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焼き畑開始

「オスカー様ちょっとお聞きしたいんですが、もしかして何か作物を育てようと

されているんですか?」

「うんまあね。どうかしたのか?」


「その・・・ご存じだと思いますがあの大戦から土は穢れ、作物は育たなくなって

私の住んでいたところでも芽すら出ない畑に作る事自体を諦めてしまいました。

ですので・・・・どうしてかな・・・と」


マーガレットがそう思うのも無理はない。

俺もオスカーの日記から現状は理解しているつもりだ。

でも俺は閻魔様にもらった権能がある。それを使えば可能性はあるのだ。

まあ彼女にそのまま説明しても信じてはもらえないだろうが。


「マーガレット、それでも俺は諦めたくないんだ。穀物を何でもいいから

育てないと安定した食は得られない。だからここ何年も勉強してきたんだ。

この過酷な環境でも諦めなければきっと実りは訪れると思っている」


「そう・・・なんですね。わかりました!何かお手伝いできることは

ありませんか?微力かもしれませんがオスカー様のお力になりたいんです!」

「お、おお。そう?うーんそうだな・・・・」


正直何年もは勉強していない。まあ前世もカウントすれば嘘は言っていない

から良しとしよう。

彼女は「命の恩人ですから!」と息巻いていたがそんなに気にする事ないのに

と思わなくも無いが、本人は滅茶苦茶やる気みたいなので水を差すのも

なんだか悪い気がしたので手伝って貰う事にした。

一応本人には「無理だけはしないように」と伝えたけどね。


「じゃあ、近くの雑木林から枯れ枝や枯れ草なんかを拾って持ってきてくれないか?

そこの納屋に背負子しょいこがあるからそれを使ってくれ」


「はい!わかりました。行きましょうリーシア」

「わかったー!リーシアもお手伝いするー♪」


助かった。焼き畑をするにはまだまだ栄養となる材料が少ないからな。

材料集めは二人に任せて一回目の焼き入れをする事にした。

子供が近くにいると火傷をする危険もあるし、何より煙がたくさん出るから

間違って吸い込み過ぎると一酸化炭素中毒になるかもしれないしね。


「じゃあ行ってきます、オスカー様。暗くなる前には帰ってきますね」

「ああ、無理はしなくていいからね」


「オスカーにお兄ちゃん、リーシアも頑張るね!行ってきまーす!」

「転ばないように気を付けてるんだぞ。いってらっしゃい」

二人が出かけて姿が見えなくなるまで見送ってから作業開始だ。


火打石を使って燃えやすそうな枯れ草にカンカンと火花を散らしていく。

何度か繰り返していると、火種が出来たので這い蹲ってフーフーと息を

吹き込んでいく。

程なくして小さかった種火はボウっと赤く燃え上がった。

ここのところ晴天続きで乾燥していたし、今日は少し風もある。

真っ白な煙を吐き出しながら火は地を這うように順調に燃え広がっていった。


近隣には人もいないし、ここでは前世みたいに消防に許可を取っておく

必要もないから気兼ねなく焼き入れできるな。

ここからは必要以上に燃え広がらないかしっかり監視するだけだ。

とは言っても結構風向きによっては煙が巻いてきたりするので、目が痛く

なったり喉が痛くなったりで結構大変だった。


「よしよし、ようやく火も落ち着いて来たか。そろそろ頃合いだろう」


焼き入れから約1時間半くらい、まだちょっと熱が籠っているが充分だと

判断し鍬を持って畑に入って行く。

ここからは白い灰になった枝や草に土をかけていき、完全に鎮火するのを待つ。

それだけでも広い畑なので結構重労働だ。


「あーーおにぎりでも食べたいのぅ。絶対に将来ここで米を育てて食べてやる」

疲れから思わずまた爺のような口調になってしまったが、ここに転生してから

まともな穀物を食べていない。

やはり日本人たるもの米が恋しくなるのは仕方がないことだろう。

でも今は辛抱の時だ。米の育成には時間がかかるのでまずは生育の早い作物を

育てて急場を凌ぎたい。


って事で少し時間をおいたので作業を再開する。

今度は焼いた枝や草の灰を良くなじむよう土を混ぜるように耕していく。

うん、もう熱も引いているしいい感じだ

けど流石にちょっと腰が痛くなってきた。この体はまだ寝込んでいた期間が

長くて重労働には慣れていないからなぁ。

今日の夜には筋肉痛になってそうだ。


「オスカー様、帰ってきました。結構いい感じにたくさん取れましたよ」

「お兄ちゃん!リーシアねえ、頑張っていっぱい葉っぱ拾ったよ!」

「おー二人ともありがとうな!疲れたろう?そろそろご飯にしようか」


土を大体慣らし終わったくらいに、二人が戻って来た。

気付けばもう夕方、見上げれば空が茜色に染まってきている。

春先とはいえまだまだ日が落ちるのが早い。そこはこの世界でも一緒か。

今日はみんなよく働いたし、きっとご飯が美味しいはずだ。


本当は仕事の後は風呂に入った後に、一杯やるのが最高なんだが

ここには風呂なんて贅沢なものは無い。

いつか五右衛門風呂でもいいから作らないとな。不潔にしていると衛生上

良くないし疲れが取れない。

これも課題だな。明日は川でみんなで水浴びでもしようかな。

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