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不老不死を得たある男の一生  作者: ヴァレー
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13/25

小動物たちとの平和な日々

不老不死から3000年後。

男、3020歳。



すでに人類の残したものは、腐敗したりしてなくなっていた。


イエローストーンの噴火も完全に治まった。

ただし噴火によって地球の酸素濃度が減った状態が続いたため、大型動物はほとんどが死滅してしまっていた。

生き残ったのは小型の哺乳類だけだった。


男はこの地球上で、最も大きな動物だった。人類の中の、ただ一人の生き残りだった。

男の生活といえば、この小動物たちと一緒に過ごすようになっていた。平和な日々だった。


しかし退屈な時間も長かった。すでに不老不死から3000年も経っている。

3000年という時間は非常に長い。通常の人間の寿命がせいぜい100年としても、その30倍である。


普通の人間と同じ密度の時間軸では生きていない。もっと密度の薄い、はるかに変化の少ない、のんびりした生活である。


もちろんあの噴火が起きたときのことは忘れてしまったわけではなかった。

あの時の悔しさ、激しさは覚えている。


だがそれも2000年以上も以前のことなのだ。男が不老不死になってから、噴火が起きるまでに400年。それの5倍の時間も過ごしている。


噴火と人類の死滅も、男の中では遠い過去のことになっていた。

非常に長い時間は、事件の苦痛や激しさを忘却させるには十分だった。

「あの時苦しかった」ということは覚えていても、その体感的な感情は忘れてしまっていた。


腐敗した人類の建物を目にして、たまに「あの時」のことを思い出すこともあったが、それで何か感情を揺さぶられるようなことはなかった。


人類への愛着も、すでにほとんどなくなっていた。

それよりも今の平和な日々、今の幸せのほうが大事だった。


気ままに動いたり、何もしなかったり、そんな気楽な生活。

そういう活動のスパンも、数年だったり数十年だったり……


100年寝て過ごし、その後10年くらい世界を旅してまわり、また100年寝て過ごしたりと、そんな生活だった。


特に小動物たちと戯れるのは楽しく、男に生きがいをもたらした。

男のお気に入りは真っ白なハツカネズミだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] これ人がまだ居る頃に誰か一人でも死神を呼び出してそいつも不老不死にしてもらえば良かったのにね
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