暗闇の中 1
何だこれ?
気が付くと回りは真っ暗だった
「・・・・・・」
「夜か」
「・・・・・・」
「いやいやいやいや
ない、それはない
てか地面もない」
なんだこれ
さっきまで山の頂上にいたはずなのに
今は暗闇の中にいる
ここが何処なのか何なのかも分からない
ただ暗いだけ
目を開けても閉じても一緒
これ目を開けてても閉じてても一緒なんじゃないってぐらい暗い
「・・・・・・・・」
これどうしたらいいのだろうか?
とりあえず自分が今いる場所には立つ?ことができている
のだから足場はあるのだろうか?
それ以前に地面の感覚なんてないし
足ぶらぶらしてるし
浮いてるのかな?
無重力?
宇宙?
なら空気は?酸素は?
息ができてるから
そんな風に考えていたのはいつの事だろうか?
あれからどれくらい時間がたったのだろう
まっ暗闇の中、なにも見えず聞こえず
声を出しても誰の返事もない
そんな中で人間が長時間冷静にいられるはずがなかった
「これ死んだのかな」
「アハハハハハハハ、、、、、」
「意味が分からない山にいたのに今は暗闇のなか
誰かいないのか
悪い冗談だよな
今なら怒らないからさ
誰か、、、、、、、」
「誰か返事してくれよ」
「返事しろよ~」
誰の返事もなく
あるのは暗闇だけだった
「アハハハハハハ
これもう駄目だ
俺これ死んだわ
死ぬなら最後に山じゃなく海に行きたかったな~」
「海水浴とか1回も行ったことなかったし
まー今さらか」
「アハハハハハハ」
など情緒不安定な状態になりかけている事も分からないまま海で泳ぐならこうやって泳ぐのかなと
上半身だけで平泳ぎの真似をしてみる
うん!
何だろう?
何か違和感があった
何だ?
平泳ぎをしてる時に感じた違和感
「泳いでた?」
それは長時間暗闇の中にいた為に感覚が鋭くなっていたからこそ気づけた事なのかもしれない
自分が感じた違和感を確かめるようにもう一度先程と同じように平泳ぎをしてみる
なにも感じなかった
やっぱり勘違いなのか?
いやさっきと何か違う所があったはずだ
何が違う?
腕の角度か?
それとも水のかき方なのか?
それから何度試しても先程感じた違和感をかんじることはなかった
(一体何が違うんだ)
あとやってない事はといえば~?
海かな?
海で泳ぐってイメージかな
まーそんな事でいいなら苦労はしない……!
あれ、、、泳げてる?
先程感じた違和感を感じた
泳げているのかはわからない
けどとりあえず今はそう感じる自分を信じて
必死に海を泳ぐイメージをして泳ぎ続けた