2.これでも王子ですっ!!
~前回は~
フォレスタ王国の王子、ソウラの挑発に易々とのった執事ルーシャ。
そのルーシャの一撃を止めた人物とは……
ちょうどソウラと男――ルーシャの間に入り込み、ルーシャの腕を掴んでいる男がいた。その男は、己の言葉でルーシャの殺気が治まったのを確認してから、静かに手を放す。
「まぁ、ルーシャもいけねぇが……こいつがこうなる可能性のある言葉を言った、坊ちゃんもいけねぇな」
「サルマ、説教するとまたソウラが町へストレス発散に行ってしまいますよ」
急にこの部屋の扉の方から、女の声がした。ソウラとルーシャ、それとサルマがその方向へ目を向けると、そこに居たのはきらびやかなドレスを身に纏った、いかにも姫か王女らしき女がいた。
「ハハ、嬢ちゃんのいうとおりだ。これでまたケガ人増やされちゃぁ、俺の所為になっちまうなぁこりゃ……」
女の言葉に笑いながら、ゆっくりと己の立ち位置を女の後ろへと移すサルマ。ソウラは女に言い返そうと口を開く。
「俺はそいつが助けなくても、自分で攻撃ぐらい避けられたっつーの。手出しさせんなよ、姉貴」
「ソウラ様……ソウノ様は王位第一継承者。王になられる方ですよ。口の利き方に注意して下さい」
ソウラの喋り方に顔を顰めながら、ルーシャは指摘する。が……
「別にいいんじゃね? 俺等、姉弟だし……」
軽いソウラの言葉に、ルーシャは大きなため息を漏らす。
「えぇっとですね……それならまず、王子らしい服を着ることから始めましょうか?」
ルーシャの言うとおり、現在ソウラは町民とほぼ変わらないような、粗末な服を身に付けていて、今いる豪華な部屋はソウラのものだというのに、当の本人が一番浮いていた。
「んぁ? いいんだよ、俺はこれで。だいたい、あの服は動きにくすぎるんだよ!!!」
「ソウラ、あまり反抗すると、ルーシャさんがお困りになってしまいますよ」
ソウノはいつの間にか、ソウラに一番近い椅子に座り、その後ろではサルマが一生懸命笑いを堪えていた。
「笑うなっ!!」
「笑わないでください」
ソウラとルーシャ、2人の言葉が重なった時に、サルマは堪え切れずに吹き出した。
「いやいや……すまん、何だかんだ言って、結局仲が良いなぁと思っちまって…………面白すぎるわ、お前達」
そうして、豪快に笑い出すサルマ。本人達は、どうしてサルマが笑っているのか不思議だったが、別に泣いてるわけじゃないので放っておくことにした。
「あ、そうそう。私はソウラに伝えることがあって来たんです。」
ソウノの言葉に、頭の中にハテナマークを浮かべるソウラ。
「俺に伝える事……まさかっ! 説教か!? うわぁ……ルーシャは全然恐くねぇけど、姉貴の説教は笑いながらだから、何考えてるかわかんねぇ!! それが怖い!!」
さらりとルーシャの悪口を言ってから、顔を顰めるソウラ。そんな弟にソウノは、優しく微笑みながら言う。
「明日の朝早く、お父様が帰ってくるそうです」
そして、その言葉に一番反応したのは、ソウノが言った相手ではなく、その者に仕えている執事だった。
「王が帰ってくるのですか!?!? 実に1ヶ月ぶりですね。そういえば……王は何処に行っているのですか?」
ルーシャの言葉はいつも、最低限の感情しか出さない。だが、王に関しては違う。もしも、王が仮に『ソウラを殺せ』と言ったとしたら、躊躇うかもしれないが、やっぱり殺すだろう。……まぁ、それぐらい敬っているという意味だ。別に深い意味はない。
「あぁ……なんかよ、ほかの国の御高い連中とお茶会だと」
サルマの言葉に、へぇ~と頷くルーシャ。だが、その息子はルーシャとは全く別の感情を抱いていた。
“あ、あの変態が帰って来たぁ!!!!!”
本当は口に出して言いたかったが、言った瞬間にルーシャに殺されることが安易に予想できたので、次の日の朝までソウラが口を開くことはなかった。
……なんだか…………変だ!
俺が考えてたのと全然違う展開にぃぃぃぃいいい!!!!
まぁ、いいかw(って言ったら……これを見てくれた方に失礼ですね
CM、今回もヤルゼっ!!!
『次回はっ!! お姉様に続きお父様登場!! お茶会から帰ってきた父から聞かされる事件とは? そして、ソウラが父を変態と言う理由とは?? 次回、【偉大なる王様登場!?(仮)】お楽しみに~』
……はい、すいません、調子のりました。マジでスライディング土下座しますっ!!
すいませんでしたぁぁぁぁああああ!!! CM書いても、自己満足だし、俺以外見る奴なんかいねぇっつーの!!!
と、自分自身を責めながら……またいつかお会いしましょう☆ミ