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第1章 2 異世界編

第1章 2 異世界編




[other side]



宿場町ラックのはずれの森にて、大きなスカーフを目深まぶかに巻いた一人の少女が三人もの男たちに追いかけられていた。

少女は森と言う地形の悪さに足をとられながらも懸命に走っている。


この追いかけられている少女の名はアンナ。


宿屋の看板娘であるアンナは、今夜の夕食に出す山菜や木の実などを拾いに町外れの森まで来たのだが、木の実集めに夢中になるあまり周りが見えていなかった。

普段はそんな状態でも、この森には猛獣もいないので安全なのだが、今日は柄の悪い男たちがこの森に潜んでいたらしい。


耳のいいアンナはなにやら足音が聞こえるので、振り返るとそこには3人の見るからに柄の悪い男達がいた。

アンナは男達を見ると、手に持ったかごを離して男達とは反対の方角に全力で走って逃げた。

このとき、幸運なことにアンナと男達の間には、結構な距離があった。


「チッ、気づかれたか」


男達は、忍び足で近づいたのにこの距離でなぜ気づかれたと疑問に思ったが、獲物を逃がすまいと追いかけた。

アンナはこのとき、自分の不甲斐なさとこの状況の理不尽さに怒りを感じた。



「まちやがれ!」



待てと言われて待つものはいない、というより捕まったらどんな事になるか想像が付く。

アンナは振り返るとそこには、デブ、マッチョ、チビが特徴の男たちが欲望からか、笑みを浮かべて追いかけてくる。

だが、地の利は近くの町に住むアンナにあるようで、なかなか追いつくことができない。

しかし、アンナが走っている方角は街とは逆の方向で事態の好転は望めない事から、男たちよりもアンナの方が不利だ。



アンナは回り込むことはできるかと思ったが、相手は三人の男たち、体力的にも人数的にも無理だと、考えを打ち切る。

何処かに隠れるところがあればと周りを見渡しても、後ろから追ってくる三人はそれほど離れているわけではないので隠れることができない。



そのとき、アンナは考えにふけるあまり、自分の足元がおろそかになっていた。

そんな状況でアンナは、絶望的にも木の幹に足が引っかかってしまう。

森と言う足場の悪いところでは考え事などせずに賢明に走るべきだったことに気づいたが後の祭りだった。



「ようやく捕まえたぞ」


小柄だからだろうか一番最初にチビが追いついて、アンナの二の腕を逃がさないぞと言わんばかりに強く掴んだ。


「放して!」


とアンナが叫ぶがチビは捕まえた獲物を逃がすわけもなく、さらに後から回り込まれた。

アンナも必死に抵抗するも男が相手では力で勝てるはずもなく、後ろ手に手首と足首を縄で縛られた。


「誰か助けてーーーっ!」


アンナが助けを求めて叫ぶとチビは静かにしろといって猿轡をかませた。

アンナは必死に叫ぶもこんな森の中では誰もいない。

アンナが今の状況の悪さから涙が出てきそうになるも、泣いて事態が好転するはずもないので我慢をする。



その時、デブとマッチョがやっと追いついてきた。


「ようやく捕まえたか?」


「はい、しかしデップはともかく、何で兄貴はこんなに遅かったんですかい?」


「デップの奴が転んでしまったんで助けてたんだ」


「さすが兄貴」


とマッチョとチビが話していた。デブは無口なのだろうか一言もしゃべらない。

マッチョは、女は?とチビに聞くと、どれどれと屈んであごを引っ張って顔を上げさせた。


「なかなか、上玉じゃね〜か。偵察なんてかったるいと思っていたが、神様って奴は日ごろの行いを見ているもんだな〜」


「兄貴は、日ごろの行いがいいんですかい?」


「あたぼうよ」


日ごろの行いがいい人がこんなことをするわけないでしょとアンナは思った。

むしろ、神様なんていない。神様がいたらこんな理不尽は許さないだろう。


「さてと、ボスへの手土産もできたことだしアジトに戻るか」


「兄貴、こんな上玉滅多に見ないですよ、味見をしないんですか?」


「それもそうだな」


そういうとマッチョとチビは、いやらしい目つきになるとアンナは必死に抵抗した。


「大丈夫だよ〜、怖くないよ〜」


「気持ちよくしてやんよ〜」


抵抗も虚しく、このままではあんな事やこんな事になってしまう。

誰か助けてとアンナは願った。すると、






「おい、そこの3バカ」


と氷点下100℃もの冷たさがこもった声が聞こえた。


3人の男たちとアンナはその声の方を向いた。






するとそこには、黒髪を後ろで束ねた女神様がいた。






感想をはじめていただくと自分の小説を読んでもらえたと思えてうれしいです。


いままでは、ほとんど説明や出会いと言う基本、ゲームで言うところの言わばチュートリアルでしたが今回からは旅物にありがちであり、王道のシチュエーションです。やはりこういうのはわくわくするでしょう。


足らない部分は創造力(妄想力)で補ってくれると助かります。


呼んでくださった皆様との出会いに感謝しつつ私は教習所に備えて寝ます。

続きは明日(って気づいたら今日ジャン)上げます。

前回のあとがきは009ネタでしたが、わかりましたか?

では今回はこのネタでお別れしましょう。


科学と魔術が交差する時、物語ははじまる。


作者のつぶやき

 シルティとシロンの名前が間違えやすいことに絶望したー!!

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