五話 決意
その言葉を聞き私は安堵した
生きてる
死んではいなかった
気づけば頬には涙が伝っていた
気づいたときにはもう遅くて思わず声も出してしまった
本当に
よかった
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彼女は俺の言葉を聞いた後泣き出してしまった
、、、、、
涙は嫌いだ
うれし涙もだ
弱さが見えてしまう
あのことを思い出してしまう
だから
俺は俺が嫌いだ
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どれぐらい泣いただろう
そのとき私は泣いている間ずっとこの人を待たせてしまってしたことに気づいた
「ご、ごめんなさい、、、話途切れさせちゃて、、、」
「謝んな、ここは俺らの拠点だから安全だ、泣きたきゃ好きなだけ泣け」
その人は
見た目は怖かった
けど
その話し方や目から優しい人なんだろうな
そう思った
「竜の兄貴はいま治療を受けてる、あと少しで終わるだろ」
、、、、、そうだ
「あの、あいつらってなんなんですか?」
まだ私はなんにも知らない
異能力やあのカイブツについても
「、、、妖精だ」
妖精?小さくて羽が生えているあの?
想定外の答えに私は目を丸くしていた
「、、、昔、人間と妖精はこの世界で共存していた、だがある日反乱が起こった、その日から対立するようになった、まあそんな感じだ」
「前置きがなさすぎて意味わかんないです」
今言ったとおりだ
マジで意味がわかんない
なんで妖精が人間に対して反乱を起こしたのかもわからないし、対立していたのならなんで今まで戦いが起きなかったのかとか
一つまた一つと抜けてるところが見つかってもうわけわかんないよ、、、
「、、、、、(俺、教えるの下手なんだな、、、)」
「あの教え方じゃね、誰もわかんないと思うよ」
その声は部屋の外から聞こえてきた
それはあの女の人だった
綿菓子のような髪のお父さんといた、、、
「未奈ちゃん、、、だっけ?私、南雲こころ、よろ、、しくね?」
南雲、、、
どこかで、、、聞いたことがある気がする
でもどこで聞いたのかも、そもそも聞いたことがあるのかもわからなくなってしまった
「お父さんの治療は終わったよ、今は寝てるかな」
治療が終わった
つまりおとうさんの怪我もたぶん大丈夫ってことか、、、
でも心配性の私は一応聞くことにした
「ありがとうございます、おとうさんもう大丈夫なんですか?」
「うん、次は君だよ、ましとはいっても君も十分ひどい怪我なんだから」
「は、はい!よろしくお願いいたします!」
異能力
「リストア」
その言葉を聞いた途端に眠気に誘われてしまった
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、、、、、いや、、、
こないで、、、、、、
g
誰か、、、助け、、、
て
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、、、何か昔のことを見ていた気がする
でも思い出せない、なんだろ
今日は思い出せないことばっかだな、、、
でも
おかあさんが殺されて
おねえちゃんが攫われた
これだけは
これだけは絶対に忘れないし思い出せないなんてこともない
だったら
「、、、ありがとうございます、、、あの」
「大狼だ」
「大狼さん、私を下僕にしてください、私はあいつらを何があっても殺します」
どんな手を使ってでもこの人たちの仲間になり
あいつを殺す
そんな私を見て大狼さんは言った
「、、、、、弟子とかじゃなくて?」
、、、、、
今日私は人生最大の絶望と
人生最大の恥をかいた
「まあ、いいよ、でも今のうちに覚悟しときなよ、お前は地獄に足を踏み入れたってこと」
いわれなくてもわかってる
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「、、、、、、」
俺は今日初めて
人の頭を潰した