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今日日

「パパも結婚して家庭を持って家庭中心になったのか?」

「そうだな、家庭中心というより必死だったかな。出来るだけの事はしてやりたかったからな。仕事をして学校の行事にはなるべく顔をだして、大変だったけど楽しかったかな」

「そうなのか? じゃなんで」

「別れたのか? 理由は何でだろうな知らない間に離れてていて埋められないものが出来ていたからかな」

「埋められないもの?」

「そうとしか言い様がないんだと思う」

美緒が再び考え込んでしばらくして質問を変えてきた。

「それじゃ、何で結婚しようと思ったんだ? 相手には3人の子どもがいたんだろ」

「居たよ。秋香が小5、春介が小3、茉冬はまだ幼稚園だったな知り合った時は」

「信じられない、普通じゃないだろ」

「それじゃ、美緒に聞くが普通ってなんだ? 好きな人が出来て結婚して子どもが出来てか?」

「うん、それが普通だと思う」

今度は俺が言葉を選びながら考え込んだ。

「好きになった人に子どもが居ただけの話だよ。それに真帆だって好きな人の子どもだから美緒を産んだんじゃないのかな」

「そうかな、それじゃ何でママは本当のパパを教えてくれないんだろう」

「それは真帆本人のみぞ知るだな。無理矢理聞くのは酷ってもんだぞ」

「そうだねって、何でパパがそんな事言うのさ。パパかも知れないんだよ、知りたくないの? もしそうだとしたらママが好きなのは」

「そこまでだ。人の気持ちは流れる雲の様に移ろい変るもんだからな」

「本当にパパはそう思ってるの?」

「まぁ、今日日変らない奴なんてよっぽどの馬鹿か本当の愚図だな」

「パパには変らない物があるって言ったじゃん!」

美緒が唇を噛み締めて俺の事を見ている。

「変らない物か……変えられなかったものなのかもしれないな」

「それって誰かの事を想い続けてるって事なの?」

「黙秘権を行使します。これ以上は弁護士を通してくださいなってか。俺は馬鹿で愚図の上に屑なんだよ」

「もう、直ぐにはぐらかすんだから。パパのケチ! へそ曲がり! おたんこなす!」

「おお、新空港建設地が見えてきたぞ!」

「えっ、あっ。またパパにやられた!」

美緒がキョロキョロと辺りを見渡す、綺麗な出来立ての道をひた走る。




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