閑話 望の発見
これは一部、ノンフィクションです。
参考にさせていただきました。
とっても短いです。
「うわ~。これ、なんかすごい」
朋美は、大学情報の雑誌を見ていた。
オーラが見える分、生物の細胞の研究は面白そうだと思っていたのだった。
しかし、人として禁忌の領域にまで足を踏み入れた研究をしていたということを目の当たりにし、嫌悪感を抱いてしまった。
細胞を見ようとすると、拒絶反応が出てしまうようになっていた。
それなら、いっそ、違う分野を……と思った。
政治経済系の方がいいんだろうか。
「姉ちゃん」
何度も弟に呼ばれ、朋美は顔をあげた。
「姉ちゃん、この紙に、ひらがなで、皇妃陛下の結婚前の名前をフルネームで書いてくれる?」
メモ用紙とペンを渡される。
「ひらがなよね?」
なんだろう?と思いながら、名前を書く。
「その下に、嫌だと思うけど、あのイタチの名前、もちろん、結婚前の名前をフルネームで」
「書けたわよ?」
「それ、上下互い違いに読んでみて」
朋美は望が言ったことを一瞬理解できなかった。
互い違いに、上下を読む……。
「え?」
「わかった?」
「え??」
「すごいと思わない?」
「え~?」
互い違いに読んでも、名前が出てくるのだ。
「これ、偶然?」
「そんなこと狙ってそんな名前の人、探すわけ無いじゃん」
「そうよね」
朋美は自分が書いた二行の名前をじっと見る。
種明かし的には、単純だ。
偶数番目の文字が同じになればいいだけだった。
「すごいね、偶然って……」
これは、皇妃がどちらになってもよかったということなんだろうか?
今、皇妃はすめらぎが選んだ妃だ。
もし、次男が選んだあの女が皇妃になっている時代があったのだろうか?
朋美はそう考え、思わず身震いをする。
「あんた、暇だったの?」
「いや、そういうわけじゃないけどさ。ふと、なんか、気になって並べてみたら、そうなったというだけ」
夕食時、望がその事を得意げに母、直子にメモを見せながら言った。
「ああ、それね、その当時結構話題になってたわ。偶然なのか、必然なのかってね」
「え、そうなんだ?」
「何? 自分が大発見したつもりになってたの?」
「う、うん」
「まだまだね。でも、偶然でもあり、必然でもあったのかもね」
「両方?」
朋美は直子を見た。
「あの愚かすぎるイタチと狡猾な執念深いキツネを抑えられるのは、聡明なあの方しかいなかったということよ」
直子は目をパチクリとしている娘と息子を見る。
「日本が滅びなくて、本当に良かったわ」
こんなに短いのに誤字脱字……。
修正しました。
『弟』が紛らわしいので、『望』に修正しました。




