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キミらが本当に売国奴だったら良かったのに……本当に残念だよ

作者: HasumiChouji

「あ……あ……君達の身辺を徹底的に調査したが……敵国と内通していた証拠は無かった……」

 私を逮捕した捜査官は暗い表情でそう言った。

「だから、何度も言った通り、私達のグループは、この国を良くしようとしていただけなんですよ。政府とは違うやり方で。政府の支持者の中に、それを気に入らない人が居て、私達をSNSで罵ってる内に自分で言ってるデマを自分で信じるようになっただけなんですよ」

「ああ……そうだったよ……君の言う通りだったよ……残念だよ……非常に残念だ……」

 私達へのデマを吹聴している内に、そのデマを自分で信じるようになったマヌケの中には……与党の大物議員さえ居た。

 まず政権交代は起きそうにない状況が長く続いたせいで、与党はどんどん劣化していき、ついには、D国と開戦するに至ったのだ。

「で、釈放ですか?」

「いや……それが残念な事にな……」

 捜査官は……1枚の紙を取り出した。……丁度、葉書ぐらいの大きさの……。

「何ですか、これ?」

「いわゆる赤紙というヤツだな」

「どういう事ですか?」

「上の方としては、君が本当に敵国の工作員だったなら……やってもらいたい事が山程有ったようなんだが……たとえば二重スパイになるとか……残念ながら君は無実だった。だから、兵士として最前線に行ってもらう」

「えっ?」

「君が善良な人間だというのは、君を取調べてみて、よく判った……。だから、こんな事になるのは……非常に残念だよ。本当に君が敵国の工作員だったら……命だけは無事だっただろうに……」

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