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14話

 ぽこぽこと湧いてくるやる気みたいなものにわたしは背中を押されて、神様パワーを発動っ。シュピピピピー。綾乃の下まで飛んでいけー。

「綾乃、聞こえる?」

『なっ! どこから話しかけて』

「神様パワーです」

『ま、まあいい。何の用だ、私は忙しい。出来れば即座にこの謎めいた音声を消してくれ』

「まあまあ、もしかして気になっていることがあるんじゃない?」

『なにがだ』

 すこし息の荒い綾乃の言い方。ふむふむ、懐かしい。そして少しばかりココロに冷たいものが当たる感覚がした。

「そんな冷たい口調は良くないよ」

『お前にだけだ』

「酷いなぁ」

『早く用を済ませてくれないか』

「我が家のご子息について」

 言い方に不安を覚えるけど、間違えていたらそのときはそのとき、あまり深く考えていては、神様は務まらないのです

『御影君か』

「そうそう、秋人です」

『で、彼がどうした』

「綾乃、気になってるでしょ?」

『……』

 彼女は返事をくれない。しかし、ココロが乱れたときに聞こえるような、そんな吐息が漏れていた気がした。

「背が高くて爽やかなイケメンスマイルの人についても、気にならない?」

 わたしは知っている。彼らの関係と、彼女が気付いていることに。

 なんたって神様ですからね。

『なにを知っている』

「大半を知ってるよ」

 わたし達は二人して黙り込む。

 彼女は考えて、わたしは待っている。

『明日、学校に来てくれ』

「えー、面倒だよ」

『神様パワーでも何でも使えば良いだろう』

 ちょっとイライラしているのが伝わってくる。今頃目を瞑って何かに耐えるような顔をしていそう。

「使うと怒るくせに」

『明日は許す』

 しぶしぶ、という言葉を目一杯詰め込まれた許しの言葉に、少しだけ嬉しくなってしまう。まったく神を許すだなんて、なんて生意気な人間なんでしょう。

「ついにわたしを認めてくれるの?」

『もう私は一切喋らないからな』

「はぁーい」

 神様パワー終了。

 はぁ、疲れた。わたしはもうお疲れです。

「おい、まだ着替え終わらないのか? もう俺寒いんだけど」

 襖に背中を預けて、明日のことを少し思い描いてみようとしたわたしに掛けられた言葉は、困ったような声色で、実際に困っているんだろうなぁ、とすこしニンマリ顔になってしまったりしちゃう。

「ああ、ごめんごめん、ちょっと待ってて」

「まだ着替えてないのかよ」

 くすくす、しばらくこうして焦らしてやろうかな。



 それから平穏な時間が過ぎて、本格的にわたしのターン?

 まあ、なんにせよ、今日は綾乃に呼ばれたら瞬間移動で綾乃のすぐ隣に移動することになっていた。そして秋人が隠そうとしている、触れられたがらないことに無遠慮にべたべたと触っていく日。

 そしてそして合図を受け取るために、さっきから綾乃の言葉は全て駄々漏れ、おにいさんとわたしと家族以外の人と話している綾乃はちょっと新鮮で面白かった。

『ああ、私も納得いかない部分があるんだけれどね。とりあえず入ってくれ』

 呼ばれたのをしっかりと耳が聞き取ってからわたしは瞬間移動をした。

 目の前には顔を青くする秋人、隣にはちょっぴりつまらなそうな綾乃。この部屋は――知らない部屋。

 わたしは神様。

 厳しい現実をゆるゆるとした姿勢で見届ける神様。

 今だけは出血大サービスで見届けるだけじゃなくて関わっていく神様。

というわけで、14話でした。

至らぬ点が多々あるとは思いますが、少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。

なにか意見等ございましたらコメントお願いします。

本作に反映できるかどうかは、作者の時間しだいですが、次回作を書く際に参考にさせていただきます。

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