でも好きになっちゃうの!
初めての試みなので暖かく見守ってくださると嬉しいです
ある日の事だった。遥香は目の前に居る男性に告白されていた。唐突の事で頭が追い付く事すらままならない。
「遥香さん、宜しかったら僕と付き合って下さい」
遥香は一般の庶民だ。王族の王子と接点すら無いに等しい。何故私なのだろうと疑問しか無かった。
時を遡る事一週間前の事。遥香は森に散歩をしている習慣があった。いつも通り歩いていた時だった。銀髪の髪で顔が整った男性が動物と戯れて居た。いつもなら遥香に懐いているリスも他の動物達も夢中の様だ。夢中になって遥香は前のめりになった時だった。パキッと木の枝を踏んでしまった。
「誰だ!?」
声と共に腰に掛けられた剣が抜かれた。ビクッと驚きながらも遥香は前に出た。
「申し訳ございません!私は習慣で森を散歩してました」
「こちらこそ済まない、女性に剣を向けてしまった」
「大丈夫ですから、頭を上げて下さい」
遥香の言葉に頭を上げた男性と目が合った。改めて見るとカッコいいと思った遥香だった。
「自己紹介が遅くなって申し訳ない、私はギルバートだ」
「ご丁寧にありがとうございます、私は遥香と言います」
「遥香…綺麗な名前だ」
その言葉に照れた遥香。初めてだった、男性から褒められるのは。
「ギルバート様はここで何をなさっていたんですか?」
「ここの森が気になり歩いてみたらさっきの通りだ」
「そうだったんですね」
普段だったら遥香ぐらいしか歩いてない森だ。あまり見かけない場合は警戒しているのにギルバートには懐いている。その事が驚きだ。
それから二人は会話が弾んでいた。森の事や動物など楽しく会話していた。
日が傾き帰る時間が来た。
「夜になりますね…帰らないと」
「途中まで送りますよ」
「お手を煩わせる訳には…」
「私がしたいんだ」
遥香は悩むに悩んだ結果ギルバートに送ってもらう事になった。何故だろう…。さっきから胸が高鳴る。私だけなのかと思う程に。
一方、ギルバートは遥香と出逢ってから緊張していたのと同時に一目惚れしていた。初対面なのにどうして彼女に惹かれていくのだろうと。
自分は王族だと言う事を明かしていない。知ったら距離を置かれてしまいそうで…。
森から出てすっかり夜だ。帰らないと心配かける。
「ギルバート様、ありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
そう言って別れた二人だった。
そう…遥香は後で知る事になる。ギルバートの正体を。
ある日にパレードがあった。遥香自身楽しみにしていた。また何処かでギルバートに会えるんじゃないかと言う事を。
パレード会場に来た遥香。始まって馬車を見て思考が停止した。
「…え?」
だってあり得ない…どうして貴方が居るの?ギルバート様…?
驚きが大きくショックが襲ってきた。混乱して動く事すら出来なかった。そんな瞬間だった。
「遥香さん」
頭上から優しい声が降り注がれた。その声に導かれて遥香は思わず俯いていた顔が上がった。
申し訳無さそうにギルバートは居た。
「隠していて済まなかった」
反則だと思った。愛おしむように見つめてずるいと思った。そんな瞬間だった。
「遥香さん、宜しかったら僕と付き合って下さい」
最初に戻るとこんな経緯だ。
遥香はどうしたら良いのか分からなかった。しかも、国王や国民の前だ。下手な返事が出来ない。そう思った時だった。
国王から遥香にこう言った。
「息子から話を聞いている、お主の事好いていると言う事も」
「…そうなんですか?」
「うむ」
こんな自分の事を好きになってくれる人とは出逢わなかった。「遥香さん…返事は急がない」
ああ…行ってしまう。言わなきゃ…そう思い気が付いたらギルバートの服の裾を掴んでいた。
「遥香…さん?」
「わ、私も…ギルバート様の傍に居させて下さい」
「…!!」
魔法の様な言葉。それを聞いてギルバートは遥香を抱きしめていた。民衆もお祝い祭りだ。
「ギルバート様、幸せになりましょう」
「もちろんだ」
誓いのように言葉を交わした。
次章に続く
意外と短めになってしまいましたが、楽しく書かせて頂きました
次の章はどんな風になるか楽しみにしてください!