スタート地点
耳に残るならぬ、目に残った。
もう一度だけ、もう一度だけ覗いてみるか。
何も刺激のない日々を過ごしていた僕にとって先程の映像は衝撃的だった。
面白かったとか、そういう馬鹿にした気持ちはさらさら無く、ただ純粋に、どういう経緯があってあの映像を世の中に届けることになったのか、それが気になってしまった。
デビューしたばかりのアイドル何だろ?
だったら何でもっと大々的にとまではいかなくても
もっとちゃんとした場を設けてやらないんだろう。
これで誰かがこの子に食いつくとでも思っているのだろうか。
そうは思ってみたものの、この斬新さに少なくとも興味を持ったのは事実だ。
もう一度だけ、この子を見てみようか。
ただの興味本意だ。さっきのが現実に起こったことなのかどうか、確認するだけだ。
・・・・・・カナか。いや、カナちゃんか。
見た感じ、僕とそう変わらない年齢だろう。
どうしてこんなことをしているのだろう。
やりたくてやってるのか?
そんな感じもしないではないがやらされている感も否めない。
アイドルなんだったらもっと笑えばいいのに。
この子に笑顔というものがない。
気になる。悔しいけど、なぜか気になる。




