていたウサギのおでん(ペットの名前)が可愛くて仕方なく、布製のトートバッグに入れて登下校を一カ月共にしていた。
とうとう学校側に見つかり、ペットを取り上げられそうになった時、焦って思考回路が回らない代わりに足が回って、見事担任に回し蹴りをくらわせ、停学になったこともあった。
ただ、決して不良なわけではなかったと思う。
煙草も吸ったことは無かったし、
飲酒だって学生時代はしなかった。
それを分かってくれていたのか、
はたまた諦めていたのか、
私の母は学校に呼び出され、担任や校長などに罵られる度に、
「自由な思想の子なので」
と、花に微笑みかけるように穏やかな笑顔を浮かべていた。