出発
「智樹君、譲二君。勝手な願いだが、行ってくれないだろうか」
「…………」
「トモ…」
「勿論、向こうでは何があるかわからない。命を落とすかもしれない、それでも…真実を知りたくはないか?」
「…………」
智樹たちはもしこの話を断っても白島に帰れる方法が見つかるわけではない
「分かった。だが、俺達が帰ってきた後この大陸からの脱出を手引きするのが条件だ」
「分かった、君たちが行っている間に用意しよう」
「ジョー、お前はどうする」
「へっ、言っただろ?俺はお前を信じるって」
「2人ともありがとう」
その日は青羽の研究所で止まり明日に朝出発することになった
【朝】
「智樹…」
「紅羽か、どうしたんだ」
「あのね…」
「?」
「智樹君、譲二君。準備ができた」
「おー、カッコけー」
「もともとアメリカ軍のステルス機能付きの最新戦闘機だ。それに対レツ装備をねじ込んでおいた。だが、今できるのはあくまで逃げるための装備だ。危険だと思ったらすぐに帰って来て構わない」
「言われなくてもやばかったら逃げますよ」
「そうか…では頼むぞ」
智樹と譲二は戦闘機に乗り込む
「……紅羽?」
「智樹、譲二。私も行くの」
「ちょっ、拓斗!!どういうことだ!」
青羽のコントロールで戦闘機が閉まり、離陸体制に入る
戦闘機に装備された無線から青羽からの通信が入る
「すまない二人とも。しかし、僕と君たちもし生き残ることができ正しい道しるべになれるかと問われたら。…それは君たちなんだ」
「…」
「勿論、君との約束は死んでも守る。」
「お前は!死ぬ気なのか!?」
「死ぬ気はないし、死にたくもない。だが僕が死ぬことで君たちが生き残るなら本望だ」
「ふざけるな!そんなこと!」
「トモ!やめろ…」
「ジョー?」
「拓斗さん、あんたが死ぬ前に必ず戻ってきます。死んで守れるものなんて何にも無いんっすよ。だから!絶対生きて待ってってください」
譲二は戦闘機の速度を上げる
「ありが…と……」
無線の電波が届かなくなり通信が切れる
「ジョー」
「お前も拓斗さんの覚悟は分かってんだろ。なら紅羽ちゃんに大丈夫だ、って言ってやれよ」
紅羽は智樹の服を固く握っていた
「紅羽……ありがとな、もう大丈夫だ」
「智樹?」
「ジョー、行くぞ!さっさと終わらせて、おれは拓斗に一発殴ってやるって決めた」
「そうか、なら俺も!」
「痛いのダメー?」
「俺達に心配させたんだ、紅羽も心配してんだろ?なら、一発殴って仲直りだ」
「うん!紅羽もパパにメっする!」
三人を乗せた戦闘機は五大湖に向かって飛んでいく