幻想世界編登場人物
幻想世界編 主要登場人物紹介
○佐山貴大(17歳)
明志高等学校二年生。無気力な若者であり、ダラダラと高校生活を送っている。幼馴染である蓮次はギャルゲーも真っ青な毎日を満喫しているが、昼行燈な貴大には春は遠いようである。
趣味は読書とVRゲーム。アウトドアな活動は真っ平ごめんだが、VRでは斥候職として野山や都市を駆け回っている。そちらの戦績はよろしいが、実生活では凡庸といったところ。小器用なのはどちらでも変わりないが、それを就職や進学に活かすつもりはないようだ。
平々凡々、何事もほどほどに。将来の夢も目的も持たず、流されるがままに生きて、およそ主体性を持っていない。何がしたいのか、これからどう生きるのか、まだ彼は分かっていない。
○倉本蓮次(16歳)
明志高等学校二年生。人当たりのいいイケメンであり、文武両道を地でいく超人。幼馴染の貴大とはスペックが天と地ほど違うが、何故か無二の親友としてよく行動を共にしている。
両親、姉×2、妹×3の女系家族で育ったため、女の子のあしらいはとても上手。とにかくモテるが、本人としては男友だちと一緒に遊んでいる方が気が楽だったりする。
将来は政治の道に進もうと考えている。そのために日本で指折りの大学に入ろうとしているが、それで親友三人が離れ離れになることを心苦しく思っている。しかし、彼の根の部分は揺らいでいない。
○上島優介(17歳)
明志高等学校二年生。貴大たちとは中学校からの付き合い。ノリのいい性格のオタクであり、二人をVRゲームに誘い、〈フリーライフ〉を結成したのは、何を隠そう優介である。
インドア派であるが、享受するだけではなく、それを活かして積極的に動こうとする。VR機器の調整から自作プログラムの公開、@wikiの編集、イベントの開催など、その行動は多岐に渡る。
上記で培ったスキルを活かし、ゲーム会社やIT企業への就職、あるいは起業など、多くの進路を思い描いている。とりあえずは情報系の大学には進もうと考えている。
そう、俺たちはこんな感じの高校生だった。
ありふれた街で、ありふれた学校で、普通の高校生活を送っていた。
だけど、もう違うんだ。
温かくて心地いいけど――。
俺の世界は、ここじゃない。




