カオル編登場人物
カオル編 主要登場人物紹介
○佐山貴大(21歳)
今回、年越しそばを食べて、おせちを食べて、雑煮を食べていただけの主人公。
カオルの変調には気づいていたが、それがキツネ憑きによるものとは思いもせずに、「また変なものでも食べたのか……」と冷めた目で見ていた。
それでいいのか、主人公。枯れてはいないか、成人男性。
佐山貴大はまだ21歳である。
○カオル=ロックヤード(18歳)
大妖怪に憑依され、痴態をさらしたヒロイン。
お姫さま+傾国の美女+妖怪+狐耳で無敵と化したと思われたが、貴大には歯牙にもかけられなかった。
もっとも、ルートゥーやユミエル、メリッサやフランソワ、クルミアやアルティなどの美少女に、毎日のようにアプローチをかけられては袖に振っている貴大が、これしきのことで落ちるはずがないとは思っていた。
私にチャンスはないのかなあ……と思いながらも、安息日にやっていることは通い妻のそれである。
寝ている貴大を起こして、手料理を食べさせて、そのままデートに行くなんて、他のヒロインはしたことがありませんよ、カオルさん!!
……あ、ユミエルがいたか。メインヒロインの壁は厚い。
○玉藻前(1220歳)
レベル250、カオス・ドラゴンにも引けを取らない大妖怪。
大狐の姿になればかなり強いが、雅ではないと考えているため、もっぱら美女の姿となって高貴なる者たちをたぶらかしている。
数十年前、弥彦によって倒されたことを根に持っており、子孫に憑依することで岩庭家を滅ぼそうとした。
男たちを意のままに操って、国や家を腐敗させていくのは玉藻前の得意分野であったが……今回は狙った相手も、取りつく相手も悪かった。ある意味では、貴大とカオルのタッグチームの勝利である。
修羅と化した弥彦と薫によってこらしめられた彼女は、岩庭家の守り神となることで命を長らえた。
弥彦に殺され、薫に仇討ちされ、カオルには『タマちゃん』と呼ばれ、未来ではヒナゲシにこき使われる。
どうやら、岩庭家は玉藻前の天敵であるようだ。
ちなみに、美女状態だと『雅やかな女』、妖怪状態だと『尊大な女』、幼児状態だと『のじゃロリ』な口調になる。さすが女狐、あざといなあ……。
○岩庭弥彦(68歳)
レベル240の〈鬼神武者〉。
若いころは太刀を使って豪快な戦ぶりを見せていたが、左腕、左脚を失ってからは、剣を使っての技巧派に転じることとなった。
とはいっても、ジパニア村周辺は平和なもので、時々村に迷い込む魔物、盗賊を相手にする時以外はその腕は振るわれることはなかったが――。
今回、磨きに磨いた老練の技が、玉藻前相手に炸裂することとなる。南無。
○岩庭薫(63歳)
レベル240の〈鬼神武者〉。
弥彦とは違い、薙刀を得意武器とする。
レベル、技量は他国の武将に比べてもトップクラスであり、世界的に見ても類稀な強者。
最強騎士と呼ばれ、神の加護を受けたカウフマンでさえ、薫にかかれば子どものようにころころと転がされたりする。
そういった強さが、今回はいかんなく発揮されましたね。
玉藻前、南無三。
○アカツキ・ロックヤード(40歳)
筋骨隆々とした大男。
よく笑い、大きな声で話すところは、今は亡き母親に似ている。
しかし、見上げるほどのその体躯は、どうやら弥彦の父、アカツキの祖父に似ているらしい。
2メートル近くの戦国武将――妖怪かな?
○スバル・ロックヤード(34歳)
未だ若々しい優男。
外見は父親である弥彦によく似たのだが、心身ともに少しばかり虚弱である。
力強さ、たくましさは兄に吸い取られたのかと言わんばかりの軟弱さ。
しかし、代わりに兄のおつむを吸い取ったのか、頭の良さは人一倍である。
○ケイト・ロックヤード(38歳)
真っ赤な髪、小柄な体、いつもちょこちょこと動いている元気のいい女性。
アカツキの妻、カオルの母親は、多くのジパニア村の村人のように、明るくはつらつとした女性である。
若いころはそれなりの美少女だったが、調子に乗りやすいのが玉に瑕だった。結婚も王都行きもノリで決めた。
「そろそろ結婚するか?」
「いいねー! しようしよう!」
「王都で一山当ててみるか?」
「ステキ! 行こう行こう!」
「「わははははーっ!」」
娘であり、常識人であるカオルの心労は、今も絶えない。
○モルガ・ロックヤード(34歳)
スバルの妻、ヒナゲシの母親。
ジパニア村では珍しい、控えめな女性である。
真っ赤な髪を長く伸ばしているのも、ひょろりと高い身長も、やはりジパニア村では珍しいものだが、芯の強さはケイトとそれほど変わりのないものだった。
スバルとは同い年の幼馴染であり、いっしょに育ち、いっしょに遊び、いっしょに本を読みながら大きくなった。
あまりに順風満帆な恋愛であったため、ケイトからはそのことをよくからかわれる。
○ヒナゲシ・ロックヤード(10歳)
スバルとモルガの娘。
カオルと色彩を逆にしたかのような、黒いメッシュが入った真っ赤な髪が特徴。
いわゆるガキ大将であり、村中を駆け回っては子分たちとはしゃぎまくり、日が沈むころに泥だらけになって家に帰ってくるのが彼女の日常だった。
少しばかり元気がありあまっているが、統率力があり、行動力もある。この子はきっといい村長になるぞ――。
という両親の予想を大きく裏切り、六年後、ヒナゲシは播磨国で戦国武将デビューを飾ることとなる。
フリーライフ外伝、『ぶった切れ! ヒナゲシちゃん!』にご期待ください。
○お弓ちゃん(14歳)
今回、あまりに姫路城の下男下女に溶け込んでいたため、うっかり置いて行かれそうになったメインヒロイン。
他の者たちといっしょに見送りに出て、みんなといっしょに手を振っていた。
そして、薫に指摘されてようやく気がついた。
珍しくもうっかりとしたシーンであった。
○龍姫さま(1012歳)
播磨国では神様、仏様のような扱いであり、魔物でありながら帝に次ぐ国賓である。
廊下を歩いてはありがたやと手を合わされて、町を歩いては町人たちに平伏される。
酒を飲めて、ひれ伏されて、下にもつけない扱いを受ける。
ルートゥー、大満足!
次章、貴大不在のグランフェリアに大事件が起きる!
サブキャラたちが力を合わせて立ち向かうぞ!
……え? あのメンツが?




