六話目『メリットとデメリット』
これで物語の方向性が少し見えてくるんじゃないでしょうか?
(少年よ、ようこそ白の世界へ)
その言葉がタクトの頭に入ってくる、タクトは慌てて左右後ろを見渡す、だが見渡しても誰もいる気配がない、そしてまた言葉が頭に入ってくる。
(契約してくださり、誠にありがとうございます。)
「ど、どこにいるんだ?」
(私は存在しないもの、【白の世界の主】です、あなたはたった今、契約をしてくださりました、そこでこの契約を前提に何ができるのか、何が起こるのかをあなた様に教えします。)
タクトは半信半疑で契約をしたものの、【契約して何になるのか】を突き止めたかったから、タクトの中ではその説明を聞かざるおえなかった。
すると、何もない真っ白な部屋に白い机と椅子がポツンっと急にそこに置かれた、タクトはその机に近づくと、椅子を机から引いてその椅子に座った。
「ん?...白い紙?」
机の上に置かれてあった白い紙、その謎を教えてあげるように謎の声はタクトに呟いた。
(言葉で教えながら図に表す、コレが一番良い覚えです、ではいいですか?)
「あ、はい、頼みます」
そして白いペンが突然タクトの目の前に現れ、誰も扱っていないのに勝手に白い紙にそのインクを垂らす。
(まず、【白の世界】【黒の世界】はご存知ですか?)
「うん」
(簡単に言いますと、世界同士争って欲しんです)
「あ、争う!?」
(私の他に一人、黒の世界を担当する者が居ます、そいつは白の世界ができた後に現れ、黒の世界を作った、私は言ってあげました、同じ世界はいらないっと、でも彼言いました、俺の世界一つにしろ!お前の世界は今すぐ消せ!っと、元々私は何でこんな世界を作ったかというと、地球ができる何億年前の事です、生命は突然宿り、突然亡くなる、だったらその生命を違う事に利用できないかっと私は思ったんです、生命は命を絶ったら蘇らない、それがこの宇宙の決まり事だったんです、私はその決まり事に反対しました、そして生命を維持できる所を作った、それがこの【白の世界】、ただし生命はココに維持できても蘇る事なんてできなかった、私は諦め、生命の生命力を貯める事にしました、生命力を貯める事で新たな生命を作れるんじゃないかと思ったのです、そこで時を待った、地球ができ、多くの生命が宿り、そして争う、それを繰り返し、死んでいった者の生命は私の世界に来るんです、そこで貯めていた生命力は私の箱の中にしまい込んでいたのです、そして生命力が溢れ出るほど貯まったその時です、突然【黒の世界】を作った彼は、私の貯めていた生命力を跡形も無く盗んで行ったのです、そこで彼の奪った生命力を取り返すのには私一人では無理なんです、それで君達に-)
謎の声に続いて、白いペンが白い紙にその物語を絵に変えて表していく
その物語を語っている途中、タクトは口を開いた。
「待って、それを纏めると、君が生命力を必要としていたのは新たな生命を生み出すため、そしてその生命力が結構集まって来た頃に彼、【黒の世界の主】がその集めていた生命力を跡形も無く盗まれ、それを取り返そうと僕達を【利用】しようとしているって事だね、後、君達は神かなんかなの?」
(り、利用など.....、神ではありません、宇宙の欠片と思ってください)
「それは利用しているだけ、他の人がこの理不尽な争いに違和感を覚えないわけがない、それと僕のデメリットは何?」
(.....【死】)
「は!?こんな理不尽な争いに巻き込まれて、その挙句に死?」
(だったらそのデメリットと公平にメリットを付ければあなたは戦ってもらえますか?)
「それほどのメリットならば...」
謎の声はタクトに何かを呟く、何者にも聞かれない小さな声で。
(_________________、これでどうだ?)
「......まって、時間を........」
(わかりました、それでは二週間時間をあげます、それでいいでしょうか?)
「あ、ああ、その間に考えとくよ。」
そしてタクトの意識が一瞬飛んで、気がついたら暗い自分の部屋のベットの上で目が覚めた。
(*`д´)