プロローグ
初登稿です。誤字脱字、拙い文章は見逃してね。
ほぼ、登場人物紹介で終わります。
双子…。それは一般的に酷似した外見、性格をもつ二人組として扱われる。
小説で双子が出てくる場合少なくとも次の理由から作者によって兄弟姉妹は双子となる。一つは兄弟姉妹を同学年として出すため、妹の良さ、姉の良さを同学年に出しながら主人公を一年生として入学させるにはちょうどいいよね。また、同一の存在が二人同時にいるというキャラ付けにするため、これは異様に息の合ったコンビネーションを出しながら、入れ替わりネタとして使われる場合が多い。
しかし、この世の中には似てない双子が確かに存在する。
ここに顔すらも似ていない、髪の色、性格、得意分野、考え方に至るまで何もかも違う双子がいる。
名前を姉を、荒木野鶴、妹を荒木八鶴といった。
「で、どうすんのさ?楊堅」
「食べてほしいんですが…」
…語ってる場合じゃあなさそうだな。僕の名前は木葉楊堅。どうしてこの似てない双子と仲良くなったのかは後でいいとして、今のことも話しておこうと思う。
この二人とピクニックへ来ました。そして二人が作った手作り弁当を食べさせられようとしているところです。…語り終わり。
こう書くとまるでリア充と思うかもしれないが、今おそらく僕は死に瀕している。
「……で?どっちにすんのさ」
そう言ってさらに近づいてきたのは妹の荒木ヤズルのほうだ。ヤズルは入学式翌日でクラスの女子全員と友達になり、その二日後には全クラスに友達を作ってしまった社交的な子だ。赤い髪を後ろで三つ編みにして、尻尾のように垂らしているのが特徴的で、クラス、いや一年の中でもトップクラスの外見をもっていると思う。
「お腹がいっぱいなんですか?なら、いいんですけど」
そう言ってしゅんとしてしまったのは姉の荒木ノズルのほうだ。ノズルは入学してから一か月がたってもクラスで友達ができず、昼休みになると、校庭の隅っこで弁当を食べている消極的な子だ。きれいな真っ白な髪をしているが、普段はフードをかぶって髪を隠している。
さて、状況は刻々と悪くなっている。ノズルが悲しみだしたので、そろそろ決めないといけないのだろう。決めるのはどちらを食べるかだ。
どうしてそんなことで、死に瀕しているのかというと、この二人のうちどちらかが超絶に料理下手だということが分かっているからだ。前に二人が一緒に作ったものがロシアンルーレットに変わったのは記憶に新しい。
「決めた、ノズルの方で」
ヤズルから「え~」という声が聞こえたがこの際無視。正直、ノズルの弁当の方がおいしそうに見えたとかではなく、本気でノズルがかわいそうに思えてきたからだ。
ノズルが選ばれたことでとてもうれしそうな顔をしたのでそれで良しとしよう。
さぁ、ぼくはから揚げを一つ取り口にほうった。
…バゴン…ゴキ…ボジ…。
……………………………………………『だっ大丈夫ですか木葉君』…………………………………………
……………………………………『よ、楊堅!生きてるか?』……………………………………………………
……………………………………………………………………………『きゅ、救急車呼ばないと…』…………
…………………………………………………………あれ?今の食べるときの効果音としておかしいよね?
救急車を呼んだあと、ヤズルは少し残念そうに自分の弁当を食べている。
さて、ノズルの弁当がハズレで、ヤズルの弁当がアタリだったと分かったところで、ではどうして僕がこの似てない双子と仲良くなったのかを明かしていこうと思う。
あらすじの展開は次話から。
感想、批判をくれると杏戸喜びます。