表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放籠  作者: 今夜 一時
1/1

他愛のない話

僕は、なんでもない。

そう、どこにでもいる何でもない生徒が、自分でも僕の立ち位置だと思う。

もし、誰かが僕のことを

「どんな人ですか」と聞かれたとしてたら、

「んー、ふつうですよ」と答えていると思う。

それくらい普通なのが、僕。


なので、割と普通に、下校の際に忘れ物をし、このまま帰るより取りに戻れる帰路の途中だったから、取りに戻ったら、自分の教室でない3組から声が聞こえてきたもんだから、興味が沸いて、3組の方に行ってみると、3人がいた。


ツネ、山口さん、京平。

この3人、仲が良かったのかぁと心の中で思った。思っていたら、

「なんでおる!?」

と大笑いしながら、教卓の前に立っていた京平が、僕を見つけた。教卓の前の席に座っていた他の2人は、クルッと後ろを向いて、少し驚いた感じで僕を確認していた。

「忘れ物を取りに来たら、声が聞こえたから気になって」と、僕が言うと、京平が、

「忘れ物ねぇ、あったのかよ?」

「そりゃ、あったよ。宿題のプリント。」

「ハハッ、真面目だなぁ。」

「そうかなぁ、京平たちこそ、何してんの?」

「えっ、、、あぁ、まぁ、話してた。」

「へぇ、この3人だと、意外だなぁ」

と、僕は思った通りの事を言っていた。

というのも、普段、この3人を3人で話してる所を見かけた事が無かった。すると、ツネが

「わりと3人で話してる時あるよ。意外かなぁ。」

「んー、3人ともクラス違うから、かな。」

「去年、一緒なんだよ!」と笑いながら京平がツッコんできた。

クスクスと、山口さんが笑っているのが聞こえてくる。

「なるほどねぇ。。。あれ?3人とも部活は?」

「気になるのは、そっちかよ!」

「え?部活、辞めたの?3人とも?」

「なんで、そうなるんだよ!サボってるんだよ!」

先生に怒られるんじゃないかと思い、「行った方が良くない?」と言ったら、

「帰宅部が、それ言うんだ。クククッ。」ツネは、我慢出来ない様子だった。もちろん、山口さんもクスクスと。

「あー、なんか、ごめん。」

「謝るのかよ!それに、お前は、気にならないのかよ!」

「部活?部活は、去年の夏くらいから行ってないからねぇ。」

「違うわ!何を話してたのか、気にならないのかってこと!」

「何してたのかは気になったから聞いた!だろ?」

「そうだけどさ、えー、まじかよ、ハハッ」

京平は、理解不能という感じになって、笑っていた。

ツネは、僕らのやり取りに一段落が着いたように思ったのか。

「で、帰る?」と聞いてきた。

僕は、この3人の本人達からすれば、珍しくない組み合わせの話を聞きたくなったので、

「せっかくだから、話を聞いていくよ。」と、答えた。

ツネは、快く頷いてくれたけど、京平は、戸惑いと驚きを隠せてなかった。

山口さんは、まだクスクスしてた。

「まぁ、いいや!それじゃぁ、始めるぞ!」と京平は、仕切り直しだと言わんばかりに大きな声を出した。

何が始まるんだろうなぁ、と思いつつ、僕も手頃な席に腰掛けた。

京平はツネをチラリと見ながら、「えっと...」

ツネは「英語ね。」

「そうそう!英語だ!」

僕は、英語かぁ、テスト勉強でも始めるのかな。苦手なんだよなぁ、ツネや山口さんは英語出来そうなのになぁなどと思っていたら、京平は、続けた。

「英語ってのは、日本語じゃないと思ってるだろう、そこの君!」とビシッと指さされもした。

「えっ、うん。英語は、、、英語でしょ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ