三話 冷却
「フリーズ」
そう聞こえたときには俺の体は動かなくなっていた
、、、ああ
やっちまったな
あいつを起こすつもりだったのに
「失敗だな」
幸い硬直はすぐにとけた
覚醒したばっかのこいつはまだそこまで能力を扱えないだろう
しかもこいつの能力は相手の動きを一時的に止める
攻撃的な能力ではない
なら
最速で潰
「フリーズ」
踏み出そうとした足が空中で止まる
こいつ、、、
、、、
戦闘経験なんかないはずなのにな、、、
「化け物が」
だが、一秒ほどたてば動けるようになる
だから勢いのまま殺せばいい
そうだ
そのはずだった
「ッ!」
気づいたときには俺は転んでいた
、、、ああ、そういうことか
能力を見誤った
こいつの能力は、、、
「死んで」
その女が持っていたナイフが俺の背中めがけて振り下ろされた
殺意を持って
バシャッ
「これ、、、水?」
所詮雑魚だ
能力を得たところで有利不利がある
炎の能力には水の能力が効くように
物理攻撃は
水の俺には効かない
「遊んでくれたな、糞女」
俺は液体となったまま床に浸透した
次はこっちの番だ
///
あいつが床の中にはいっていった
あいつの能力は水になることだろうか
それとも、、、
///
さっきまで能力なんて知らなかったくせに
なんでこんなことになってんだろ
運命って残酷だな
おかあさんとおとうさんが死んで私も殺されそうになってる
今まで凶器なんか握ったことのなかった私が今殺すために使っている
誰がこんなこと予想できただろう
できるわけ
ないよな
///
「、、、痛いな」
笑っちまうぐらいに痛い
あいつの能力は
水を操ることができる
だから
凝縮された水で体を貫かれた
あいつが今どこにいるかは
床の下にいるからわからない
壁からも撃ってきたことから
この家全体が凶器と考えていいだろうな、、、
「、、、、、負けだな」
私の能力フリーズは対象を5秒視界内に収めることによって対象の動きをリセット、そして1秒間動きをとどめることができる能力だ
でもあいつの姿は見えない
負けだ
そもそも勝てる戦いじゃなかったんだ
だってさっきのカイブツはコミュニケーションなんかとれやしなかった
けど
こいつは
こいつは流ちょうに話し
そして
自分の意志で私を殺そうとしてきてる
あいつとはなにかが違う
、、、でも
このまま負けるなんて
「死んでも嫌だね」
おい起きろよ
戦いは
お前の好物だろ?
『、、、まだ起きない、けど使いたいんなら好きに使ったら?』
なら
「お言葉に甘えて」
///
くるな
こいつ
もはやさっきまで能力者じゃなかったのが嘘みたいに戦闘に適応している
俺の攻撃も何もせずに受けているのではなく少しずつ動いてる
俺はずっと致命傷となる場所を撃ってる
でも
ずらされるから命を奪うまでにはなっていない
何よりも怖いのが
それを
感覚でおこっていることだ
、、、、
俺も戦いなんて何年ぶりだろう
感覚が鈍ってやがるな、、、、
しかもくる
アイツの
能力が
///
これで終わらそう
異能力
「フ」
「未奈?」
、、、、え
おねえちゃん?
そこにはおねえちゃんがいた
後ろにはパーカーを羽織った男がいた
おねえちゃんを連れてきてくれたのだろうか
でも今来たら危な
「おいおい、、、獲物じゃん」
玄関の壁からいきなりあいつが飛び出してきた
そしておねえちゃんに飛びつき
そのまま壁にいっしょに沈んでいった
「、、、は?」
意味が分からない
なんで私じゃなくて
おねえちゃんが?
「悪いがお前との戦い、持ち越しだ」
「おい!お姉ちゃんは関係ないだろ!返せ!」
でも
この後
あいつが戻ってくることはなかった
今すぐにでも追いかけないと
でも
動かない
体がゆうことを聞かない
そのまま重力にしたがって
私は倒れた
「おい、、、おい!大丈夫か!おい!おい!」
ああ、、、
なんも聞こえないや