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“永遠”は確かに貴方の隣で

 

 

 ********

 

 

「はい、できた」


 そう言って、アリアが私の髪を結い終えた。

 長い髪を上の方でまとめ髪にして、ティアラの邪魔にならないようにしている。


「しかし長くなったねぇ、上でまとめ髪にできるよ」

「この日のために伸ばしたからね」


 私は、自分のドレスに感慨を深めながら鏡に映る自分を見た。

 白のドレスを着た私は、数ヶ月前とは別人のようになっていることが実感できる。目のクマは改善されて、ちゃんと女性的な体つきになって、手先の荒れは完全になくなった。今は外しているけど、婚約指輪はピッタリになっているのがすごく嬉しい。


「さ、そろそろ時間だよ」


 アリアが、最後の仕上げにベールを被せてくれる。私の視界が幸せで少し遮られた。


「うん、いってくる」


 私はそう言って控室を出て、茶色い両開きの扉の前に立つ。

 そして大きなベルの音とともに、目の前の扉が開いていく中へ一歩踏み出した。

 足を覆い切る程の長い裾をゆっくり蹴るようにして、一歩ずつ確実に進んでいく。私にエスコートしてくれる親族はいないけど、これでいい。いつだってお父様はそばに居てくれるから。


 そして彼が待つ場に辿り着いて、私たちは向かい合う。

 白いタキシードに少し髪を切った彼は、いつもより格好良く見える。そのせいか“こんなにかっこよかったっけ?” なんて間抜けなことを考えた。


「病める時も、健やかなる時も…」


 神父の誓いの言葉が聞こえる。私たちの出した答えは当然、“誓います”だ。

 近いの言葉を終えて銀細工のシンプルな指輪を交換した私たちを見届けて、神父は言う。


「最後に、誓いのキスを」


 その言葉に、彼がそっと私のベールを外す。

 互いに静かなキスをして、私たちはこの長い年月の末に結ばれた。


「…ふふ」


 近いのキスが少しだけくすぐったくて思わず笑ってしまったけど、心の中は嬉しくて涙が止まらない。

 ねぇ、フィン。

 私、今日ほど貴方に救われたことってないわ。

 貴方が私を見続けてくれたから、貴方と私の“永遠”がつながって、今があるんだもの。


 貴方にもう一度恋をして、本当によかった。 

 こんなこと、絶対に内緒だけどね。

 

 ありがとう、私の王子様。

 二人で幸せになろう、永遠に。

 

 

 

 

 

                           終



はい、と言うことでお茶にごしで連載していた「公爵子息は荒んだ彼女を愛してる」でした

まずはここまでお付き合いありがとうございました


この作品は「拗らせ」をテーマにしたコンテスト作品が原型です

私の中で「ヤンデレっぽい拗らせはヤンデレではない」ので若干語ります

現在(2025/04/16現在)連載中表記の「冤罪悪役令嬢はストーカー王太子と踊る〜隣国の王太子が変態だなんて聞いてませんわ!〜」のヒーローであるディードリヒくんはヤンデレとして書いていますが、この作品に出てくるフィンくんはあくまで「拗らせためんどくさいやつ」として書いています


どこに違いがあるのかと言われれば、単に倫理観の差だと思ってはいますが

ディードリヒくんは犯罪上等であれこれやらかしてるし、根性捻じ曲がってるしヒロインを異常なまでに神聖視しています。その上で過度な依存が存在し、ヒロインが遠くにいた存在だったのに手に入ってしまったという現実に溺れているクソ野郎です

フィンくんはアニーちゃんのために行動したけど叶わず、一度は向き合うこともできませんでしたがアニーと和解してからは溺愛の範囲内でことを済ませていることのほうが多いです。遠くにいた存在が手に入ってしまったから手放すような事態になるのは怖い、刻みつけたいという依存はかわりませんが

あと二人ともヒロインのせいにすんな


なのでまぁディードリヒくんの方が何倍も頭おかしく拗らせたあまり病んでいます。気になる方は冤罪令嬢一巻(=一章)をご覧ください

初期のディードリヒくんは割と鬱ってるんでね、私が好きで書いたんですが

なのでフィンくんはあくまで「拗らせてる面倒なやつ」という立ち位置です。拗らせてるから向き合えないし、拗らせてるから発想が突飛。そして拗らせてるので好きな女の子を傷つけてでも結果を手に入れようとしたわけですね。直球すぎてバカといえばバカ


あとはまぁ、リリーナがあんなことされてたとディードリヒが知ったら王弟とやらはとっくの昔に死んでたと思うんで、やっぱり人道的で罪を償わせようという意識が伝わってきますね。まぁアニーと結婚できるのであとはどうでもいいとも言いますが

ちなみにアテンツァは親戚筋に引き取られて平民の恋人と結ばれるという後日談があります。よかったね


あとはせっかく後書きなんでどうでもいい話をいくつか

まぁまずは文字数ですね。この話、賞レースにはカクヨム経由で出したんですが、その時の規定が12万文字以内でその範囲にも収まってたんですよ

でもこれが酷い落とし穴で、日本語が酷い、とにかく酷い。主語はないし場合によってはフラグ忘れたり繋がってなかったり状況が伝わってない文だったり…修正死ぬほど大変でした

なので修正に時間かかりすぎて冤罪令嬢の原稿に差し支えたんで一旦修正したところまで上げて、原稿書き上げて、そこからまたこれの修正をやるという…本当に本末転倒

ちなみに文字数は12万文字弱から15万文字弱まで膨れ上がりました。日本語使えなすぎて雑魚


一応カクヨムには修正前のやつが上がったままですので、そこだけ注意してください。カクヨムで同じものは読めません。まぁこっちのも文章やフラグのおかしいところ修正しただけなんで話の展開は何も変わってないですが


ちなみにこの話が冤罪令嬢となんか似てるなって思った方がいたら間違ってないです

これはまともな恋愛を書くにあたって好きな要素をまろやかにした作品で、冤罪令嬢は真っ向から連載を前提に好きな要素詰め込んでどこまで膨らませられるかという作品なので私が好きなタイプのヒーローの濃淡の具合と、ヒロインのガサツさが違うだけと言っても過言ではないです

あとは一応冤罪令嬢は悪役令嬢モノの端くれとして書いたつもりなので逆段罪のシーンがありますが、こっちはヒロインの大きなバックボーンに関わる、という違いは存在します

まぁでも虐げられてきた立場から根性ひん曲がったイケメンに言い寄られて時に顔面を引っ叩きながら紆余曲折あって結ばれるのは変わらないんで既視感があるんだと思います。私の好みってわかりやすいですね


そんなこんなで一回この後書きも〆ようと思います

ここまでお付き合いありがとうございました!

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