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第1章 9 異世界編

第1章 9 異世界編




[other side]



深夜、宿場町ラックのはずれの森にあきらかに柄の悪い男たちが潜んでいた。


俺は手下からの報告を待っていた。

今回の策は引き起こすタイミングが重要だ。

なので、あらかじめ手下の何人かは町の中に旅人のふりをして潜入し時期を見極めさせている。


報告を待っている間に今回の策で唯一のイレギュラーである黒髪の小娘について考えを巡らせた。

魔術師の特徴である黒のローブを着ているのはなぜだ?

もしかしたら、魔術師だというはったりで相手を動揺させるのが目的なのかもしれない。

だが、男3人を軽くあしらった体術からかなり腕が立つことはわかる。

仮に、魔術師だとしても対策はした。


最後の最後で何か見落としがないか思案していると手下が近づいてきた。


「ボス、準備が整いました!」


魔術師の俺がいるからには問題ないだろうと考えを打ち切る。

所詮、個人にできることなど高が知れている。


「やれ」


俺がそういうと手下は下がっていった。



[side out]






カンカンカンカンカンカン


俺は、鳴り響く金属音に目を覚ました。


『シロン、何なんだこの音は〜?』


寝起きで意識がはっきりしないので状況がつかめない。

この世界に来てまだ日が浅いので、この音の意味をシロンに訊いてみた。

外はなにやら叫ぶ声が聞こえてくる。


『どうやら、火事のようだな』


・・・・・・・・・火事?

確かになにやら焦げ臭いような・・・・・・


『あかねこ亭が燃えているのか?』


『どうやら建物が燃えているという訳ではないようだぞ』


シロンが外の叫び声を訊いてみろと手首の髪留めが動く。

俺は耳を澄ましてみた。


―盗賊だ!

―逃げろ!

―炎を使う魔術師がいるぞ!


『町が襲われているようだな』


とシロンが冷静な声でつぶやいた。


『襲われているようだなって、今、俺たちはその襲われている町にいるんだが・・・』


俺もまだ寝ぼけているからか、何処か呆然な声でつぶやいた。


『エンドウ殿は冷静だな?』


『あわてても仕方がないでしょ〜』


あかねこ亭が燃えているわけではないので今の所、ここは安全だ。

落ち着いて的確に避難すれば大丈夫だろう。


『確かにそうだが・・・エンドウ殿はとりあえず格好をどうにかしたほうがいいぞ』


『格好?』


今の自分の格好は寝たときと変わらないぞ・・・・・!!!


俺はシロンに言われて自分の格好を見てみると、一気に意識が覚醒した。

今の自分の格好を一言で言うなら下着姿だ。

さすがに寝起きでこの不意打ちはきつい。

昼間の行水や着替えは心の準備が出来ていたから多少は耐えられたが・・・・無理だ、顔が熱い。

なによりシルティのメリハリのある体のあられもない姿はエロい。


『一応、説明するとだな・・・』


シロンの話によると、寝る間際に服にしわができてしまうとシロンが言ったところで寝ぼけた俺は寝ながら服を脱いだらしい。

だが、俺には記憶がないのだが・・・と呆然になりながらも、床に脱ぎ捨てられた服をとりあえず着るとドアの向こうがなにやら騒がしい。

俺は、とりあえず昼間に買った剣を手に取り廊下に出た。






「エンドウさん!」


廊下に出てみるとアンナがあわただしく現れた。

アンナの格好はネグリジェでよっぽど慌ててたらしく寝起きだったのだろう。

いきなりの事で混乱しているようだ。


「とりあえず落ち着いて」


俺はアンナに冷静になるように言った。

だが、この状況で冷静でいられるはずもなくアンナは何処か不安げだ。

どうしようかと悩んでいると廊下の奥から店主のジャンが現れた。


「アンナ、エンドウさん」


ジャンも慌ててたのだろう寝巻き姿だ。

だが、ジャンはアンナの不安そうな顔をみると冷静になったのだろう、だいぶ落ち着いたようだ。


「エンドウさん、とりあえず逃げましょう」


とジャンは言った。


「なにか貴重品を持っていった方がいいんじゃないですか?」


この世界で火災保険なんてものはないだろう。

俺は、まだ時間があるだろうから何か持っていったほうがいいと言った。


「貴重品なら持っています。それに娘の命より大切なものはないですよ」


確かに命より大切なものはない。

俺は頷くとジャンはアンナの手を引いて


「エンドウさん、付いて来て下さい」


と言って駆け出した。






外に出てみるとみんな、着の身着のままの姿で避難している。

俺が街に入った門とは反対の方で火の手が上がっているようで明るい。

逃げる方向を見るとみんな火の手とは反対の方向に逃げようとしているようだ。


「暗いので足元に注意してください」


とジャンが言うと人の流れに乗って駆け出した。




ジャンの言葉に俺は何か引っかかった。




何かがおかしい。

俺は走りながらこの状況のおかしさについて考えを巡らせた。

盗賊が、貴重品を持って逃げた人間をこのまま放置するのか?

普通は、町の周りを囲んで人を逃がさないようにするはず。

なのに一部だけ逃げてくださいよといっているみたいにあけておく意味はない。

もし敵の作戦なら・・・・罠!


「まずい!」


俺はこの流れの先に敵が待ち伏せているかもしれないことに気づいたがすでに町から出てしまった。

このままでは一網打尽だ。

俺はジャンに声を掛けようとしたその時


「・・・・フレイムブラスト」


なにか呪文のような声が聞こえた瞬間、後方で火柱が上がった。







学校も始まったので次回の更新はゆっくりします。


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