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眩い庭で  作者: みなと
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ヤマツツジ

「なんでいつもそんなに自分を苛めるのかなぁ。」

湊は苦笑いしながら眼前に広がる山を見る。


母親が山でワラビを採っているのだ。

採っている、というより草と同じようにカマで刈り取っている。

沢山ありすぎるのでそうやって食べずに切り捨ててしまうことにしている。

確かに多すぎるのも問題だけれど、この炎天下、肉体を酷使するのはどうか。

しかも山のワラビのことで。


「呆れるよなあ」小さい声でまた呟く。


小さい声のはずだったのに、誰もいない家の中に響いてびっくりする。

普段は独り言をしないのに今日はもうこれで二回目だ。


山にはまだツツジが咲いている。赤いヤマツツジ。

まだ午前中なのに気温が高く感じられるのは赤い色が関係しているのか。


「まったく、次から次へとやることが多くて困るわ。」母親の口癖である。

それを聞くたび、責められているような、居心地の悪い気分にさせられる。

本人にその意図はないかもしれないが。


早朝から庭を箒で掃いていることもある。シャッシャッという音がやはり湊を苛む。

「居場所がなくなるんだよなぁ」また声に出して小さく呟く。


どうしても湊の目には母親の行動が、母親自身を責めているようにしか見えないことがある。


なぜだろう。


ぼんやりと視線を庭に投げかけたまま考える。


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