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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

斬首は巡る。いつまでも【1000文字未満】

作者: 平之和移


「斬首申し付ける!」


俺は少しばかりの不届きで斬首されることになった。嫌だ。まだ死にたくない。たとえ名が汚れても知ったことか。鎌倉から逃げてやる。


馬をかっぱらい鎌倉から逃げた。すると女武芸者が薙刀を構えて駆けてくる。


「逃げるな! その首貰い受ける!」


なんと恐ろしい気迫か。般若に勝る女から逃げ、撒いた。京の都、いつの間にかできていた幕府のもとで暮らす。店の下男として貧しく暮らしていた。


しかし平穏はすぐ終わった。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


あの女武芸者だ。薙刀を構えて激走。店から飛び出し必死に逃げた。いつの間にか始まった戦国の世に隠れる。今や足軽。天下分け目と呼ばれる戦いに参加した。


もうすぐ敵と会うだろうところで、あの叫びが聞こえる。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


あの女武芸者だ。後ろから来ている。結果的に俺は一番槍となりしかも生き残った。だがその後も女武芸者には追われた。


江戸に逃げ切った。今や泰平の世。争いはないだろうと蕎麦屋を始めた。そこそこ繁盛して、嫁も貰った。その喜びに浮かれていると、女の客がやってきた。蕎麦を出してやると、一口で食い切った。


こりゃ女傑だと顔を見ると、なんと女武芸者だった。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


俺は蕎麦屋を飛び出し江戸を走り回った。何とか逃げ切ると文明開化していた。俺も散切り頭を叩いて、一丁前に文明人だ。


さてさてと欧州に出発。船に麗しい後ろ姿の美人がいた。話しかけると、


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


女武芸者だった。俺は船から飛び降りて日本に帰る。今やアメリカとの戦争目前。徴兵され硫黄島で戦闘。地獄の様相だが、敵陣に動きあり。何かが米兵をなぎ倒している。


双眼鏡で見ると、それは女性だった。目が合う。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


女武芸者だ。硫黄島から日本列島に逃げる。戦争は終わり、成長期だ。俺も成功しスポーツカーを乗り回す。バックミラーには迫る影。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


まただ。彼女はスポーツカーに追いつくほど速い。逃げ切りを果たし、今や宇宙開拓時代。早速ロケットを飛ばす。システムが警告。追尾されている。


「見つけたぞ! その首貰い受ける!」


女武芸者との縁は切れそうにない。

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