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2-5

 矢塚の屋敷からの帰り道、スタスタと早足で歩く雅緋に瑠樺は背後から声をかけた。

「どういうつもりですか?」

「何が?」

 雅緋は振り返りも足を止めようともしない。

「どうして私が矢塚さんのところで稽古をしなきゃいけないんです?」

「言ったでしょう。強くなるためよ」

「稽古は一条でつけてもらってます」

 雅緋はピタリと足を止め、瑠樺のほうへ顔を向けると――

「それで強くならないからでしょ。わかってるの? あなたは私を護ってくれるんでしょ?」

「み……雅緋さんは私が護らなきゃいけないほど弱くないじゃないですか」

「何よ。あなたは相手を見て護る護らないを決めるの?」

「そんなこと言ってません。そもそもどうして雅緋さんはそんなにも強いんですか?」

「そうね、子供の頃から道場通いをしていたからかしらね」

「道場通いって?」

「合気道と日本拳法をちょっと。あなたも習ってみる? でも、紹介は出来ないわよ。今は道場に行っていないから」

「だからってそれで妖夢とは戦えないじゃないですか」

「基本は同じよ。そもそもあなたにはここに通ってもらわなきゃいけないの」

「どうしてですか?」

「あそこにある資料、今後、あなたが通って借りてきてちょうだい」

「そんな――」

「いいから、言う通りにしなさい。強くなりたいんでしょ。あの人に任せなさい。きっと大丈夫よ。あなたの希望は叶うから」

 その冷静な言葉に瑠樺は言い返すことが出来なかった。

 雅緋と話をしていると、自分の全てを見透かされているように思えてくる。


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