3 もしかして... 気のせいか。
「これって...ラッキースケベじゃねぇぇ!?」
僕は思わず全力で叫んでしまった。さっきのお姉さんが「何事!?」と言わんばかりに振りむく。気まずい... でも、今はそれどころじゃない。
「これ、ラッキースケベだよな?昨日の液体の効果だよな?」
そう信じたいところだが、まだ確信できる要素が少ない。そうであるなら最高だ。
僕は一旦落ち着きを取り戻し、買い出しに戻る。少々脱線してしまった。
7分くらい歩き、イ〇ンに到着。火曜市だからか、少し混んでいる気がした。今日の昼ごはんは弁当で済ませ、夜ご飯はカレーを作ることにした。カートに自分と柚木の分の弁当と、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、バーモ〇ドカレーを入れてレジに行こうとしたところで、ある商品に目が留まった。
「なんだこのポテチ...〈デヴィ〇人の家の壁 味〉...?めちゃくちゃ特殊な味だな。」
この味のせいか、他の商品よりも売れ残っている。
「デヴィ〇人の家の壁って味がついてるのか...?まぁ、買ってみよ。」
僕はこの特殊な味付けのポテチをカートに入れる。そのあとレジを済ませ、環境に配慮してエコバックに食品を入れ、帰路につく。
「ラッキースケベ♪ラッキースケベ♪ラッキースケベ♪」
僕は帰り道でもラッキースケベ♪が起きないかなと期待しながら帰宅した。
「...なにも起きなかったな。」
結局何もないまま自宅に到着。
「やっぱり偶然だっただけか...」
僕は若干元気をなくしながら、玄関のドアを開けた。
「...ただいまぁー」
「あっ、お帰りお兄ちゃん。」
どうやら柚木はテレビゲームをしていたようだ。
「柚木ー。買ってきたもん冷蔵庫にしまっといてくれー」
「えぇ、自分でやってよ。」
この家の家事のことなら柚木のほうが詳しい。なのでここは柚木に任せる。
柚木はゲームを中断し、食品をしまう作業に移ってくれた。その途中で、
「ちょっとお兄ちゃんなにこれ!?また変なの買ってきたでしょ!」
といいながら、例のポテチを僕に突き出してくる。
「あぁ、気になったから買ってみたんだよ。あとで一緒に食べないか?」
「お兄ちゃんって昔から変なもの買ってくる癖があるよね... おつかいに頼まれても絶対何かしら買ってくるじゃん。」
「そうだっけ?」
自覚はないのだが、僕には変なものを買ってくる癖があるらしい。
その後、柚木と一緒にゲームをやったり、ゴロゴロしたりしているといつの間にか15時になった。
「おっ、15時になったし、何かおやつでも食べるかー。あっ、さっき買ってきた〈デヴィ〇人の家の壁 味〉のポテチを食べてみるか。」
袋を開け、皿に取り出しダイニングテーブルに置く。僕が椅子に座ると、柚木も向かいに座った。
「よし...食べてみよう。」
ポテチを一枚指でつまみ、口に運ぶ。”サクッ”...食感は普通のポテチと同じみたいだ。味は...
「ッ!これはッ...」
甘い!まさかの甘い系だった。
「なになに!?どんな味!?」
柚木も一枚口に運ぶ。
「あまっ!...ちょっとおいしいのが悔しいな」
ピチピチの中学生の柚木からすると、この味はおいしい判定らしい。
「...デヴィ〇人の家の壁、絶対こんな甘くないだろ。」
僕はそんなツッコミをし、2人で笑う。
妹との楽しい時間が過ぎてゆく。
こんばんは、魚原です。投稿が遅くなってしまい、申し訳ございません。平日は忙しくて、作品を書く時間がなく、休日にしか書けないという感じです(泣)なので投稿頻度が少なめになってしまうのですが、気長に待っていただけたら幸いです。それでは、今回も最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。良ければ、感想を残していってください。それでは、また!