1.プロローグ、紙芝居にて……
【ホゥリーウラウンド】そこは自然豊かな土地だった。そう、だったのだ。そんなのは昔の事で、今では自然など数えるほどにしかない。そして、そんな数少ない自然に周りを囲まれた1つの小さな王国があった。名は【フォレスタ王国】本当に小さな国で、攻め込めば簡単に落とせるほどの領土しかない。だが、その国は結構な歴史をもつほど、長続きしている。それはなぜか? その最大の要因は、その国を統べる王族の血筋だけが持つ、ある特別な力の所為だった……
「そして、その王族こそが貴方の家族なのですよ? ソウラ様」
横にどこからか持ってきた紙芝居を携え、それを捲りながら白黒の服に身を包んだ男が、目の前で不貞腐れている少年に話しかける。
「いや、俺王になりたいって希望してねぇし……っていうかよ、その紙芝居用の紙、どっから持って来たんだ?」
「これは私の手製ですが?」
微笑みながらソウラの疑問に答える男。その男は何処か人間離れした雰囲気をもち、見た目はどこかのモデル雑誌から出てきたような整った顔立ち。背も高く、こんな所で執事なんかしていないで、本当にモデルでもタレントでもしていれば人気も出るというのに……まぁ、この国にそういう職業があるのかは知らないが。
「お前、妙な所で器用だな」
「戦闘時のソウラ様ほどではありませんよ」
男が平然と言ってのける。そして、ソウラが急に話題を変える。
「なぁ、俺腹減ったんだけどよ、晩飯は?」
「私はモノを口にしないので、そういう事は一切聞いておりません。それより、私がなぜさっきのような説明をしていたのか、解っているのですか?」
男が少し声を低くし、ソウラに問い質す。当の本人はヘラヘラと笑いながら、優々と男の問いに答える。
「あぁ、解ってるよ。俺が2人、病院送りにしたからだろう?」
「いえ、違います。正確に言えば『2人』ではなく『5人』です」
「あ゛? 俺があってるんだよ。確かに5人送ったけどよ、その内の3人は手前の仕業だろ!!」
少しキレかかっているソウラに、男は言い返すように呟く。
「その3人は自業自得です。王を蔑むからバチが当たったのです」
“バチを直接当てたのは手前ぇだろ……”
そう思ったソウラだったが、ここは言わないことにした。
「……それにしてもよ、すげぇ忠誠心だな。あんなバカ親父のどこがいいんだ?」
ソウラが言った瞬間、男から殺気が膨れ上がり、そのまま無駄のない動きで己の手刀をソウラの首へともっていく……が、1撃を入れることは出来なかった。
「ルーシャ、落ち付け。坊ちゃんにケガさせっと、主が悲しむぞ?」
ちょうどソウラと男――ルーシャの間に入り込み、ルーシャの腕を掴んでいる男がいた。
……なんだか変なところで切ってしまってすいません。
実はもっと長かったんですけど、『プロローグにしては……長すぎるんじゃね?』と、俺の独断で切りました。俺は書くのが遅いんで、次の更新がいつになるか分かりませんが、生温かい目で見守ってくれれば幸いですw
それでは、俺の遊びとして、次のお話のCMを……
『急に王子:ソウラと執事:ルーシャの間に入ってきた男。その正体やいかに!! 次回はソウラのお姉様登場!?!? お楽しみに~』
あ、CM意外とおもろいかも……と、調子に乗りながら続きを書こうと思います。
それでは、またいつか会いましょう☆ミ