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一話 エソラゴト

書き直しとなった作品です






朝起き顔を洗い家族と会話する

そんなありふれた日常であってほしかった

いつまでも

けれどそれは過ぎた願いで

この世界にいつまでも

そんな都合のいい言葉は無いと知った





///

ピピピピッという電子音で目を覚ます

羊のマスコットキャラクターの目覚まし時計がなっている

いつもならベットから体を起こしその気温の冷たさに悶絶し二度寝をしていたところだがそんなことも言ってられない

なんたって今日はおねえちゃんの誕生日なのだから


「うあぁ、、、寒いなぁ、、、」


文句を垂れつつも二段ベッドの上から降り、朝食の準備に取り掛かる

おねえちゃんからのリクエストでお弁当に入れるための炒飯を作ってほしい

そう頼まれていた

支度をしていたらおかあさんが二階から降りてきた

その顔はいつもよりシャッキっとしているように見えた

おねえちゃんの誕生日だからおかあさんも気分が良いのだろう


「おはよぉーおかあさん」


「おはよう未奈、今日は早いのね」


「だって昨日の夜、おねえちゃんが炒飯作ってくれってうるさいんだもん」


私も今日を楽しみにしていたらしい

会話を楽しみながら着々と調理を進めていく

卵を溶き、フライパンにごま油を一回し入れる


///

私、未奈は捨てられっ子だった

ちょうど五年前、路地で横になっていたのところをおねえちゃんが見つけてくれたのだ

その後おとうさんやお母さんの協力があってこの二星家の一員となった

初めのほうこそなれなかったがおねえちゃんがいつも話しかけてくれたおかげでなれることができた

そんなこんなだからおねえちゃんには頭が上がりずらいのだ


///

焼きあがったご飯に卵を回し入れる

かなりの回数炒飯を作っているからか、この家では一番炒飯をうまく作れると自称している

おねえちゃんの炒飯はべちゃべちゃなのだ

言ってしまうなら小粥みたいだ

そんなこんなでしっかりと焼きあがってきた

お玉を真ん中に添え、フライパンを振る

こうすることでさらにパラパラになるからだ

ふと時計を見るといつの間にか時間が近づいてきていた

まだお弁当箱に詰めたりできていないんだけどな、、、

そんなことを考えながらお母さんが作ってくれたお弁当を受け取る


「おかあさん盛り付けとか頼んでもいい?」


「はいはい、事故起こさないようにね」


笑顔で見送ってくれるおかあさんの手を振りながら家を出る

満面の笑みで


///

キーンコーンカーンコーン


チャイムとほぼ同時に教室に飛び込んだ

ま、まにあった、、、

正直間に合わないんじゃないかと思った

そのまま私は廊下側前から四番目の席に座った


「未奈ー、遅刻ギリじゃん」


「うるさーい、朝から用事いっぱいあったの」


隣の席の杏が話してきた

この学校に来てから初めてできた友達でよく競い合ったりする仲だ

杏は私が捨てられていたことを知る少ない子でもある


「じゃ、学食の唐揚げかけて今日の小テストやろ?」


「なに?自滅しにきたの?今んとこ8対2だよ?」


そんな会話をしていたら担任が入ってきた

起立、礼

これ、どれぐらいの人が尊敬?をもって礼してるのかな

そんな意味のわからないことを考えながら腰を曲げる


「えー、最近この辺りで行方不明者が増えてきています、皆さん高校生なのであまり心配はしていないが気をつけるように」


///

下校の時間となった

軽くなってしまった財布を揺らしながら花屋へ向かった

でも、

休業日なのか花屋は空いていなかった

少し不満に思いつつも私は急いで家に帰った

でも

花屋の前に

赤い水たまりができていた

それ

なんだったんだろう




家に着くと違和感があった

扉が少し空いているのだ

さらにここに帰る途中誰とも合わなかった

不信に思いながらも何の警戒もなくそのまま家に入った

家に入ると





おかあさんが


玄関で死んでいた

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