研究所
美しい少女が智樹と譲二を見つめる
「お…俺達は白島から来た。俺は智樹、こいつは譲二だ」
「智樹…譲二…私は紅羽」
「紅羽…君はなんでこんなところにいるんだい?」
「それは……」
紅羽と名乗る少女はおびえた様子もなく、会話を続ける
「トモ!なんかかくる!!」
譲二の言葉で周囲に注意するとわずかに機械音が聞こえる
「レツか!」
「逃げるぞ!」
智樹は紅羽の手を握って走り出す
「早くここから離れるぞ!」
「えっ!?」
三人は森の中を進んで行く
「トモ、どうすんだ?」
「どこか隠れられる場所を探そう。」
「そんなこと言われてもな…」
「なら…私についてきて!」
紅羽が急に方向をかえ走り出す
「トモ…」
「まぁ、ついていくしかないか。行くぞ」
智樹と譲二はすぐに紅羽を追いかける
しばらく紅羽についていくと研究所らしき建物にたどり着いた
「こっち」
「おっ、おい」
紅羽はその建物の中に入っていく
中は外と比べて綺麗で生活感すら感じられた
「トモ、ここって…」
「知っているのか?」
「ここは…」
「やぁ、お客さんとは珍しい。」
「パパ」
「紅羽のお客さんかい?ゆっくりしてくれたまえ…」
智樹と譲二はゆっくり振り返る
智樹も思い出した、見た目が汚くて気付かなかったがここは…
「僕の研究所にようこそ」
青羽拓斗の研究所だった
そして、この戦いの元凶である青羽拓斗が今、二人の目の前にいた
青羽に連れられ二人は客間に来た
「君たちは日本人だね、潜入捜査でもしに来たのかな?だったら実に運がいい、紅羽と出会はなければ遠からず死んでいただろう」
「青葉拓斗…国際指名手配中のお前がなぜこんなところに」
「国際指名手配中だからこそではないかな?世界相手にここまで安全な場所はないだろう?」
「……」
青羽は紅茶を一口飲み、智樹と譲二を見る
「はっはっは、冗談だ。いや、半分は冗談と言っておこうか」
「どういうことだ?」
「ジンが今行動しているのは、人類の全滅だ。つまり僕も例外ではないということさ」
「つまり、お前も狙われていると?」
「そういうことだ」
「おかしいだろ、ならなんでここは安全なんだ?」
青羽はゆっくりと紅茶を飲みほし席を立つ
「ついてきてくれ、答えはすぐにわかる」