序章。 冒険への一歩。
あらすじ含め二回目になりますが、まず、この小説を見つけてくださって本当にありがとうございます。
自分の小説は行間が狭いです。
が、まとまりを欠いているわけではないので、読みにくく感じる人もいると思われますがご了承ください。
いいな、と思ったらブックマークを押してください。
放置しなくなります。
「地球」
ある世界の中のある宇宙の中のある星の、ある住人がそう呼んでいる。
その「地球」がある宇宙とその隣の宇宙。
めったにない「宇宙」同士が接触した瞬間だった。
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今、私の命は尽きようとしている。
既に耳は聞こえていない。
長い、長い戦いの人生だった、、、。
最後まで私を慕ってくれる仲間もいて、、。
神との戦いはとても楽しかった、、。
視界がだんだんと暗く、狭くなっていく。
別れの時が近い。
寂しいものだなぁ、、。
、、、、、、、、
、、、、、
、、、
、、
、
魂は既にそこにはなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
僕は数年前に「人間」と呼ばれる生き物の番のもとに生まれた。
僕が産み落とされた瞬間の両親の喜びようはいかほどであったろう。
だが、数日してその表情は引きつったものになっていった。
理由は簡単だ、、僕が人間の容姿そのものとは違うものになっていったからだ。
頭に角が生え、体には黒い鱗のようなものが出た。
手には鋭い爪が生え、足にも強靭な鱗が生えた。
それでも両親は僕を人間として扱ってくれた。
自分たちが産み落としたのだという薄いつながりだけで、、。
僕は、人の目につかないところで育てられた。
両親から人間の社会のことについて学び、その複雑さに顔をしかめ、
またその向上心に驚いた。
一方で、自らで自らを貶める人間がかわいそうだと何度思ったことか、、。
こんな生活が何年間も続いた。
なんど教育相談所が押しかけても、保健所がしつこく電話をかけてきても、
両親は決して僕を守り通した。
僕が両親以外の人間に対して敵対心を持つようになったのはこのころだっただろうか、、
だが、それも限界に達する。
両親は、僕を何度も手にかけようとした。
わめきながら包丁を振り上げる父親、父親にすがりながら泣いている母親。
だが父親は手が震えてできなかった。
悩みに悩んだ末両親は、僕を戸籍上だけ死亡扱いにすることで一段落を終えた。
だが、周りの人間はそんな事を知らない。
どこからか僕を見つけたのか、最近話題のSNSで急激な広がりを見せていた。
住所を特定され、電話番号も特定され、
一時落ち着きを見せた電話は再びけたたましくなり始めた。
両親は最初無視していたがそれも叶わず対応に追われることとなった。
ある日、紺色のベストと帽子をかぶった人間が玄関のベルを押した。
両親から習っていた「警察」と呼ばれる職業の人間だ。
僕はずっと廊下のドアの隙間から見ていた。
その人間は家の中に強制的に入ろうとしたが両親に阻まれ、
何度か大声で両親に何か叫んだあと帰っていった。
僕には何を言っているのか聞き取れなかったが、それを聞いた両親の顔面は蒼白だった。
僕はそんな両親を見ていて苦しかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
その夜、両親は現金などの貴重品と僕を毛布にくるんで家を出た。
僕は抵抗を試みたが無理な話だ。
僕はかろうじて毛布から顔を出すことを許されたが、
その時には既に車の中だった。
父親のほうが動かしているようだ。
両親ともおびえた表情で話し合っている。
瞬間、右側が白く光ったかと思うと激しい衝撃と痛みが襲った。
僕は何が起こったかを知る由もなく気を失った。
ただ一つ、鮮明に覚えているのはけたたましく鳴るサイレンの音と鉄の焼けた匂いがする事だけだった。
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僕は意識を取り戻した。
視界には大きく緑色が見える。
草むらの中か?
っ頭が裂けるように痛い。
額に手をやる。
、、血が出ているようだ。
だが、数分してそれも収まった。
立ち上がろうとするがなぜか体が動かない。
その代わりに強い眠気が襲った。
次に目覚めると動けるようになっていた。
立ち上がれるか試してみる。
立てた。
そして自分の姿を見て驚いた。
明らかに生後五年の体とは思えない。
というか生後五年なんて言葉どこから湧いて出たんだ?
いや、そんなことよりもまずはこの飢えをどうにかしなければ、、。
と、周りを見て初めて気が付いた。
ここは道路の中央の草むら。
立ち上がった俺を人間たちがおびえた目で見ている。
中には好奇の目を向けている者もいる。
たくさんのレンズがこちらを向いている。
まぶしい。
俺は無視して「レストラン」に入る。
ここで食べ物を食べられるのは知っている。
まだ生まれたての時に唯一ちゃんと入った人間の建物の一つだ。
料理が出された。
まだ何も言ってないのに、、だ。
俺は怪訝に思いながら食べた。
皿の上から料理がなくなるたびに料理が置かれた。
俺は食べながら両親のことを思った。
最後車に乗ったきり会っていない。
両親がそばにいるのが普通だった俺は寂しさを感じていた。
あらかたお腹がいっぱいになってきたころサイレンの音が聞こえてきた。
両親とはぐれた時聞いた音だ。
俺は高速で道路に出るとあたりを見回した。
そこで見たものは両親ではなく紺色のベストと帽子をかぶった人間達だった。
「警察」だ。
だが、今回の「警察」は違った。
それぞれが透明な板を持ち、黒いものを向けている「警察」がいた。
「手を挙げろ!」
俺は言われるままに片手を上に伸ばした。
すると警官は言い直した。
「両手を挙げろ!」
言われるままに両方とも伸ばした。
それを見て敵意がないと感じたのか黒いものをおろした。
(あの黒いものなんだろ)
警官は、質問を続けた。
「お前は、、田中清隆と田中玖子の子供で間違いないな?」
なぜ両親を知っているのだろう?
俺は頷いた。
「お前に逮捕状が出ている。両親にもだ。死んでしまったがな!」
は?
今なんていった?
死んだ?
両親が?
そんなわけないだろ、、!
警察は手錠をかけようと近づいてくる。
俺は、両親が死んだと聞かされて放心していた。
そして、気づいた時には手錠が閉まる直前だった。
俺は力任せに両腕に力を込めた。
ガチャン
手錠が激しい音を立てて壊れる。
目の前にいる警官の顔が恐怖に染まる。
その直後、遠くで何かが小さく破裂する音がして肩に何かが刺さった。
黒い鱗の間に刺さったようだ。
力が抜ける。
すぐさま周りの警官が駆け寄り縄やら鎖やらを強引に巻く。
鉄格子のついた車に乗せられた。
白い服を着た人間がすでに抵抗をあきらめた俺に注射を打つ。
なんだ?動か、な、、い。
そこから俺の意識はなくなった。
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白い壁が見える。
その中にポツンとトイレと鉄格子が見えた。
『やっと起きたか、龍人族の末裔よ』
背後から声がする。
後ろを振り向く。
そして俺は息をのんだ。
、、背後にいたのは『人型の何か』だった。
それには他のものとは違う『何か』があった。
あえて言うなら、、『神々しさ』だろうか?
『何をぼーっとしている。竜人らしくせんか!』
怒られた
不思議と恐怖を感じない
『今お前は留置所でも刑務所でもなく研究所に入れられている』
なんでだ?
なんで研究所に入れられたんだ?
『お前が竜人だからだ。いま世界中で人間ならざる者がこの世界に発生している。お前もその一人だ。
愚かな人間たちはそれを悪用しようとしている。これでいいだろう?』
だそうです
人ならざる者らしいです
そして悪用されるらしいです
でもなんでそんなことが?
『それは説明が難しくなるが、、そうだな、、違う世界との扉が開いちゃった、、でどうだ?』
、、、あぁわかりました
これからどうすればいいですか?
『それぐらい自分で考えたらどうだ?まず両親のことを調べるのが先だろう』
やっぱりそうだよな、、
いったい何があったっていうんだ、、
あの優しい両親が死んだって、、
『、、それと、こちらからのお願いになるのだが、このままでは、人間たちが人ならざる者の力を使うことで、悲惨な結果になることが目に見えている。(実際神であるわしにも制御できていないし、、)
それを阻止してはくれないだろうか?』
神様がやっちゃダメなんですか?
神様だし、、
『、、、わしらは下界にあまり干渉してはならんのだ(建前じゃがな)だからお前に頼んでおる』
でもできるのかな、、
『大丈夫じゃ、竜人族は強いからのぅ(あの世界の神ら負けかけたとか言っておったし、、)』
『ピンチの時は念じるがよいぞ、、、人が来たな、、じゃあまた来よう』
そう言って神は消えた。
代わりにドアが開く。
男が入ってきた。
よく見ると人間とは体つきが違う。
尻尾もあるようだ。
「出てこい、博士のお呼びだ」
男はいいつつ俺に何かを飲ませた。
体が急に重くなる、、。
果てしなく白い廊下が続いているのがチラッと見えた時には違う部屋にいた。
いったい何をしたのだろう?
「博士、連れてきました」
「ご苦労」
白衣を着た人間が言った。
こいつが博士なのだろうか?
獣人が部屋から出ていった。
博士(?)と二人きりになる。
「うひ、うひひ、うひひひひひ、うーっひひひいいいああぁぁ!!」
え、、
怖い、、
やがて笑い声は止まった。
「実験を始めようか、、!」
えーっと?
あ、、これ死ぬ奴だ。
博士は色々な機械を持ってきた。
「まずは、、そこの実験台にのせてドラゴナイトを投入して反応を記録記録、記録ゥ~!」
まって
怖い怖い怖い
俺は震えだした。
神様助けて?
既に死にそうなんですが?
博士は部屋の外に出た。
数分して窓ガラス越しにあの顔が見えた。
アームが伸びる。
実験台にのせられた。
横からベルトがからめとるように伸びる。
ガチガチに拘束され身動きが取れない。
「、、安定剤はドラゴナイトと競合するな、、中和剤を入れて、代わりにめっちゃ拘束すっか!」
ベルトがさらにきつくなる。
痛い。
光る石を持ったアームが伸びてくる。
え?
石?
チクっ
刺された。
その瞬間に石の輝きが消え、何かが体内に入ってくるのを感じた。
戸惑う。
一体何が起こっているんだ、、と。
アームが離れた。
と同時に、
熱い。
体が熱い。
何かが変わったような感じがした。
、、力がみなぎる。
これなら逃げられそうだ。
拘束器具を破壊した。
博士の顔が明るくなる。
と思った瞬間には、、。
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覚醒した
お前は覚醒したのだ
前の世界で持っていた力を手っ取り早く取り戻すチャンスをお前は得た
全てはお前の魂が知っている
精進しろ
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視界が白い。
結局最初にいた部屋に戻ってきたようだ。
誰かもわからない人に「精進しろ」なんて言われるのは腹が立つ。
ぽりぽりぽりぽりぽりぽりぽり、、、、、
は?
イラついていた俺は怪訝に思って後ろを見た。
『おう、起きたか』
そこには「神」がいた。
さっきの変な音はすでに消えていた
『ほう、"カウントスタート"したみたいじゃな、あの博士やりおるわい』
かうんと、、すたあと?
何ですかそれ?
というかさっきの音なに?
『RPG風に言えばレベルが上がるようになったということじゃな』
れべる?
何ですかそれ?
『今、さっきよりも体が軽く感じておるじゃろう?』
、、確かに
『それが、レベルというものの恩恵じゃ』
ふ~ん、、じゃあどうやってレベルを上げるんですか?
『戦う事じゃ、戦ううちに体や神経が研ぎ澄まされてレベルアップできるようになるのじゃ』
ん?
戦う事自体じゃない、、ということは?
『レベルアップできるようになったら自動で注射されるみたいじゃな』
え、、?
腕、足、首、、首の後ろに冷たい何かがある
これが注射するようだ
首についてる時点で外すのは諦めた
もうレベルアップするの嫌だな、、
『両親のことはもういいのか?』
いや、、
良くない。
何としてでも探し出さねば。
あのぬくもりが恋しい。
気づいた時にはあの部屋だった。
「よし、まずは脱出だな。」
読了していただきありがとうございます。
次作にも乞うご期待ください。
P.S. 何回も更新が入ることがあります。