ニャディア編登場人物
ニャディア編 主要登場人物
○佐山貴大(21歳)
何でも屋〈フリーライフ〉の店主。
孤児院ではすっかり馴染みの顔となり、あの気まぐれなニャディアともどうにかコミュニケーションを取れるようになってきた。そこを買われて、サリスの調査、保護者役としての同伴をルードス院長から依頼されていた。
ニャディアのことは手のかかる妹のように思っている。まだまだ子ども扱いをしているようで、「元気を出すのに焼き魚を食わす」という単純なことをやっていた。あのあと他の子どもたちにも群がられ、そこそこの出費となってしまったが、幸い、効果はあったようだ。
○ニャディア=ブライト(10歳)
ブライト孤児院で暮らす少女。黒猫獣人の女の子。
満十歳となり、そろそろまともな言葉も話せるようになってきた。年長組への仲間入りも果たし、これから将来に向けての職業訓練も始めようというところで――なんと兄を名乗る子爵家の当主がやってきた。これにはさすがのニャディアも混乱し、彼とどう接していいのか分からなくなっていた。
結局、ニャディアは貴族の家に入ることもなく、これからも王都の下町でそこそこ貧乏に、そこそこ自由に生きていくことになる。あと数年すると〈フリーライフ〉の店舗を借りて、そこでメッセンジャーとして働き始める模様。
○サリス・ド・ティオール(20歳)
ティオール子爵家の若き当主。パーフェクト善人。
父の急逝により、若くしてティオール子爵家の跡を継いだ青年。誰もが認める好青年であり、その善良っぷりは「逆に怪しい」とあらぬ疑いをかけられるほど。領地経営の手腕はなかなかのもので、その善良さと有能さで早くも領民に慕われている。
あまりにも善良すぎるためか、「自分が思う幸せが他人にとっての幸せ」と思うような節がある。今回の申し出もそういった類の話であって、妹であるナディアが貴族の家で暮らすこと、それが彼女にとっての最善だと信じていた。
自分の不明を恥じ、妹のことはルードスや貴大に任せて去っていった。しかしその後、ニャディアの周囲にちらほらと「彼女の身を案じる怪しい人物」が現れるようになって――。
サリスに似ているようだが、その正体は明らかではない。
○ルードス=ブライト(34歳)
どうしよう……どうしよう……いい話なのに素直に喜べない……。
人を疑うなんて最低よ、ルードス! ああ、でも私には院長としての責任があって!
はぁ……はぁ……気は進まないけれど、ここはタカヒロさんに調査を頼んで……。
本当にいい人だったんですか!? えええええ! 本当に!?
ああああああ! 神様! 私は善良な人間を疑いましたあああああ!!!!
という、心の葛藤があった模様。




