砂漠2
『少しは落ち着いたかい』
ムカデの化け物の片付けが終わったのか
声の主は悠介に聞いてきた
悠介も先程よりは落ち着きを取り戻していたが
まだ頭が混乱しているのは自分でもわかった
それにやっと会えた人に色々と聞きたい事もあのだか何から話せばいいのかも分からずにいたのである
『取り敢えずここじゃなんだから
落ち着けるところまでいこうか
ちょっと歩けば俺のキャンプがあるから』
声の主はそう言うと悠介の手を取り引き起こすと
さー行こうかと歩きだしたので
悠介もその後についていく
『さーお疲れさま着いたよ
ここが俺のキャンプ地だ』
そこはただの砂地に少し大きめのテントが張られて
いるだけの場所だった
『何か言いたい事でもあるのかな?』
声の主が俺の顔を見て思ってた事が分かったのか
少しキレ気味で聞いてきた
『いや
ないです
なにも思ってないです
いや~素晴らしいキャンプ地だなーっと思って
アハハハハハハ』
『だろーって!
これが素晴らしいキャンプ地なわけないじゃん
俺も用事が終わるまでの簡易のキャンプ地だから
こんな簡単なのでいいんだよ
それじゃ~そろそろ落ち着いてきた用にもみえるし
聞いてもいいかな?
君は何であんな所にいたのかな?』
声の主はいきなり真剣な表情になり聞いてきた
「気付いたら砂漠にいて
人を探してたら豚がいたので
近づいたら化け物がでてきて
食べられそうになりました」
悠介は自分が思うなぜあんな所にいたのかの経緯を
すごく簡単な説明で話した
「は~~~」
悠介が話し終わると声の主は馬鹿を見るような目で見た後
深い溜め息を吐いた
「あのな~
俺が聞いてるのはなぜこの冒険者も通りたがらない
このカラカ砂漠に見るからに一般人の用な君が一人で
いたのかを聞いてるんだよ」
悠介も声の主が言いたい事は分かるのだが
自分がなぜここにいるのか自分でも分かっていないのに
これ以上の正確な説明を求められても
答えられないのである
「あの~すみません
俺もなぜここにいるのか
自分でも本当に分からないんです
むしろ俺もなぜここにいるのか知りたいですし
ここが何処なのかもしりたいんです
先程カラカ砂漠って言ってましたけど
て事はここはまず日本じゃないってことですよね」
悠介もだいたい予想は出来ているが
もしかしたらがあるので聞いてみる
「日本ってなんだ?
そんな土地の名前は聞いたことがないけどな
ここはレーム王国の外れにあるB級指定区の
カラカ砂漠だ」
声の主からは悠介がだいたい予想していた反応が返ってきた
そらそうだよな
冷静に考えてあんなムカデの化け物がでてきて
ここが日本なはずがないよな
その前に日本が土地の名前って言ってるって事は
本当に知らないんだな
てか日本知らないって事は地球でもないのか?
あーーー
ちょっとドッキリでほんとは鳥取砂丘でした~
なんて落ちがあるかな~っとか思ってみたけど
やっぱりあるはずないよな~
「さっきから何ぶつぶついってるんだ
取り敢えず一通り君の事をまとめさしてもらうけど
気付いたら砂漠にいて人を探してたら
エビルワームの疑似餌を豚だと思い近付き
食われかけてたって所かな」
それから声の主は少し考えて話しかけてきた
「それで君はこれからどうするのかな?」
「これからですか
できれば人がいる所までいきたいです」
「ここから人が住んでいる村までは
早くて2日はかかると思うけど」
早くて2日ってすごく遠くないですか
また砂漠を2日も歩かなくちゃならないのかと思いながらもふと先程の出来事が頭をよぎった
「あの~少し聞いておきたいんですが
先程のムカデの化け物って倒したし
もういないんですよね」
もしあのムカデの化け物がまた出てきたら
次こそ死を覚悟するしかない状況になってしまう
「あ~エビルワームね
そんなに頻繁には出てこないと思うよ
村に着くまでに1~2回出てくるかなって所じゃないかな
それ以外のモンスターは頻繁に襲ってくるけどね」
「えーと、、、、、、
それって俺って村までたどり着けますか?」
悠介は青い顔になりながらも真剣な表情で
声の主に訪ねてみた
すると声の主は満面の笑みであははと笑いながら
軽く答えてくれた
「あはははは
無理だろうね~」
ですよね~
「1人じゃ無理だろうね
まーなんだ
俺の用事も明日には終わると思うし
明日まで待てるなら村まで送ってあげる事はできるけ
ど、どうする?」
先程まで前も後ろも見えない状況におかれていた
悠介に一筋の光が見えた瞬間であった
「いいんですか
待ちます
いつまでも待ちます
ありがとうございます」
「じゃーこれからどうするかも決まったところで
自己紹介でもしようか
いつまでも君って呼ぶのもどうかと思うしね」
「あ、、
そうですよね
えーと蒼樹悠介です
よろしくお願いします」
「悠介か
珍しい名前だね
俺はクラウド
こちらこそ宜しくね」