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つれづれな詩たち

雨のように風のように

作者: 風蘭

閉ざされた窓の外を思う

殻のように閉じこもったまま

吹く風のことを思う


色もなく

匂いもなく

ただ通り過ぎるだけの存在ならば

嘘も偽りもなく

もの思うこともないまま


隔てられた扉の外を思う

石のように沈黙したまま

降る雨のことを思う


音もなく

名残もなく

ただ流れ去るだけの存在ならば

絶望も後悔もなく

もの思うこともないまま


どうか問わないで

どうか願わないで

答えられないと分かっている問いを

かなえられないと知っている願いを

全てを飲み込んで微笑むしかない現実なんて

形を失ってしまえばいいのに


雨のように風のように

還る場所が決まっていればいいのに

形なく消える

感情の還る先さえ分からない

見失ったものが分からなくなって

立ち尽くす自分自身を

馬鹿だなって笑う

水たまりに映る自分自身を

酷い顔だねって笑う

流れる涙を風に奪わせるままに

私はひとり背を伸ばして歩く

一対しか残らぬ足跡を振り返ることなく


雨のように風のように

心のままに流れて消える

自由に解き放たれたいと

広いばかりの空を思う

燃やし尽くしそうな渇望を抱えて

凪いだ水面の笑みを浮かべる

その矛盾すらもこの足を踏み出させる

そんな熱量に変えて

翼を折られて飛べない鳥だとしても

果てしない道を歩くと

あの日そう決めたから

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