事務員は今度こそ上司の〇〇〇を目撃するのか!?
懲りない事務員シリーズ第2弾です。
前作「事務員は上司の〇〇〇を目撃するのか!?」はコチラ
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星歴1239年。
私の名はモースリー・ジル。
ナダ共和国の首都ノウムベリアーノ在住の23歳。
現在は学校の先輩達が経営している事務所で働かせてもらっている。
団長のリリィ先輩と副団長のユリウス先輩は学校でもなかなか有名な『変人コンビ』であり色々あって今では夫婦だ。
お付き合いを始めてから僅か1節で結婚したのだが、まあナダ人というのは大体そんなものだ。
ナダ人にとって交際というのは結婚までの準備期間に過ぎず交際即ち結婚という認識だ。
私の両親なんて交際を始めた3日後に結婚していた。
まあ、流石にそれは早いが大体交際開始から半年以内には入籍しているというスピード感がナダ人の恋愛だ。
「団長たち、何処に行ったんだろう」
ちょっと用事があって団長を探していたが見当たらずそれならば副団長にと思ったがやはり見当たらない。
そしてミーティングルームの前を通りかかった時、二人の声が聞こえてきた。
「もう、あなたってまたこんなに『溜まっちゃって』……」
「ご、ごめん」
「仕方ないわね。私がきちんと『処理』してあげないと……」
んんっ!?
あれ?あれ?あれぇぇぇ!?
これってもしかして団長と副団長が職場で……
いや待って。
数節前もそうやって勘違いしてキュンキュンした結果恥をかいたじゃない。
私は学習できる女だからね?
「あぁ、そ、そこ、気持ちいいよ。相変わらず上手だね」
「こら、変な声出さないで」
きゃぁぁぁぁぁ!!
あら?あららら?
これは今度こそアレじゃないの?
二人の濡れ場って奴に遭遇ね。
いや、確かに結婚したばかりだしね。
しかも健康的な若い男女とあればもう家だけではおさまりが付かないってわけね。
うんうん、健康的だもんね。
職場でこういう秘密の逢引きとかよくあるのよね。
まあ、私の友達の彼氏の友人のお兄さんの彼女が言ってたらしいけど。
うーん、風紀的には絶対良くないけど、何だかわくわくするわ。
一体扉の向こうでどんな濃密な展開が繰り広げられているのかしら。
「うわぁ、相変わらず沢山出たわねぇ」
もう出しちゃった!?
副団長って確かに早そうだもんね。それにしても……沢山かぁ。
「何か楽しみになってきたのよね、これ。それじゃあ、向きを変えて。2回戦行くからね」
2回戦!?
副団長って意外と絶〇なのね。
そうね、健康的だものね。
「職場でこうならないように自分でもしなさいよね」
「だって、何か怖いし」
これはあれだ。
色々と理由をつけて初心な団長に色々と仕込んだわね。
何て男なのよ!
ごくりとつばを飲み込む。
間違いない。今回は間違いなくやってる。
ここはそっとしておいてあげるのが情けというものだけど……
ちょっと二人の慌てる顔が見たい。
そうね。『不慮の事故』ってあるものだもんね。
よしっ!!
ドアノブに手をかけそっと開ける。
そこには…………
「本当にすぐ溜まっちゃうんだから。まさか職場で耳掃除することになるとは思わなかったわ」
そう、そこには団長の膝枕で耳掃除をしてもらっている副団長の姿があった。
「あら、ジル。ごめんね、今ちょっと彼の耳掃除をしていたところなのよ」
「私の……」
「ジル?」
「私の………チクショォォォォ!!私のドキドキを返してぇぇぇぇっ!!」